白狐様のお使い
 この方は「稲荷勧請」で登載させて頂きました会社の社長さんです。

 最近の不景気で、会社の業績が落ちています。

 真面目な方ですので、少し落ち込む事も有ります。

 奥さんは少し考え方が違う様で、そんなに神経質になるなら、一度私の所に行って、話を聞いてもらったらと思い、夫婦で私の所に来られました。

 このご夫婦が来られる事は、少し前に巳神からお知らせを受けていましたので、分かっていました。

 私の所に来られて一番に、不景気です、と言われます。

 此方の巳神からは、長い目でみて、そんなに心配は要らないという知らせを受けていましたので、その事を言ったのですが、もう一回聞いて欲しいと言われます。

 その前に言っておかなければならない事が有ります。

 この方は、家が二軒有り、一軒は実家ですが、今は無人です。

 もう一軒はマンションで、普段はそこで生活をされています。

 この実家には、正式に御社を置き、龍神様をお祀りしていますが、休みの日しか帰れませんので、お祀りは近所に住む叔母に頼っています。

 マンションには正式に勧請を受けた、伏見稲荷様をお祀りされています。

 この稲荷様は、以前私の方に白狐様をお呼びし、このご夫婦に合う稲荷様と縁をつけてくれる様に頼み、このご夫婦の所に来られている稲荷様です。

 そして、そのマンションの方でも、龍神様をお祀りしています。

 根が真面目で、一生懸命にされますので、言葉は悪いですが、神の方からの受けは抜群です。

 少し前に来られた時に、この家の伏見稲荷様をお呼びした時、小さな巳神が二体、姿を見せました。

 この社長さんが、余りにも一生懸命にお祀りされるので、伏見稲荷の方からの縁で、この夫婦の所に降りてきた神様です。(

 
 此方の巳神に、この会社のこの先を聞こうと思ったのですが、その前に、この社長さんがお祀りされている神様を呼んでみました。

 伏見稲荷様、龍神様、新しく来られた巳神様を呼んでみました。

 妻、「二本の線が十字になって、四つに仕切られた所に、龍神様、伏見稲荷様、新しい巳神様、それと光っている線が出て来た」、と言います。

 私、「神さんの表情はどうや?」。

 妻、「普通」。

 私、「小さい神さん、あんた、この光ってる線の所に行って、そのもの意味を見ておいで」。

 妻、「いややと言って、こっちを向いてるわ」。

 私、「行き、行かなあかん」、「地神様、行く様に言ってください」。

 妻、「言っているけど、行かへんわ」。

 私、「行き」。

 妻、「ゆっくりと行きだしたわ」。

 少しして、
 
妻、「そこまで行ってるけど、それを突き抜けて、向こうまで行ってるわ」、と言います。

 私、「あかんな、分からんな」、「小さい神さん、もう帰っておいで」。

 この光る線は、何を意味するのかは分かりません。




 此方の巳神に、この会社の先を聞いてみました。

 妻、「地神さんから線が(言葉では難しいので、図の、向かって左の線)でた」。

 私、「伏見稲荷様、この会社のこの先を教えてください」。

 妻、「稲荷さんから同じ様な形の線が出て、向きは反対で、それが地神さんが出してくれたのと、重なってる」、と言います。

 私、「分かった様な、分からん様な・・・・・・」。

 この家の伏見稲荷様に、この先、具体的にどうなるのか、形で見せてくださいと頼みました。

 この家の伏見稲荷様は、何時も仲が良いです。

 向き合っています。

 首に赤と白の首輪をつけています。

 妻、「向き合って、前足(手)を合わせて、それに金色に光る物を乗せてる」、と言います。

 私、「稲荷様、宝珠と取りますが・・・・・・」と言うと、

 妻、「ものすごく輝いてる」、と言います。

 私は社長さんに、絶対に大丈夫ですので、心配は要りません、伏見さんも守ってくれているので、大丈夫ですと言ったのですが、白狐社の白狐様に聞いて欲しいと言われます。

 私は、今まで何気なしに白狐様をお呼びしていました。

 私がお呼びすると、何時も来てくださいますので、そういうものなのかなと思い、お呼びしていました。

 しかし知れば知るほど、何と大それた事をしていたものだと、思うようになりました。

 白狐様の方も、忙しい時は急いだ様子ですが、時間の有る時は、何時までもお帰りにならないし、まあそんなものかな、と思い、今まで頼って来てしまいました。

 相談の内容も、わざわざ白狐様のご指導を仰がなくても済む事でも、お呼びしていました。

 そういう場合の白狐様の表情は、やはりやる気の無い表情や、難しい顔をされます。

 内容が変わり、商売の事になると、俄然やる気を見せ、仕切りなおして、表情も引き締まります。

 そして適切な答えを出してくれます。

 このパターンを何年も続けて来ました。

 しかし最近になって、小さな神様も仲間入りし(?)、戦力も(?)増した(?)かな、と思えますので、極力白狐様をお呼びするのは控えようと思う様になって来ました。

 
勿論、絶対に白狐様の御助けが必要な時はお呼びさせていただきます。

 その様な訳で、今回もこの家の伏見稲荷様だけに聞いて、お答えを頂く考えでしたが、途中で、

 妻、「あれ、稲荷さん、来てるわ」、「強そうやわ」、「犬みたいに、口元が黒いよ」、「尻尾が太くて、大きいわ」、と言います。




 妻、「口に何か、くわえてるわ」、と言います。

 私は直に分かりました。

 私、「稲荷様、貴方は伏見から来られた稲荷様ですね」、「貴方は、白狐社の白狐様のお使いの方ですね」、と聞きました。

妻、「何も言わないけど、太い尻尾で、バンバンと地面を叩いているわ」。

 私、「稲荷様、貴方が口にくわえている物、それは白狐様からのお知らせのものと取りますが」、と言い、小さい巳神に、「あんた、あそこの巻物の所に行って、貰っておいで」、と言いました。

 妻、「あかんわ、小さい神さん、巻物の中を通り抜けてしまったわ」。

 私、「稲荷様、巻物を下に置いてください」。

 妻、「巻物が無くなったら、口元がはっきり見えて来たわ」、「黒い犬みたいやで」、と失礼な事を言います。

 私、「稲荷様、貴方は伏見稲荷大社の何処の御社に居られる神様ですか」、と尋ねました。

 妻、「何にも言わないわ」。

 私、「稲荷様、貴方は私が釜を焚く時、白狐様が連れて来て、釜の後ろに並ばれた稲荷様ですか」、と聞きました。

 妻、「違う」、と言ってる。

 妻、「この稲荷様は、見るからに、そんな程度の稲荷様ではなさそうに見える、もっと位の高い神様みたい」、と言います。

 私も失礼な事を聞いてしまいました。

 確かに釜を焚く時、増してや、白狐様がお気に入りの所では、事前に白狐様に頼み、お連れのものを沢山連れて来てくださる様に頼みます。

 しかし沢山のお連れのものの中で、後ろの方に並ぶ稲荷様の中には、子狐さんも沢山見受けられます。
 
 私から観て、まだなりたての、「ええかいな、大丈夫かいな」、という神様も見受けられます。

 勿論、白狐様の位置に近い、前の方に並ぶ稲荷様は、相当な迫力が有ります

 しかし今回白狐様のお使いで来られた稲荷様は、そんな程度の神様ではなさそうです。

 失礼な事を聞いてしまいましたが、急に来られたのですから、しょうがない。

 謝るだけです。

 妻、「表情を崩さないよ、この稲荷さん」、と言います。

 なかなかの実力を持つ稲荷様なのでしょう。

 何回かお会いして、やり取りをすれば、稲荷様の表情も変わって来ると思いますが、この稲荷様にしても、事前に白狐様から私達の情報は入っていると思いますが、やはり硬さを感じます。

 それにしても有り難いものです。
 
 今回は白狐様には迷惑をかけまいと思っていましたが、使いの稲荷様を私達の所に寄こしてくださるとは・・・・・。

 しかし、考えてみれば、今日の私達の事は、白狐様はお見通しという事です。

 此方の巳神に言った事でも、何故か伏見の方に伝わっている事は度々有ります。

 
この稲荷様に対し礼を述べ、「稲荷大神秘文」を上げ、てお帰り願いました。

 この稲荷様は、一瞬で光になり、上に上がって行かれました。

 稲荷様の帰られる姿は、その時によっても違いますが、様々の形を取られます。


 

鳴釜神事の実際と考察