私見・・・個人の敷地内にある榊の木について・・・その対処方など
 確かに、榊という木には神霊が宿ります。

 ・・・と言っても、全ての榊の木に宿るのかというとそうでもありません。

 普通の木よりは宿り易いという事だけです。

 問題は、榊という木にどの様な類の神霊が宿るかによってその対処の仕方も違ってきます。

 神霊と言ってもぴんからきりまで在ります。

 輩に近い存在も在れば高貴な神霊も在りますが、しかし、高貴な神霊はもう既に人々が形として祀っていますので、やはり其処には逸れた存在の神霊が宿る場合が多いのではないかと思います。

 そして問題は、その神霊が何故逸れて個人の敷地内にある榊の木に宿る様になったのかという事ですが、それは今回のテーマではありませんので書きません。

 個人の敷地内にある榊の木に逸れ神霊?が宿ってもそれはそれで良いわけです。

 その土地に住む人間に不利な事が起こらなければそれはそれで良いわけです。

 問題はその個人の家に神様をお祀りされている場合、その家の神様と榊の木に宿る存在との相性が良かったらそれはそれで良いと思いますが、しかしこの場合、中々両者の相性が良い様に見えてもそういう訳には行かない場合が多くあります。

 そんな場合、平穏に見えていても何故か、何かと問題が起き易い場合がよくあります。

 つい最近行った個人の敷地内に在った榊の木の祓いの例を二例書いてみたいと思います。

 祈祷を行った日にちの順番は逆になりますが、今年の1月18日、この会社の敷地内に生える榊の木の祓いを行いました。

 30年以上前、先代の誰かが植えたらしいと言われます。

 祈祷の二日ほど前から私の体には、重く、深く、強い抵抗の念が入って来ていました。

 邪が発するものではないが、荒い念が体に乗って来て頭が痛い状態でした。

 いつもははっきりと出る地神様のお姿もぼやけて薄い色で出ています。

 祈祷前に地神様がこの様な状態で出るのは、この祈祷は用心してかかれという事が分かっていますので、「地神さん・・・榊の木の祓いは止めて、事業繁栄だけの祈祷をしましょうか?」と聞いたのですが、榊の木の祓いもしなさいと言います。

 周囲が山に囲まれた中にこの家(会社)は在りますので、山に関係の有る神霊?かとも思いましたが、その一週間ほど前にも同じ様な環境の所で同じ趣旨の祈祷をしていますので、其処から来たものとは似ている様ではあるが全く異質なものを感じていました。

 今回、決してこの会社の業績が悪いので榊の木の祓いを行うのではなく、会社とは関係なく、今以上に安定した流れがこの家に来れば良いと思い、祈祷を行いました。

 祈祷の前に、庭に植えられた榊の木を見ますと、直径が20センチ近くある、榊の木としては大きなものでした。

 榊を植えたと思われる先代の方は信仰心に厚く、よく近所の寺に寄付をされていたと言われます。

 そしてこの家は一回火事に遭っていますが、榊の木を植えた前か後かは分からないとも言われます。

 釜を焚く前、榊の木の前に塩を山積みにして半紙を巻いたローソク数本に火をつけました。



 榊の木の撥遣の表白ですが、決まりきった表白の文言よりは、私の喋り言葉で話かけた方が良いと思っていましたのでその様にしました。

 「〇〇家の榊の木に居られる神霊様、貴方も知っての通り、この家には伏見稲荷様と地神様が守り神として居られます。そして事業も順調に行っています。・・・・・・・この家にはこの二体の神霊様で十分です。失礼とは思いますが、この鳴釜で貴方を貴方の大元の所に送らせて頂きます。・・・・・・・・」と喋った後で祝詞を上げ、コンロに火をつけて「観音経」を上げ始めると、息が出来ないほど私の胸を重く押さえて来るものがありました。

 家の方にコップ一杯の日本酒を榊の木の前に置いてきてもらい、「観音経」を上げながら榊の木に宿るものに話しかけてみました。

 「私もあんたと同じものやから言うが・・・よう考えてみ・・・此処には神さんが居ってや。・・・まあしかしや・・・あんたが先に此処に居ったのか・・・此処の神さんが先に居ったのかは知らん。まあ・・・神さんをちゃんと祀りかけたのは此処10数年やと思うから・・・あんたが先かも知れん。しかしや・・・考えてみ・・・この家の方はあんたの事なんか何にも知らんがな・・・此処の家の方は伏見稲荷と地神さんが主やと思とってや・・・あんたの事なんか何にも思とってない。それでや、あんたも何で榊の木に居るんや?・・・其処をよう考えてみ・・・普通なら人がちゃんと祀ってくれるとこを、何でそんなとこに居るんや?。それでや、釜焚いてあんたをあんたの大元の所に送るから・・・悪い様にはせんから・・・な・・・大元の所に帰って。そいでや・・・一つ頼みが有るんやが・・・釜が鳴ったら、あんたの姿を私に見せてくれ・・・私も勉強になるし・・・あんたも自分の存在を見せる事で筋が通るやろ・・・頼むわ・・・」とお経を上げながら問いかけていました。

 お経を上げながら問いかけ続けましたが、相当抵抗しているのが分かります。

 釜は、まあ、大波ではないがそれに近い波を伴った音で鳴り出しました。

 大波が小波になって、平らな音に戻って釜の音は消えて行きました。

 私、「どや?。何が出た?。巳さんか?」と妻に尋ねてみました。

 てっきり、この家が在る環境から観ると水神系の神霊が逸れて宿っているものと思って聞いてみました。

 妻、「釜が鳴ったら・・・釜の上に御不動さんの様な人間?が出て・・・厳しい顔で斜めにこちらを睨みつけて・・・手を前に出して・・・歌舞伎の見えを切る様な恰好をしていたわ・・・それで後ろは炎の様な色で・・・」と言いました。



 「え・・・・・・・」と思いました。

 「まさか・・・」と思いました。

 先代が信仰深い方でよく寺に出入りをされていたと言われますのでその様な所で縁が有ってこの家に来たのか、また、火事があったと言われますので、このものの火炎と関係するのかそれは分かりませんが、釜を焚く事は正解だったと思いました。

 この不動明王の形を取って表れて来た神霊の表情から観たら、この家の榊の木に相当な愛着の執念があったと思いますが、釜を焚いて出て行ってもらったのは正解だったと思います・

 そしてこの家の地神様に、「〇〇家の地神さん・・・あんたら、榊の木に居ったもの・・・ほんまは嫌いやったんやろ?」と聞いたら、この家の地神様はうなづきました。

 同じ事をこの家の正一位伏見稲荷様に聞いたのですが、「稲荷さん・・・軽くうなづいただけやわ・・・」と妻が言いました。

 伏見稲荷も不動明王とつながりますので、其処らの関係があったのでしょう。

 神様も二体祀ると大概の事は力を合わせて助けてくれますが、神様もやはり其処らに考えの違いがあるのでしょう。

 祈祷が終わって、私達が居る間に榊の木を伐って頂きました。



 榊にしては太い幹です。



 この後、根から掘り起こしたと言われていました。

 尚、もう一つの釜はこの会社の事業繁栄を祈願して焚きましたが、ドンと真上に金色、銀色の光が力強く上がったと妻が言いました。

 私達の祈祷の後、直ぐに複数の会社から仕事が入ったと連絡がありました。


 もう一軒も同じく、家の敷地内に二本の榊の木を植えられていました。

 一本は、この家の方が大神神社に参られた時買って帰って植えたと言われます。

 今回、自宅の駐車場をもう少し広くするにあたり、一本の榊の木(直径10センチほど)は工事範囲にかかりますので伐らないといけませんが、少し離れた所にある井戸の横に植えられているもう一本の細い榊の木も伐る事にしました。

 この家の裏は直ぐに高尾山系の山が連なっていて、その山に居られる神霊(水神)がこの家の榊の木に宿っているのが分かっていましたが、あえて、そのものだけを呼んで、姿を出して説得するのは止めようと最初から考えていました。

 祈祷前の私達の体に入って来る念は水神の出すそれ相当なきつさはありましたが、このものにではなく、大元の高尾山の龍神様に御断りを入れれば良しと考えていましたので、あえて、この家の榊の木に宿る水神の方へは気を向けない様にしていました。

 榊の木の伐採の表白も、此の所一帯(高尾山)を掌ります龍神様に対しての御許しを請う文章を考えて行いました。

 それと駐車場建設の地鎮祭の表白も読んで釜に入りました。

 コンロに火をつけて湯が沸騰して来るまでの間も何の抵抗もなく観音経を読む事が出来ました。

 釜は少し癖のある音で鳴り出し、普通の長さ?で鳴り終わりました。

 「釜が鳴って・・・何が出て・・・どう消えたというものは見えなかったやろ?」と妻に聞くと、「釜から綺麗なものが横に広がって行ったわ・・・上ではなく・・・・横に広がって行ったわ・・・こんなの初めてやわ・・・」と妻が言いました。



 「榊の木に居られた水神様は高尾山の龍神様が上に上げられたな・・・」と確信しました。

 そして、釜から横に綺麗なものが広がって行ったというのは、この家の土地を釜で鎮めたと取りました。

 尚、この家の方は、今は他所に住んでおられますが、近い将来、空き家になっている実家に帰られる予定をされています。

 そして、この方が今住んでおられる所には、この実家の井戸に居られた地神様をお祀りされています。

 その地神様に、「〇〇家の地神さん・・・やっぱり榊の木にあんなものが居ったら嫌やったでしょう?」と尋ねると、うなづかれました。

 私はこの家を以前から観ていますので分かるのですが、墓を正した後、地神様を祀り出してから大きく良い方向に変わりました。

 この後、二つ目の釜で事業繁栄、家内安全の釜を焚きましたが、「釜が鳴り出すと・・・釜から綺麗な色のものが出て・・・周りを包み込んで行ったわ・・・ドンと上に上がるのではなく・・・・周りを優しく包んで行ったわ・・・」と妻が言いました。

 この家族を守ってやるという水神の優しい気持ちが出た形と取りました。

 「何?・・・次は男の子が生まれるって?」。

 そんな事をこの家の地神様が言っていました。

 尚、この家も私達がその家に居る間に榊の木を伐ってもらいました。

 一応、最近行った二例だけを書きましたが、何も、敷地内に榊の木が在るからと言って気にする事も無いと思います。

 今回の二軒は家に神霊を祀っておられますので、榊の木に余計なもの?がいるよりは(余計な作用が有るよりは)、その家に祀る神霊の力が十分発揮出来ますので榊の木の撥遣をしたまでです。




 

 

 








 

 

 

 

 
鳴釜神事の実際と考察