土地の障り    3
 この方は、北側に位置する台所をリフォームするにあたり、何か災いする様なものは無いのか、と相談に来られました。

 この家は、居間から台所に至るまでに、大きな段差が三箇所(三段)有ります。高さにして、100p位の段差が有ります。

 何故、この様な段差が有るのかは分かりません。

 勿論、この段差を平らにするには、大量の土も必要になりますし、地面を掘る様な工事も必要になります。

 方位の方から判断すると、今年の北側には、六白金星が周っています。この家の長男の星です。しかし、この家の長男は、他所に家を建てています。これから先、この家に住む事は有りません。

 今のこの家の住人は、二人です。

 占いから観て、何も問題は有りません(無理に作れば、いくらでも有りますが、その様な事を言っていると、話は前に進みません)。

 
 此方の巳神に、この家の北側に位置する台所を工事するにあたり、何か障りの様なものが有るのか、聞いてみました。


 
 丸い形の中に、上から下へ、曲がった線の有るものを見せてくれました。

 私が、何か分かりません、と言うと、巳神がきびしい顔で私を見ています。

 分からないものはしょうがないので、もう一回同じ事を聞いてみました。

 巳神は私に対し、相当怒っているようです。

 これでもまだ分からないのか、という感じです。

 そして今度は、くるくると回った線で、ばねの様な物を見せてくれました。

 先(上)に行くほど、細くすぼんでいます。

 体調にもよりますが、私も一つのものを見せて頂いて、直に分かる時と、全く分からない時が有ります。

 まだ分かりませんので、何回も少し聞く内容を変えて、聞いてみました。

 私は、この工事を進めたら、この家の主人(お爺さん)の方に、災いはかからないのか、と尋ねると、霊視している妻が、「白いもやもやとしたものの下から、角か牙の様なものが出て来た」、と言います。

 私はまだ分かりません。

 良いものではない事は分かりますが、この日は頭が回りません。疲れている時は良く有る事ですが。
  
 霊視している妻が、地神さんが相当きつい顔で、私の方を見ている、と言います。

 これだけ教えてやっているのに、まだ分からないのか、という事でしょう。

 妻が、「ひし形が出て来た」、と言います。

 これだけ教えてもらえば、いくらあほな私でも分かります。

 私、「その牙を持ったもの、姿を見せてください」、と何回も言いましたが、反応が有りません。

 私、「龍神祝詞を上げるから、姿を見せてみ」、と言って、祝詞を上げると、妻が、「出て来たわ、牙が生えてるわ、口を開けてる、鼻みたいな、眼みたいなものが出て来た」、と言います。


 

 私、「姿を出してみ、言いたい事が有るのなら、私が中(間)をもって、この家の者に話をしてあげるから、姿を見せてみ」、と言うと、妻が、「黒い、汚い、口を開けた、長いものが出て来た」、と言います。
 
 黒い蛇です。

 この家の土地には、地の神様(地神様)が居ますので、呼んでみましたが、なかなか姿を見せません。

 私は黒い蛇に、「あんた、なんで(何故)この土地に居るんや、なんで、台所の所に居るんや、何か言いたい事が有ったら言ってみ、私がこの家の者に言ってやるから「、と聞きましたが、反応が有りません。

 そうこうする内に、やっとこの家の地神様が姿を見せました。二体で姿を見せました。

 この黒い蛇の近くに出て来ました。

 この家の地神様にも、いろいろ聞きましたが、此処の地神様も、何も言いません。

 私は黒い蛇に、「不足が有るなら、言ってみ」、「この土地で祀って欲しいのか」、と聞きましたが、何も反応は有りません。

 こんな物は祀るべきものでは有りませんが、きっかけを作る為に、聞いてみただけです。

 私はこの蛇に、「お前、聞こえてるのか、聞こえてるなら、口を開けてみ」、と言うと、妻が、「口を開けたよ、赤い口やわ」、と言います。

 私は此方の巳神に、この黒い蛇の横へ行ってください、と頼みました。



 此方の巳神が黒い蛇の横に行きますと、黒い蛇の片側の横が、真っ赤な色になりました。

 此方の巳神に、この黒蛇を巻いてくれる様に頼みますが、知らんふりです。

 此方の巳神は、この件について、余り関知したくないようです。

 仕方が無いので、失礼とは思いましたが、伏見稲荷、白狐様を御呼びしました。

 しかし、なかなか御姿が見えません。

 やっと遠くに、白狐様の御姿が見えましたが、途中に止まって、この赤いものを見ています。

 その時の白狐様の御姿は細長く、いつもの御姿とは少し違います。

 やがて白狐様は、その赤いものを避けるように、少し回られて、いつもの位置に来られました。

 白狐様も、今日は全くやる気が無さそうです。

 白狐様に、この蛇の正体は何ですか、と聞きましたが、知らん顔です。

 その後、此方の巳神にも、白狐様にもいろいろ聞きましたが、答えを出してはくれませんでした。

 此方の巳神に、「この黒い蛇は、釜で消えますか」、と尋ねましたが、何も答えてはくれません。

 私は相談者の方に、絶対にリフォームをしないといけないのですか、もう少し時間をかけて神様に聞いてみますので、それまで待っていただけますか、と言いました。

 相談の方は帰られましたが、妻が、「〜さん、絶対に工事をするわ」、と言います。

 後日、電話をすると、契約を済ませ、工事に入る予定です、と言われます。

 
 私の方も、このものの正体を直に出せなかった、という責任が有りますが、神様にしても、私達の目の前に出してくれたという事は、対処が可能という事ですので、もう少し待って欲しかったです。

 どの様な方法を駆使しても、祓いが不可能な場合、巳神にしても、白狐様にしても、いくら私達が御呼びしても、全く姿を見せません。
 

 後日、妻が、「あの時は、自信が無くて言わなかったけど、あの土地の二体の地神様と黒い蛇は、同じものだと思う」、と言います。「両者が、初めから反発もしなかったし、一瞬、重なって見えた」、と言います。

 私は妻に言いました、「絶対に自分の意思や判断を持って、霊視しないで欲しい」、「何も考えないで、目だけ瞑って、見えたものを素直に言ってくれ」、と。

 この家の地神様に、いろんな事を聞きましたが、何も答えてくれませんでした。

 正式にお祀りをしていない神様ですが、普通、大概は反応が有るものです。

 なかなか言ってくれない、奥深いものが有るのでしょう。

 もう工事に入っていると思われますが、この家の方が気にしなくても、此方から霊視して行こうと思っています。
 
鳴釜神事の実際と考察