ひとりごと・たまに・ふたりごと・・・番外10(平成28年、春の彼岸が来たが・・・)
 また春の彼岸が来たな・・・・・・。

 その前から来とるな・・・・13日頃から来とるがな・・・・いや・・その大分前から薄っすらと来とったな・・・・嫁さんの家の方やな・・・・まあ・・・それなりの訳が有って来とってんやろけどな・・・・・・。

 他人(ひと)の家の事は出来るんやが・・・身内は難しいんや・・・この領域の方は解っとってやと思うが・・・身内は難しい。

 ・・・・・と言うて、この領域の人に頼んで・・・と言うても、そんな人、居らんし・・・・。

 その前に仏壇を置いてるとこにこんな事言うても信用せんしな・・・・・。

 決して悪い人やないんやが、嫁さんの実家も・・・、頭の良い人・・・こんな事は信用せんな・・・・・。

 嫁さんの実家は・・・形だけは世間並みにするんやがな・・・、私の実家は頭は良くないが・・・全く信用せんし・・・墓参りもせんな・・・・。

 せめて、頭の悪い分だけ、信用してくれたらな・・・・。

 どっちも、子供を通してお知らせが来とるが・・・、あかんな・・・・・、もう形が出てしまったな・・・・手遅れになってしまったな・・・。

 まあ・・・私ら夫婦、そんな因縁に生まれとるから、こんな仕事をさせられとるんやろけど・・・・。

 それにしてもこの春・・・彼岸・・・嫁さんの方、ちょっときついな・・・・。

 毎日、仏壇に、「チ〜ン」、言わしといてくれたらそれだけでええんやけどな・・・それだけで仏さん、喜ぶんやがな・・・。

 やっとへんな・・・・・。

 嫁さんに仏さん・・・入っとるな・・・仏さんが入ったら・・・、独特な顏の表情・・・、独特な目の表情・・・、独特な受け答えになるからな・・・頭も痛いし・・・鎮痛剤は効かんし・・・ゲップは出るし・・・体は痛いし・・・動作がぎこちなく・・・動き難くなるな・・・・。

 まあ・・・時間が解決してくれるんやが・・・要するに、彼岸が終わったらやが・・・・。

 まあ・・・私の方は実家がそんなんでも私が毎日手を合わせとるから・・・まだましやがな・・・。

 3月17日(木)・・・「地神さん、嫁さんの方の墓、行きます」、と言うたらうなづいたな・・・・。

 墓の前で仏さんを呼んだが、全く反応が無かったな・・・。

 「あかんか・・・」、と思ったな・・・。

 「もうええか・・・」、と思ったな・・・。

 毎日、「チ〜ン」、だけでええんやけどな・・・。

 3月18日(金)・・・「地神さん、実家の墓に行きます」、と言うたらうなづいたな・・・・。

 私の実家の墓は、新しく建てた石塔と土の方の墓があるんやが・・・地区の人は両方の墓に参ってやな・・・。

 嫁さんの方ばかり言うたが、私の方も因縁の深い家で、何か有る・・・何か起こると・・・思うな・・・近い将来。

 何年も前から私の体に入って来るお知らせが有るんや。

 たわしで水入れのコケを掃除して石塔の前で手を合わせて、「地神さんの姿、出てるか?」、と嫁さんに聞いたら、「巳さんが二つ、頭を合わせているわ・・・。右側の巳さん、大きいわ・・・・」、と嫁さんが言ったな・・・・。

 あ・・・男の神さん・・・来たな・・・・、と思ったな・・・・。

 ちょっと離れた所に人が居られたので小さな声でボソボソとやり取りをしたな・・・・・・。

 そら・・・変に思われるやろな・・・普通に・・・、、「高橋家の御先祖様、ちょっと出てください・・・」、なんかよったら(言ってたら)・・・・・。

 「地神さん、ちょっと呼んでください」、と言ったら、「もう出とってやわ・・・。手を合わせとってやわ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・・。

 先祖が向こうからこっちに合わせた手やな・・・・。



 「高橋家の御先祖さん・・・長い間、のべ石がずれてるのをそのままにしてすみませんでした。本家は気がついてたのかついてなかったのか知らんが・・・何もせんと・・・、許してください」、と言ったら、「頭を下げてあったわ・・・見えない?けど・・・」、と嫁さんが言ったが・・・まあ・・・そんなんや・・・見えた?んやろ。

 親父や御袋を呼んだが出んかったな・・・まあ・・・そんなもんやろ。

 その後、土の方の墓に行って手を合わせたら、「地神さんの頭に下に小さい巳さんが出てるわ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・・・。

 「あんた、チビか?。チビやったらこっちを向いてみ」、と言ったら、「こっちを向いたわ・・・」、と嫁さんが言ったな・・・・。

 「チビ、久しぶりやな・・・。元気か?・・・。帰って来たんか・・・。今から家に帰るけど、帰りに大福でも買って帰るからな・・・・」、と言ったら、「返事をした様に見えたけど・・・・」、と嫁さんが言ったな・・・・。



 「地神さん・・・なんか・・・淋しそうな感じやったわ・・・」、と墓から帰ってくる車の中で嫁さんがそう言ったな・・・・。

 マックスに寄って、大福と中にチューインガムが入っているプラスチックの刀を買ってお社の前に置いて・・・、「チビ、出て来てみ・・・」、と言うたが・・・、地神さんだけが横向きで出たな・・・・。



 「あ・・・・やっぱりな・・・」、と思ったな・・・・。

 地神さんが淋しそうな顔をしていたのが解ったな・・・・・。

 まあ・・・そんな展開やろとは、解っていたんや。

 石塔の前で出て来た男の神さんも・・・、土の墓の前で出て来たチビも・・・あれは何やったんやろな・・・・。

 チビは何処かで修行してるはずやが、彼岸?やし・・・ちょっと実家?に帰って来て、また、修行の場に戻ったんかも知れんな・・・・と思ったな・・・・。

 男の神さんにしても、彼岸?やし・・・、ちょっと奥さんのとこに帰って来て、奥さんの顔見て、また、本来の場所に戻って行ったんやろ・・・と思ったな・・・・。

 また、地神さん・・・一人?だけになったな・・・・。

 しかし、チビが居た何年間は面白かったな・・・。

 男の神さんもこの頃は怒って出て来る事が無くなったな・・・。

 「どうなるんやろな・・・この先・・・私らも・・・」、と思うな・・・。

 しかし・・・、「チビ・・・余り進歩してないみたいに見えたけど・・・・」、と嫁さんが言ってたな・・・進歩してないか・・・。

 今・・・、3月19日(土)の夕方やが・・・抜けたみたいやな・・・嫁さんから・・・毎年、毎回やな・・・しょうがないな。

 

 

 

 

 

 

 
鳴釜神事の実際と考察