ある稲荷神(正一位伏見稲荷大明神様)の本音と守護の形の変化
 *注:稲荷神の主題の部分だけに関する事を書いて行きます


 先代が起業して大きくした会社で問題が発生し、二代目がその会社を継いで頑張っていたが、この度その会社を売却する事になりました。

 まだ余裕を残しての退却になります。

 とことん頑張って、挙句の果てに自己破産をした話はよく耳にしますが、まだ余裕を残しの会社売却になりますので、私個人の意見としてもその選択は間違ってなかったと思います。

 私がこの会社と関わらせて頂いた時は、この会社に重大な問題が発生した直後で、経営者家族、従業員なども最悪な精神状態で、また、二代目から聞くこの会社の私の領域に関する情報もそれは酷いもので、この様な所を正常な形に戻すのは私達には到底無理な事だと思いましたので、何回もお断りをさせて頂いた事を覚えています。

 二代目の社長はその地区に在る稲荷社に参って其処で御札をもらい、その稲荷社に祀る稲荷神を通して、伏見稲荷大社の命婦専女神様に私との縁を付けてくださいと何回も頼んだと言われます。

 何故、私がこの会社と関わらせて頂いて、それを正常な状態に戻させて頂くのが無理だと思ったのかというと、長年に渡り、余りにも程度の低いこの領域の者との付き合いがあったという事と、その領域の者の影響が目に見える形、見えない形で其処に充満しているのが分かりましたので、これを消除するにしても相当な時間がかかるのと、この会社にしてもそれだけの事を覚悟して連絡されて来られたのかが分かりませんでした

 それと、私や妻への肉体的、精神的な負担を考えると躊躇するものがありました。

 この会社の扱う商品の特殊性から観て、相当のものが絶対に私達、主に妻の方に作用して来るのが分かっていましたので危機感をも感じていました

 私は家の地神様に、「命婦専女神様はどう言っておられますか。聞いてください」と伝えたところ、「行け」と地神様は言います。

 祈祷の当日の朝、ホテルの部屋から出る直前、私が部屋のドアを開けて廊下に出ようとした途端、突然妻が失禁しました。

 「これは思った以上に手強いし、正常な状態に戻すには時間がかかる所やな・・・」と肝に銘じ、「しかし、○〇さんの方も一回や二回で事が済むと思われていたら難儀やな・・・」と思いました。

 祈祷自体は、祈祷の途中に二代目の社長が野蛇に巻かれたりしてびっくりされていましたが、直ぐ横に川が流れるこの家の土地の祓い、この川に居たものと長年に渡りこの会社と付き合いのあった祈祷寺に関する念の合体したもの(二代目の社長の体を巻いた野蛇)の消除や先祖供養なども、一応、上辺の浅い部分だけは難無くこなしました。しかし、「これはまだまだやな・・・」と思いながら釜焚きを終えました。

 先ず、大概の所は一回だけの祈祷で終わる所が多く、実際、殆どの所がそれで十分なのですが、商売をされている様な所は思わぬ所から思わぬものが作用して来る事が多くありますので、やはり定期的な祈祷は必要になるのではないかと思います。

 祈祷が終わった後、二代目の社長やその家族から、次から次に、主に商売の支障になっている事の質問をされますので、その事に対する私の領域からの意見を言わせて頂きました。

 そしてその後、この領域から観ての商売の支障の消除の為の釜焚きを短期間の間に複数回行わせて頂きました。

 これが良かったのだと思います。

 事象を好転させるのは、釜焚き(祈祷)を短期間の間に複数回、集中的に行うのが効果的なのは私自身はよく分かっているのですが、中々、その様な事は私の方からは言われませんので、中途半端な結果に成り兼ねない事の多い中、この会社の場合、私も嬉しく思いました。

 その後、事業も順調に行き、その地域の稲荷社でもらった普通の御札の神霊もある時の祈祷では正一位の稲荷様に入れ替わられていました

 普通の御札に付いておられる稲荷神では、この会社のこの先の事業繁栄の為には少し荷が重すぎるので、命婦専女神様がその様にされたという事を釜焚きの祈祷時に直接、命婦専女神様に確認させて頂きました

 会社の状態はその後数年、この状態で続くのですが、この会社の直ぐ横の会社で何回も大きな事故や火災が発生し、消火に当たった消防士や警察官が亡くなったりして、この会社も間接的な被害を被り、またその事後処理や長年の仕事から来る職業病の治療などで社長も疲れてしまったのだと思います。

 それと、この会社の扱う商品の特殊性から観る先の展望も、やはり厳しいものがあるので、社長も疲れてしまったのだと思います。

 余談ですが、この会社も含め、この限られた地域に在る会社の土地は曰く因縁のある土地で、次から次に倒産や問題が発生し、最悪の土地と言えます。

 この会社の在った土地は私達が行って綺麗にさせて頂き、その後、この家の伏見稲荷様が守っておられたので隣からの延焼もなく、無事に済んだのだと思います

 本題に戻りますが、ある釜焚きの祈祷の折に、二代目の社長が事業売却の考えをこの家に祀る伏見稲荷様に聞いた所、「駄目、事業は続けなさい」と言われました。

 この家の正一位伏見稲荷様には、その後、数回行った釜焚きの時にも同じ事を聞いたのですが、「事業は続けなさい。止めるな」と言われました。

 数回行った祈祷の度に、私はこの家の伏見稲荷様に聞いた事があります。

 「○〇家の伏見稲荷様・・・あんたら、そんなに事業を続けなさいと言う事は、この社長のこの先、もう一山当てるという事が見えてるんか?」と尋ねてみました。

 「稲荷さん・・・うなづいとってやわ・・・」と妻が言います。

 「○〇家の稲荷さん・・・ほんまやな?・・・ほんまに、○〇さん・・・もう一山当てる事が出来るんか?」と聞くと、「夫婦でうなづいてるわ・・・」と妻が言います。

 「自信・・・有るんやな?」と聞くと、「うなづいとってやわ」と妻が言います。

 私が余りにもしつこく聞くので、「稲荷さんが・・・「そんなに止めたいんか?」と聞いてるわ・・・」と妻が言いました。

 「○〇家の稲荷さん・・・それは・・・もう一山来るというのはいつの事や?」と尋ねてみましたが、当然、その様な程度の低い問いには何も言いませんでした

 その後、コロナの件や私達の事情でこの会社に行く機会が延び延びになってしまいましたが、その間に、社長が会社を売却されました。

 当然、この会社の社長は、今の自分が在るのは京都の伏見稲荷大社の命婦専女神様のお陰だというのは十分お解りですので、家で祀る伏見稲荷様にはお詫びをし、京都の伏見稲荷大社にはお参りして、白狐社の前に正座をして、30分間、稲荷心経を上げたと言われます。

 私にしてもこの会社の伏見稲荷様がどの様な気持ちでそれを受け止めておられるのかを聞きたかったので、家の方からお呼びしてみましたが、全くお姿は見えて来ませんでした。

 当然かなとも思いました。

 しかし、私の方にしてもこのままにして置くわけには行きませんので、直接、この会社の伏見稲荷様にお会いしてその真意を聞こうと思いました。

 そしてつい先日、現地に行かせて頂いてこの家の伏見稲荷様には、勝手に会社を売却した事へのお詫びの釜と、これからもこの家族を守って頂く様にという意味の釜を焚かせて頂きました

 案の定、片道400キロは600キロを走って感じる疲労感があり、その上、頭痛や体の痛みも強く、妻はその二日ほど前からこの家の仏様が強く作用して、ボ〜ッとして、反応も鈍くなってしまっていました。

 妻の症状に関しては、この会社を立ち上げた一代目の複雑な念が作用していたものと、この家の仏壇で一代目をお呼びした時に確信しました。

 一代目は亡くなってもう数年経つのですが、確かに、以前、お呼びした時よりも修業が進んでいるのかお姿ではなく、白いモヤモヤ〜とした形で出られて、今回の会社を止めた事の報告は素直に受け止めてくれた様な受け答えをしてくれましたが、やはり、複雑なものがあると思いました。

 それと、この家に着いて、鳴釜の準備も終わって、いざ、釜を焚く段階になっても、この家の稲荷様が出なかったらどうしようかという不安はありました。

 しかし、一つ目の詫びの釜を焚く前に祝詞を上げて御呼びすると、すんなりとこの家の伏見稲荷様夫婦のお姿が出て来ました。

 一つ目の釜は、勝手に事業を止めた事への謝意の表白を読み上げて釜を焚きました。

 釜の音は余り大きくなく、不安定で時折、ボンと鳴ったりして、時間も短く、やがて止んで行きました

 「正確な釜やな」と思いました。

 妻に、「釜が鳴ったらどんなものが見えた?」と聞くと、「・・・普通に・・・そんなに力強くというものではないけど・・・白い・・・綺麗なものが釜から上に上がっていたけど・・・」と言います。

 私は声に出さず、「○〇家の稲荷さん・・・もうしょうがないな?・・・もう会社は売却されてないんやもんな・・・しょうがないな・・・」と聞くと、「うなづいとってやわ・・・」と妻が言いました

 声に出さず、「○〇家の稲荷さん・・・ほんまはもうちょっと頑張って欲しかったんやろ?」と聞くと、「うなづいとってやわ・・・」と妻が言いました

 「そうやろな・・・」と思いました。

 一つ目の釜の米を空ける為に台所に行くと、同席されていた社長のお姉さんが、「今回の釜は前回焚いた釜の音とは全く違いますね・・・」と言われるので、「あれが正確な釜です。あれがこの家の伏見稲荷様の気持ちの音です。まだ一生懸命にこの家の方の事を考えて、辛抱して鳴らしてくれた音です」とお伝えしました。

 二つ目の釜は、もう経営者ではなくなりましたが、○〇家を守ってください、という表白を読んで釜を焚きました。

 釜は一つ目の釜よりは素直な音で、無理もなく鳴って、余り大きな音ではなく、短い時間でしたがやがて消えて行きました。

 「どんなものが見えた?」と聞くと、「・・・力強いものではないけど・・・銀色のものが・・・広がってではなく・・・釜から上に上がって行ったわ・・・」と妻が言いました。

 「まあ・・・そやろな・・・」と思いました。

 「○〇家の伏見稲荷さん・・・もうこうなったらしょうがないので、○〇家の皆さんが健康で事故にも遭わず、普通の生活が出来る様に守ってやってください」と伝えると、「「以前から・・・いつも、守っている」と言ってるわ」と妻が言いました。

 声に出さずに、「○〇家の伏見稲荷さん・・・同じ事を聞くが・・・あんたら・・・此処の社長がもう一山当てるというのは分かっていたんか?・・・見えとったんか?」と聞くと、「夫婦でうなづいとってやわ」と妻が言いました。

 「そうか・・・解かっとったんやな・・・そやけど、もうしょうがないな・・・」と伝えると、霊視している妻が、「二体出ている稲荷さん夫婦がス〜ッと一体になって少し大きな稲荷さんになったわ・・・」と言いました。

 「何?・・・ほんまかい」と思いました。



 一体になった稲荷さんに、「あんたら・・・これからその形でこの家を守ってくれるんか?」と聞くと、「うなづいとってやわ」と妻が言いました。

 これは私にしても今まで全く気が付かなかった事ですが、私が今までに接して来た伏見稲荷様をお祀りされている所の90パーセント以上は何らかの形で商売をされている所が多かったので、其処にお祀りする伏見稲荷様を御呼びすると、当然夫婦の形を取って稲荷様が出て来るのが普通の形だと思っていましたが、翌々考えてみると、普通の家でお祀りされている稲荷様を御呼びすると、最初は一体の稲荷様の御姿が出て、その後に、私が「夫婦で出てください」と伝える事が多く、その後で二体の形を取って夫婦の稲荷様が出て来られる事に気づきました。

 ○〇家も会社を売却して普通の家になりましたが、○〇家の伏見稲荷様も以前と同じ様に守ってやると言われますので、これから先もこの家の方々を守ってくれるでしょう

 今回の二つ目の釜の後、声に出さず、まだ二体の形を取って出ておられる○〇家の伏見稲荷様に言いました。

 「○〇家の正一位伏見稲荷様、まあ、この家も商売を止めて普通の家になって、私達ももう○〇さんの家に来させて頂く事はないと思います。自分でもようやったなと思っています。今の私らでは、以前の○〇家の様な厳しい所から依頼が有っても無理だと思います。体力も気力も充実している時だったので出来た事で、その時に○〇家と縁が有ったのは有難い事だと思っています。また○〇家の皆さんが良い方ばかりでそれも感謝しています。しかし、伏見稲荷様、あんたもようやったな・・・。ご苦労様です。あんたらの前に居られた稲荷様もよう頑張ってあった。命婦専女神様にしても、あんたらやないと出来ないと思ったのでこの家にあんたらを寄こされたと思うが、あんたらも二代目の社長のこの先、もう一山当てる、それが見えてると言われたが、まあ、それはそうやと思うが、二代目の社長も人を押しのけてガツガツ前に進んで行くタイプではないので、まあ、もう、今が商売を止めて普通の暮らしに入って行くのも、何も間違った選択ではなかったと私もそう思っています。また私らも、家の方からあんたらを御呼びするかも知れませんが、その時は御姿を見せてください。それと○〇家の皆さん、社長のお姉さん、その御主人、子供さん達も守ってやってください。お願いします。頼みます。」とお伝えしました。

 「どっちもが(夫婦が)うなづいてあったわ」と妻が言いました。

 有難いものです。


 余談ですが、今回○〇家の会社を買って、その後に事業をされている会社の件ですが、あの厳しい土地から来るものから守ってくれる、それ相応な力を持った神霊がその会社を守護していない限り、厳しいものがあると思われます。

 

 

 

 

 



 



 


鳴釜神事の実際と考察