鳴釜神事の実際と考察・・・・21、その後
 今年の3月18日に祈祷を行い、商売に支障を与えるものは何も無くなりました。

 真夜中に一人でクッキーを焼いていても、空気が清んで、何も見えたり、感じたりするものは無くなったと言われます。

 去年の暮れは、年が明ければ商売を止めて、どうやって借金を返して行こうかと、毎日泣いて暮らしていたと言われます。

 目の前に見える、この領域の不可解なものを、何処の霊能者に話しても、気のせいと片付けられたと言われます。

 そして、この方の見たものと、遠方から霊視した私達のものが一致した為、一か八か、最後の手段として、私達に賭けたと言われます。

 前回の祈祷の直後から、この方を取り巻く状況が、がらりと変わったと言われます。

 今までは、何回も此方から頭を下げて取引を頼みに行って断られた業者や、公的な物産展の出品や注文が頻繁に舞い込む様になりました。

 余りにも大量の注文の為、お断りしなければならない状況も多く、新たに機械を入れるか、他所に工場を立てようかという状況になっています。

 その都度、私達の所に相談の連絡がありますが、まだその時期ではないと、巳神様も伏見稲荷大社、白狐様も言われます。

 この経営者の女性の方に取っては、上辺は大変忙しい年になりましたが、内容はまだまだ不安定で、本当の充実した流れは、これから来年にかけて、そして後9年間は伸びて行きます。

 この方は、もう一度釜を焚いて欲しいと言われますが、私は無視していました。

 何故なら、商売繁盛の祈祷は、この方の場合、一回で十分な成果が有りました。

 成果が無ければ、私達の責任も有りますで・・・、複雑な心境ですが。

 しばらく後、この女性は、商売繁盛の祈祷ではなく、どん底から此処まで盛り上げてくださった伏見様に、感謝の気持ちを現したいので、釜を焚いて欲しいと言われます。

 この女性経営者は、伏見様の御陰と感じた時は、店のクッキーを白狐社の白狐様に送ったり、又お賽銭を送ったりされています。

 私は直に祈祷を引き受けました。

 そして事前に、その祈祷の日にち等は白狐様に話し、祈祷の当日は是非来てくださいと頼んでいましたが、内容は何も言いませんでした。

 此方の巳神様にも、白狐様には伝えないでくださいと頼んでいました。

 白狐様の嬉しそうな顔が浮かびます。

 祈祷に出かける前に此方から霊視をし、祓うものが何も無いと確認しましたが、何かひっかかるものが私の中にあります。

 この家の娘さんが、心臓に病をかかえている事です。

 薬師如来様(おやくっさんの神様)に頼んでみようと思い、その事を巳神様に話しました。

 巳神様は、私の顔の前に来て、私の鼻をちよんちょんと突付きます。

 良し、と取ります。

 今回の祈祷は、釜を2回焚こうと思いました。

 中央に伏見稲荷、白狐社の白狐様、向かって右に、この家の伏見稲荷様、左に此方の巳神様に出ていただく予定です。。

 最初は、やはり商売繁盛、娘さんの病気平癒の為の祈祷にし、2回目に、白狐様への感謝の言葉を述べ、釜を焚く事にしました。

 祈祷の当日、鳴釜神事の用意も終り、先ず此方の巳神様をお呼びし(此方の巳神様は、何時もついていますので、その必要はないのですが)、向かって左の位置に来てもらいました。

 巳神様は、自分の頭を何箇所か地面(?)につける動作をして現れました。

 その訳を聞いてのですが、結局は分かりませんでした。

 次に、伏見稲荷、白狐社、白狐様をお呼びしました。

 何時も、向かって右上から御姿が出て来ます。

 白狐様も自分の前足で、何箇所か地面(?)を軽く叩く(手をつける)動作をします。

 その理由を聞きましたが、分かりませんでした。

 私は白狐様に、中央に来てくださいと頼んだのですが、右の位置からは動かれませんでした。

 最後に、この家の伏見稲荷様をお呼びしました。

 お呼びしましたが、なかなか姿が見えません。

 気おくれしている感じです。

 まあ、無理も無いことです。

 最初にこの神様を呼んでいれば、すんなり出られたものを、私が白狐様を先に呼んでしまったものですから、出にくかったのでしょう。

 やっと姿を現しました。

 もう一度白狐様に、中央に移動してくださいと頼みましたが、やはり右の位置からは動かれません。

 結局、中央にこの家の稲荷様が位置することになりました。

 そして最後に、薬師如来様をお呼びしましたが、なかなか御姿が見えません。

 仕方が無いので、神事に取り掛かりました。

 一回目の釜は、商売繁盛の祈願と、娘さんの病気平癒の祈願を願文に取り入れ、釜に火をいれました。

 少し横にそれますが、この日の巳神様は、この女性経営者のこの先を安心してか、余り自分から積極的には動きません。

 湯が沸騰して来ました。

 妻、「○○さん(女性経営者)の首や肩から、白いものがピョンピョン沢山出てるわ」、「それを白狐さんが、後ろから両手で押さえているけど、次から次に出てきてるわ」、「白狐さんが巳神さんを、手招きしてるわ」、「巳神さんが、○○さんの体から出て来るものを包んで、横に引きづりだしてしまったわ」、と言います。

 ?????。




 この女性経営者の、余りにもやる気の強さ、向上心、反対に人を信用し過ぎる人の良さを、まあそんなに焦るな、時が来れば頂点に立つ、今焦ると、前の様に騙されるぞ、という注意と取ります。

 白狐様はびっくりする様な厳しさも持っておられますが、この様に優しさを動作で現される時があります。

 洗い米を入れます。

 釜は当然、大きな音を出して鳴り出しました。

 妻、「おやくっさん、来てあったわ」、「はっきりした形ではないけど、金色に光っているわ」、「手がはっきりと出て来たわ」、「手の上で、玉が光ってるわ」、「手を回し出したよ」、「回してるわ」。

 私、「どの方向や」。

 妻、「右回りやわ」。

 ????。




 (誠に勉強不足で、この場では、薬師如来様がこの家の娘さんの心臓病を治してやると来られた所までは理解しましたが、後日薬師如来様の手の平に何が乗っているのかを調べると、薬壺(やっこ)という壺をお持ちで、これで人々の病を治されると記されています。この薬壺を回されるとは、何の書物にも書いてありませんが、まあ、この様な動作をされるのでしょう。*妻は最初、手の平が見えて来て(右下)、その上に玉が乗っているのを、この様に見えたと言います。そして手が回り始めると、その上に示す様に見えて来たと言います)

 娘さんの心臓病に対する、薬師如来様の助けと取ります。

 釜は長い時間鳴り響いていました。

 2回目の釜は、何を祈願するというものではなく、只只、伏見稲荷大社、白狐社、白狐様に、感謝の気持ちを現すための釜焚きです。

 白狐様に、この9ヵ月間の御加護に対し感謝の言葉を述べ、この先もお守りくださる様に嘆願しました。

 そういう事ですので、是非中央に移動してくださいと頼みましたが、白狐様は右位置から動こうとされませんでした。

 此処まで盛り上げてくださったお礼を白狐様に伝えますと、表情を崩さずに、普通に前を向いておられました。

 びくりともしないで、前を向いておられます。

 湯が沸騰し始め、米を入れ、音が鳴り出しても、表情を変えずに前を向いておられます。

 釜は大きな音を立てて鳴り出しました。

 あえてこの場で、頼み事はしませんでした。

 妻に、釜の上に何か出てるかと尋ねましたが、何も出ていないと言います。

 何も出ていなくて、当然です。

 長い間鳴り続けた釜も、すーと小さな音になり、鳴り止みました。

 私も少しサービス精神で、この先の商売を聞きましたが、白狐様は何もお答えにはなりませんでした。

 当然です。

 忙しいおり、長い時間、この釜焚きに付き合ってくださったお礼を述べ、「稲荷大神秘文」を上げ、お帰り願いました。

 「稲荷大神秘文」も終わる頃になると、くるっと後ろを向き帰られましたが、途中少し立ち止まり、首だけ此方振り返り、頭を下に礼をして、帰られました。

 白狐様にしては、余り見た事のない動作でした。

 嬉しかったのだと思います。

 白狐様にしても、頼まれる事は多くても、今回の様に、純粋に感謝の気持ちを釜で表し、呼ばれる事は少ないかも知れません。

 この祈祷の2日後、大阪の大手の製薬会社から、この店が将来展開を考えている商品の注文が入りました。

 此処しか作れない、この女性経営者が考え出した商品ですので、将来有望です。

 この女性経営者は、「又白狐様に助けられた」、と言われます。

 この方は、この気持ちが有る限り、将来は開けます。





鳴釜神事の実際と考察