霊視・・8
 ある中年の男性からメールを頂きました。

 遠く離れた所に住む一人暮らしの高齢のお父さんが、去年の9月頃から不思議な現象を見る様になったと言われます。

 夜、眠ろうと電気を消して布団に入って横になると、足の上に人が乗った様な重みを感じたり、天井からネット状の物やリボン状の物、テーブル状の物が掛布団の上まで降りて来るので、お父さんが起き上がると、そのものもゆっくり距離を保って上に上がって行くのがはっきりと肉眼で見えると言われます。

 そして、お父さんがそのものを掴むと消えると言われます。

 また、部屋の天井の隅から白い棒で腕を突いて来たりもすると言われます。

 この方は実家に帰り、何回か、お父さんの横に布団を敷いて寝た事があるそうですが、その時はその様な現象は起らなかったと言われます。

 この方のお父さんは若い時から大変信心深い方で、先祖代々の仏壇を祀り、40年以上前から休日は神社や寺巡りをされていると言われます。

 そしてこの様な現象に対し、この方のお父さんは、実害はないので気にしない様にしていると言われているそうですが、この様な現象が無い様に出来るなら、それに越した事はないとも言われているそうです。

 この方は和歌山県の真言宗の寺で神示相談をされている所へお父さんと行かれて相談された様ですが、「家に何かが憑いている感じもしないし、命を狙って来ているものでもないので・・・」と言われ、特に何かを指摘される事は無かったと言われます。

 その後、この方は電話相談で遠隔祈祷?が出来る方に相談をし、家や土地、先祖の障りのお浄めもして頂き、「お浄めは完全に出来ました」という返事を頂いたそうですが、その後も相変わらず、黒い網が天井から降りて来たり、白い棒で突かれたりする現象は続いていると言われます。

 尚、この相談されて来られた方は京都の伏見稲荷大社で勧請を受けた稲荷様をお祀りされています。

 このメールを頂いて先ず私が感じた事は、「この方のお父さんは何かに魅入られたな・・・。しかし、祓い消すのものではいな・・・」、と思いました。

 何故なら、私は今まで「魅入られた方」を何人か観て来ましたが、魅入った元がこの領域の「邪」なら、それはもっと直接的な行動で迫って来ます。

 「邪」ではないのなら、それはこの領域の正当なものなのか、という事なのですが、先ず正統なものはこの様な知らせ方はしません。

 それと、「年齢的なものから来る幻想かな・・・」とも思いました。

 直ぐに聞こうと思ったのですが、その前に他のややこしい祈祷を聞いていましたので、少し待って頂いた後、地神様に聞いてみました。

 妻の方へは他の新たな知らせが入って来ていましたので、負担になると思いこの方の相談内容は何も伝えてはいませんでした。

 「白〜い・・・もの、骨を焼いて・・・さらした様な・・・焼いて・・・白っぽいもの・・・。悪い感じはしないわ・・・。静かな感じやわ・・・。汚いものではないわ・・・其処から柱みたいな物が下に出てる?わ・・・」、と訳の分らない事を妻が言います。@

 「それは・・・ちょっと見方を変えたら・・・こんな格好で・・・」と言って、妻が絵に描きました。A

 「いや・・・それは・・・こうなってるわ・・・」と言って、妻が絵に描きました。B

 「これ・・・真ん中は何も無くて・・・ず〜っと奥に続いて?いる様やわ・・・空間」、と妻が言います。B



 全く意味が解りませんので、もう少し詳しく教えてくれる様に地神様に頼んでみました。

 「小〜さな男の人が座って出て来て・・・これに向かって(Bの空間に向かって)一生懸命に手を合わせているわ・・・。紋付き袴・・・ちょん髷を結ってるわ・・・」と妻が言います。

 「紋付の柄は?。何歳位の男の人や?」と聞いてみました。

 「紋付は・・・薄い紺色で・・・縞?・・・中に白いものを着てるわ・・・。兎に角小さい人。お辞儀をしてるわ・・・敬ってる様な感じやわ・・・歳は分らない・・・」、と妻が言います。

 「これと(B)・・・この男の人の距離は相当離れてる・・・」と妻が言います。

 何も解りませんので、他の方の相談を聞いた後で、再度聞いてみました。

 「地神さん・・・この方の住んでる土地の障りを教えてください」、と聞いてみました。

 「土地は黒いわ・・・。土地は横に流れているわ・・・。その上に、さっきのちょん髷を結った人が座って出て手を合わせてるわ・・・。さっきと同じ格好やわ・・・。向こうまで(Bの空間)」は広い空間やわ・・・大分距離があるみたいやわ・・・」と妻が言います。



 これ以上、私の方の地神様は何も教えてはくれませんでした。

 私達が考えた結論から言うと、この方のお父さんは実際にそれを見ているという事です。

 夢でもなく幻想でもありません。

 そして、この方のお父さんの身辺には祓い消すものや正すものは何も無いという事です。

 家や土地、人からの恨み、そして先祖から来る障りもありません。

 それでは何故その様なものをこの方のお父さんが見るのかというと、この高齢のお父さんは15年前に奥さんを亡くされています。

 昔から大変信心深い方ですので、一生懸命に亡くなった奥さんを祀り、また一人になったご自分のこれからの事など、一心に神仏に祈り、日々の感謝をされるという土壌が出来ている方だと観ます。

 要するに悟った方と観ます。

 この高齢の方の神仏に対する気持ちが純粋で嘘が無いので見えて来るものかも知れません。

 そしてそれは神仏がこの高齢の方に見せているのかと言うと、そうではないと思います。

 この方が無意識の内に見ている形だと思います。

 正装で正座をし、敬いの気持ちを持って一心にBの空間に両手を合わせて祈る姿は、誰もがいずれは行く世界に崇拝の念を持って対峙している姿だと思います。

 要するに、誰もがいずれは行く世界、亡くなった後に行く世界に対し、敬いの気持ちを持って手を合わせている姿だと思います。

 そして紋付袴でちょん髷を結った男の人は、一人暮らしのこの高齢の方と観ます。

 妻が見た霊視の解釈はこの様に観ますが、 それではこの方のお父さんが、夜、布団に入って見るこの形は何なのかという事ですが、今は経済的にも心配なく身体は元気でも、やはり高齢の方の一人暮らしの将来への不安な気持ちが無意識の内に形になって見えて来るのかも知れません。

 足の上に人が乗った様な重み、天井からネット状のものやリボン状のもの、テーブル状のものが身に迫って来たり、天井から白い棒が腕を突いて来たりするというのも、やはり無意識の内にも、この高齢の方に取っては将来への不安な気持ちがその様な形で見えているのかも知れません。

 この相談をされて来られた方には、高齢のお父さんが出て来たものに対し、「もう解った。もう出ないでくれ」と伝えればその様なものは見えて来なくなると思いますとお伝えしましたが、やはり高齢の男性の一人暮らしは厳しいと思います。

 尚、「軽い邪」がこの様ないたずらをする事も考えられますが、そのケースではないと思います。

 只、重箱の隅をつつく様な霊視をすれば、この家は父方の御先祖様に正すべき事が有りますが、それは今回の現象とは関係ないと思います。

 高齢のお父さんの健康面、精神面で、もう少し若い方が気をつけてあげるべきだと思います。














 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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