ひとりごと・たまに・ふたりごと・・番外31(伏見稲荷様に思う事)2
 此処も昔から事業をされてるとこやが・・・此処の伏見稲荷様は位が高いから気を使うんやな・・・。

 祈祷も順調に終り頃・・・此処の稲荷様の、「長い事行ってないので一回京都の伏見稲荷大社に行きたい(帰りたい)・・・」、という様な念が私に入って来たな・・・。

 この家の方に聞いたら、「一回も行った事がない」、と言われるな・・・。

 「それやったら・・・まあ・・・一回くらい行かれたらどうですか?・・・」、とこの家の方にお答えして、「○○家の伏見稲荷様、京都に帰られたら命婦専女神様とこの家の事業の先などを相談されたらどうでしょうか?」、とお伝えしたら、何か?・・・返事がなくて・・・気まずいものを感じたので、声に出さず・・・、「○○家の伏見稲荷様・・・貴方は命婦専女神様と同じ位の地位の稲荷様ですか?」、と尋ねたら・・・、「うなづいてあったけど?・・・」、」と嫁さんが言ったな・・・。

 まあ・・・この家の歴史から観たら・・・有りうるな・・・とは思とったが・・・な・・・道理で・・・難しい稲荷様や・・・。

 今回も、事業で損失が出て・・・その後、この家の伏見稲荷様のお姿が出ん様になったんやな・・・。

 いくらお呼びしても出て来られないし・・・まあ・・・その内出て来られらやろ・・・と軽く考えてたら・・・相当日にちが経ってもあかんかったな・・・。

 とうとう・・・地神さんも限界に来たのか・・・こんなもんを見せてくれたな・・・。

 「円錐形の形が・・・こんな格好で二つ出てるわ・・・」、」と嫁さんが言って絵に描いたな・・・。



 「向こうから・・・何かの力が押し返して来るわ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「これ・・・ややこしいもんやで・・・」、と直ぐに感じたな・・・。

 「これ・・・斬られとるな・・・」、と思ったな・・・。

 「これ・・・ひょっとしたら・・・筋肉・・・要するに・・・体を斬られたな・・・斬られ殺されたな・・・」、と思ったな・・・。

 「これ・・・この家の伏見稲荷様・・・この家の・・・この後の出方を試しとるな・・・」、と思ったな・・・。

 地神さんに聞いても何にも見せてくれんという事は・・・変に私らにヒントを見せて・・・私らがそれをこの家の方に話して・・・それからこの家の方が判断して・・・というのではなく・・・この家の方が判断する様に仕掛けてるな・・・と観たな・・・。

 確かに、この家の事を書いた本に、人を斬り殺した件が書いてあったらしいな・・・。

 半信半疑ながらも・・・祈祷に来てくださいと言われたな・・・。

 「責任重大やな・・・」、と思ったな・・・。

 祈祷の前日、ホテルで、明くる日の祈祷の事を聞こうと思って地神さんを呼んだら・・・、「白い・・・ラッピングの紙の様な・・・巳?さんの様な形のものが出て来たわ・・・」、」と嫁さんが言ったな・・・。



 「巳・・・ではないやろ・・・」、と、その時、思ったな・・・。

 先ず、一つ目の釜は、斬り殺された仏さんを呼んで・・・謝って・・・供養させて頂こう・・・と思ったな・・・。

 まあ・・・出てないやろな・・・と思いながらこの家の伏見稲荷様をお呼びしたら・・・すんなり出てあったな・・・。

 妻、「やっぱり違うわ・・・やっぱり普通の稲荷さんとは違うわ・・・何か・・・威厳が有るわ・・・やっぱり此処の稲荷さん・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「・・・通じたな・・・この家の方の気持ちが稲荷様に・・・。それと私らの判断も間違ってなかったな・・・」、と思って、少し気が軽くなったな・・・。

 「この家の先祖に斬り殺された仏様・・・無念やったやろ?・・・憎たらしかったやろ?・・・痛かったやろ?・・・。釜焚いて謝りますのでどうか姿を見せてください」、と言うたな・・・。

 「沢山の人?・・・仏さんが出てるよ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「あれ・・・もう一つ、稲荷さんが来とってやけど・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 大体の見当は付くな・・・。

 「この家の先祖に殺生されて亡くなった仏様・・・ちょっと手を上げてください」、伝えると・・・手を上げた仏さんが居たな・・・。

 「あんた・・・この家の○○○○○に斬り殺された仏さんか?」、と尋ねたら・・・うなづいたな・・・。



 「大変やったな・・・悪かったな・・・・無念やったやろ・・・・・・・・・・・・」、といろいろ聞いたが・・・まあ・・・それなりの答えは帰って来たな・・・。

 「そやけどな・・・あんた・・・あんたを切り殺した子孫の方が、あんたに謝りたいというてこの場を作ってくれたんや・・・。どや?。もう許したってくれへんか?。頼むわ・・・」、と伝えると、「許したる」、と言うな・・・この仏さん・・・。

 そいで・・・他に沢山出てる仏さんらも・・・大体・・・何で此処に出て来たか・・・という理由は推測出来るな・・・。

 「地神さん、他の仏さんらも・・・この家の、人を斬り殺した先祖に迷惑をかけられたとか・・・利用されたとか・・・余りこの家の先祖に良い感情を持ってない人らと観ます」、と言うと・・・地神さん・・・うなづいたな・・・。

 「地神さん、この目の前の稲荷様・・・この沢山出て来られている仏さんの中の誰かが一生懸命にお祀りされていた稲荷様と観ます。この稲荷様を通してというか・・・この家の位の高い伏見稲荷様から観たら・・・やっぱり、この家の先祖が迷惑をかけた沢山の仏様に対して筋を通して詫びを入れ・・・という事だと思います」、と伝えると・・・地神さん・・・うなづいたな・・・。

 悪かった・・・許したってな・・・御免な・・・と言うて・・・釜・・・焚いたな。

 釜が鳴り終わって、

 私、「どや?。消えてあったか?・・・」、聞いたら・・・、「まだみんな出てるわ・・・。最初のまま」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「いや・・・これでええねん。今回はその段取りで来させて頂いたんやからこれでええねん」、と思ったな・・・。

 今回は商売繁盛、事業繁栄の祈願は無しに・・・仏さんに謝るだけの祈祷にするつもりで来させて頂いたんやから・・・これでええねんと思ったな・・・。

 二つ目の釜は・・・この家の先祖が斬り殺した仏様と、他に迷惑をおかけした沢山の仏様の成仏を願って・・・即身成仏・・・ただそれだけを願って釜を焚いたな・・・。

 表白は・・・もう、喋り言葉で行かんとしょうがなかったな・・・。

 ええ恰好の表白の言葉は・・・この場合・・・何の役にも立たんのが解っとったから・・・「すまんな・・・。許したってな・・・。成仏してよ・・・。楽にさせて頂くからな・・・。楽になるで・・・」、伝えたな・・・。

 勿論、伏見稲荷様にはちゃんと祝詞を上げさせて頂いたが・・・・。

 釜は淀みの無い音で・・・普通?・・・まあ、普通に鳴ったな・・・。

 私、「どや?」。

 妻、「釜が鳴ったらみんな消えたわ・・・此処の稲荷だけ居ってやけど・・・」。

 私、「いや・・・此処の稲荷様は出とってもらわんとかなんのや・・・」、と思ったな・・・。

 この後、この家の位の高い伏見稲荷様にはいろんな事を聞いたな・・・。

 声に出さず、

 私、「稲荷様・・・ちょっと前、此処・・・事業で損をしたが、それは貴方が今回のこの家の先祖が作った罪を清算させる為に、それを気づかせる為に・・・仕組んだのですか?」、と尋ねたら、「うなづいてあったわ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「そこまでやるか・・・」、と正直思ったな・・・。

 声に出さず、

 私、「稲荷様・・・貴方のこの家に対するお試し・・・これが最後ですか・」、と尋ねたな・・・。

 私、「どや?。稲荷さん・・・返事したか?」、と聞いたら、「いや・・・何も返事しないよ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・。

 「返事・・・無かったか・・・。まだか・・・」、と思ったな・・・。

 「普通の伏見稲荷様やったら・・・もう、これで十分やが・・・やっぱり此処は違うな・・・」、と思ったな・・・。

 しかし・・・その後の、此方の要求には全て返事を頂けたな・・・。

 その後、「長い事行ってないので、一回京都の伏見稲荷大社に行きたい(帰りたい)・・・」、という念が私に入って来たんやな・・・。

 それで、「まあ・・・伏見に行かれたら、命婦専女神様にこの家の事を相談されたらどうでしょか?・・・」、という様な事を言うたら・・・、何か?、変な空気になったんやな・・・。

 そいで、「貴方は命婦専女神様と同じ位の地位の稲荷様ですか?・・・」、と聞いたら、うなづいたんやな・・・この家の稲荷様・・・。

 確か、大分前、この家の稲荷様・・・お坊さんの恰好で出て来た事が有ったな・・・。

 その時は、この家の先祖供養の件で・・・ちょっと言いたい事が有ってその様な格好で出て来たんやったな・・・確か。

 稲荷さん・・・特に伏見稲荷様・・・先祖供養・・・大事にされるな・・・。

 まあ・・・それは・・・今生きてる者の為になる事で・・・言う通りにさせてもらった方が得やな・・・。

 しかし、貧乏人には・・・こんなに何回ものお試しは無いな・・・。

 やっぱり、それだけの財の有る家は修行もきついのかな?・・・。



 

 












 

 
鳴釜神事の実際と考察