相談中に見せられたもの 4
京都の有名な伝統産業の会社の社長さんから電話が有りました。
相変わらず仕事は忙しいと言われます。
この会社には、強い力の伏見稲荷様と、相当な力の有る巳神(地神様)が祀られています。
この神様のお陰で、この会社は順調に行っています。
しかし、長年に渡る取引先の会社からは、単価の低いものしか注文が入らなくなったと言われます。
取引会社の担当者は、この不景気な時勢、もっと安く品物を作ってくれる所が在ると言います。
足元を見てきたのでしょう。
それも高飛車な言い方です。
しかしこの会社の社長さんとしては、品物は高価でも、それに見合う技術、材料で生き抜いてきた自負が有ります。
取引先の規模も大きくなり、以前は人間的なつながりも有ったのでしょうが、今は担当者の判断で決められるようです。
仕事を注文してやっているのだから、負けろという訳です。
腹の立つ事です。
職人の社長さんに取っては屈辱です。
私事ですが、私も一応職人です。
美容院で負けろというお客さんは先ずいませんが、絶対に負けません。
この伝統産業の社長さんも、腹が立つやら、情けないやらで電話をかけて来られたと思います。
以後、この取引先とは、どの様な付き合いをしたら良いのかを聞いて来られました。
(一日目)
此方の巳神に頼み、この会社の伏見稲荷様をお呼びしました。
私、「今回の経緯は知っているか」、と聞くと「、知っている」、と下を向きました。
妻、「人の手が花を摘んで出て来た」、と言います。
妻、「何か・・・・、えー・・・・・、袴をはいて正装した狐が、正座して、下を向いて出て来てる」、と言います。
妻、「ずっと下を向いてる」、と言います。
私、「稲荷様、貴方は何処から来たのですか」、「貴方は伏見の白狐様が寄こした使いの方ですか」、「少し頭を上げてください」。
妻、「ずっと下向いてるわ」、「謝ってるみたいやわ」、と言います。
私、「貴方は、〜の会社(取引先の会社)の稲荷様ですか」、と聞きますが、返事が無く、下を向いたままです。
妻、「あかんべーが出て来た」、と言います。
妻、「人の手が、摘んでいた花を下に落としたよ」、と言います。
益々分からなくなってしまいました。
妻、「此処の稲荷さんの間から、金色の仏像が出て来たよ」、と言います。
妻、「人の横顔が出て来て、何か言っている様に、口から息の様なものが出てるわ」、と言います。
全く分からなくなって来ましたので、今日はこれで止めにして、明日もう一度教えていただきたい旨を巳神に伝え、目の前のものを消してもらいました。
妻、「消える時に、青い丸い輪が三つ、三角形の形出てたよ」、と言います。
私、「・・・・・・・・・・?」。
(二日目)
昨日は、分かった様な、分からない様な状況で終わってしまいましたので、今日は最初から伏見稲荷の白狐様に聞く事にしました。
此方の巳神を通じて、白狐様をお呼びしました。
妻、「白狐さん、横に立っている棒を前足で次々に触りながら来てあったわ」、と言います。
私は白狐様に、昨日の事を最初から話しました。
袴をはいた稲荷さんの事、この会社の稲荷様の間から仏像が出て来た事、何かを言っている人の横顔、人の手から花が落ちた事、あかんベーの事をスケッチした紙を見せながら報告しました。
そしてこの会社の伏見稲荷様もお呼びしました。
私、「白狐様、昨日此方の地神様からいろいろ見せていただきましたが、まだはっきりとした結論に至ったおりません。白狐様、この先、この取引先とはどの様に付き合っていけばよろしいでしょうか」、と尋ねました。
妻、「此処の稲荷さんの前に(重なって)鼓の様なものが出て、ポンと鳴ると、花が一つポンと出たよ」、と言います。
私、「白狐様、どういう意味ですか」、と尋ねましたが、白狐様は何も言われません。
何回も聞いたのですが、白狐様は何も言われませんし、何も動作で示されませんでした。
私事ですが、昔から毎年、年末とお盆近くなって来ると、頭が勝手に休みたがる癖が有りまして、要するに頭が働かなくなるらしく、何時もなら難無く分かるような事でも気がつかない事が多くなります。
後から思うと、何故こんな事が分からなかったのかと反省する事が、この時期多くなります。
まあ、同時に沢山の相談事を聞きますので、それも影響が有ると思いますが・・・・・・。
ましてや昨日と今日の出方から判断すると、大体分かる様な・・・・・、全く分からない様な・・・・・。
この日も、中途半端な状態で、白狐様にはお引取り願いました。
この後京都の社長さんに電話をしましたが、結論から言いますと、腹が立つでしょうが、この取引先とは以前と同じ様に取引を続ける様にお伝えしました。
この電話の3時間程後、社長さんから電話が有りました。
この取引先から沢山の注文が入りました。
相手の態度も丁寧で、以前と同じですと言われます。
これで分かりました。
あかんべーは、取引先の担当者の考えです。
指で摘んでいた花を、下に落としたのも、担当者の考えです。
此方の一存で、お前の会社くらいどうにでもなるという、担当者のおごりです。
正装してずっと下を向いて、頭を上げなかった稲荷様は、取引先の会社の守り神です。
正統な神様なのでしょう。
此方に伏見稲荷様をお祀りしている事に対し、筋を通してきたのでしょう。
担当者の理不尽な行為に対し、謝りに来られたと取ります。
此方の二体の稲荷様の間から出現した仏像と、それに対して何かを言っている横顔の方、全てが消えるときに出て来た青い三つの丸の意味は、はっきり言って、分かりません。
次の日の、白狐様がお姿を見せる時に立っていた棒、それを触りながら出て来た白狐様の意味は分かりません。(こういう出方は良く有りますので)
この会社の稲荷様の前に出て来た鼓の様なもの、そしてそれが鳴って花が出て来たという意味は、直にでも注文が入るぞ、というお知らせです。
普段なら何ら迷わずに判断出来るのですが、私の頭が休みのモードに入っているのでしょう。
反省です。