土の中に隠れていた子狐
 ある家の、引きこもりになった青年の家に祈祷に行った時の事です。この青年は、ここ3年位前から引きこもり状態になり、調子の悪い時は、家の中の物を壊したりします。昼間は家で寝ていますが、夜になると、何処ともなく出かけて行き、ひどい場合は道端で寝ている事があります。

 この青年の引きこもりの原因は、直接的には私の領域のものでは有りませんが、この様な状態を何年も続けていると、私の領域のものも入り易くなります。

 この家の付近は、今は住宅街に様変わりしていますが、15〜6年前は田園地帯が広がっていました。

 家族が相談に来られた時点の霊視では、一匹の若い子狐が、落ち着きなく動き回っていました。

 後日、この家に祈祷に行き、釜の用意をしていますと、以前の霊視した時点の子狐が出て来ました。

 興味深そうに、動き回りながら見ています。

 釜の怖さを、全く知らない様です。子狐の場合は、よく有る事です。

 釜の用意が整いました。

 私は動き回っている子狐に、じっとしている様に言い、他の仲間も居る事が分かっていましたので言いました。

 「こら、他にも居るやろ、出て来い」、「そこの狐、尻尾が見えとるやないか、素直に出て来い」、「お前らを消すのは朝飯前や、出て来い」、と言うと、地面がめくり上がり、子狐が次から次へと出て来ます。

 霊視している妻が、「10匹出て来た」、と言います。



 伏見稲荷、白狐様をお呼びし、まだ土に中に居ないかを聞いてみましたが、居ないと答えられます。

 この子狐の元の形は、祈祷時に追求しなかったので、今となっては分かりません。

 この10匹の子狐を、白狐様にお願いし、伏見へ連れて行ってもらう事になったのですが、この子狐達は、白狐様を全く恐れません。白狐様も本気で怒っている様にも見えません。

 釜を焚いてお送りする事になったのですが、釜を焚いている間も子狐達は、じっとしていません。

 霊視している妻が、笑い出しました。

 白狐様が、子狐達の頭を、じっとしている様に叩き回っている、と言います。(妻に、その場面を書いてくれる様に言ったのですが、難しくて書けないと言います)。

 少し心配しましたが、釜が鳴りだすと、全員が素直に、白狐様について消えて行きました。

 
 

 
稲荷の再修業