ある巳神(地神様)・・3。その後の展開と事情・・3
            (こうまでして祀る者を守ってくれるのか・・・・・・・)
 1か月以上前、この会社の社長から電話が有りました。

 「仕事はおかしい程忙しいんですが・・・・、実は少し前、職場の上のアパートに入っている男が突然殴りかかって来て・・・、職場にあるハサミを持って向かって来たのですが・・・、まあ、それは取り押さえたのですが・・・・。その二日後にはその男は死んでいた様なのですが、何日も後で警察が部屋に入って確認した様です。原因不明の急死だった様です。そんな・・・、死ぬ様な男ではないので、ひょっとしたら家(会社)の神さんが殺したんではないかと思うのですが・・・・・・」、という様な内容でした。

 普段から精神異常の男だった様ですが、社長が地神様の前で打つ柏手を、どうやら自分の悪口を言われていると錯覚して襲って来た様だと言われます。

 その時は、まさか神霊がその様な事をするとは思いませんでしたので、「それはないでしょう」、とお答えした事を覚えています。

 この会社では必ず年に一回の商売繁盛の釜を焚きます。

 後日、祈祷の日にちを決めたのですが、その日にちが近づいて来るにしたがって妻の調子が悪くなって来ました。

 商売は不思議なほど忙しいので、此処にお祀りする巳神様には、日頃の感謝の釜と、商売繁盛の釜、計二つの釜を焚いて終わりにしようかと思っていました。

 しかし、祈祷が近づくにしたがって妻が寒気を訴える様になって来ました。

 この暑いのに、冬の掛布団をかぶって寝ていますが、それでも寒いと言います。

 表情を観ていると、「仏さん」、が入っている表情をしています。

 そして段々歩けなくなって来ました。

 脚(足)が動かないのです。

 体中に痛みも出て来ました。

 前回、確か、水死の仏さんを上に上げさせてもらったはずです。まだ残ってるのか・・・、それともお盆が近いので、またあの仏さんの影響を受けているのかと思っていたのですが、その事について聞いても、家の地神様はただ上をみているだけで何も見せてはくれませんでした。

 しかしこの地神様の動作で大体の目星はつきましたが、急死の仏さん、それは事故死も含め、ましてやこのケースの様な精神疾患のある仏さんの場合は、死んだ本人はまだ生きていると思い込んでいるのでしょうが、何か違うものを感じているのでしょう。その違うものを感じている念が、妻の方に作用している様です。

 祈祷の二日前、急遽、アパートの二階で急死した精神疾患の仏さんの供養もする事を決めました。

 確かに、社長にしては、何の関係もない他人の、それも普段から言いがかりをつけられていた男の供養までしなければならないのか、という気持ちも有ったと思います。

 しかし祈祷の当日、社長は黙って後ろで座っておられました。

 鳴釜の準備を終えて、空いているテーブルの片方を利用して、仏さんの供養に入りました。

 「水死の仏さん、出てください」、と何回も言いましたが、水死の仏様に関してはどうやら前回で終わっている様です。

 「この上のアパートで亡くなっていた仏さん、出てみ」、と言うと、「パクッと開けた、人の口が出たわ」、と妻が言いました。

 「あんた、もう死んどるんやで。生きてるんと違うんやで。分るか。あんた、死んでるで」、と何回も伝えたのですが、全く反応は有りませんでした。

 「あんた、苦しいな?。苦しいんなら、口を閉めてみ」、と聞くと、「口を動かしたわ。閉められないみたい」、と妻が言います。



 「地神さん、この仏さん、生前ちょっとおかしかったから何言うても無駄か?」、と聞くと、「そうらしい」、と妻が言います。

 「あんた、聞いときよ・・・。楽になるで・・・。あんた、死んでるんやで・・・。ええか、上に上がりよ・・・」、と言って、「正信偈」、を上げました。

 正直、「正信偈」、を上げながら、「此奴、俺の家まで来んやろな・・・」、という思いも少しはありました。

 「「正信偈」、の途中から仏さんの口は消えてしまった」、と妻が言います。

 「「正信偈」が終わったら、一本の線が横に流れて消えて行ったわ」、と妻が言います。

 正直、「これで良し」、と思いました。

 「地神さん、精神異常の仏さん、上に上がったか?」、と尋ねると、「うなずいたわ」、と妻が言います。

 これで良しです。

 次は日頃の守護に感謝して釜を焚くのですが、その前にこの会社の地神様に聞いておく事が有りました。

 微妙な事ですので、「地神さん(我が家の)、此処の地神さん、声を出さずに話が出来ますか?」、と聞くと出来ると言われます。

 声に出さずに、そして妻には、「此処の地神さんの顔をしっかり見といて」、と伝えました。

 私、「○○の地神様、あんた、この上のアパートに住んでた、精神異常者の男、あんたが殺したんか?」、と聞いてみました。

 妻、「うなずいてあったよ」、と言います。

 再度、声に出さず

 私、「あんたが殺したんか?」、と聞きました。

 妻、「うなずいてあったわ」、と言います。

 この事実は声に出して社長に話しました。

 その後は声に出して

 私、「○、○の地神様、解りました。もう一つ聞きます。社長が襲われた後も、その男を生かしていたら又社長がやられる恐れがあるから、あの男の命を取ったんですか」、と聞きました。

 妻、「うなずいてあったわ」、と言います。

 後ろで座っておられた社長が、「あの男が生きていたら、僕があの男を殺していたと思います。だから、地神さんはあの男の命を取ったのだと思います」、と言われます。

 「ここまで一生懸命に祀ってくれる者を守るのか・・・・・」、と言うのが実感です。

 「やっぱり・・・、男の神様やな・・・・」、と思いました。

 「見ていて、女の神さんとは全然違うわ」、と妻が言います。

 私についているのは女の神様ですが、偶に私と同じ声で出て来る奥に居る男の神さんは・・・、こんな事を言うと叱られるかも知れませんが、これもきつい。

 つくづく、女の神霊で良かったと思う事然りです。

 そして、このケースは特異なケースだとも思います

 それだけ社長に取って、人の命を犠牲にする事以上の、この先の仕事上?のお役が有るのでしょう

 今回の本題の祈祷に入ります。

 先ず、一回目の釜は、日頃の守護に対しての感謝の釜になります。

 感謝の表白を読み上げます。

 「身滌の大祓」、「六根清浄大祓」、「龍神祝詞」、を上げます。

 妻、「此処の巳さん、胴体を一回巻いて、頭は此方に向けてるわ」、と言います。

 私、「向けてるか・・・・・・」。



 コンロに火をつけます。

 湯が沸騰して来ます。

 米を入れます。

 釜は普通の音で鳴り出しましが、何処か不安定な鳴り方をしています。

 先ほどの仏さんの対処もしている様に思います。

 ほどなく、波の無い普通の音に戻りました。

 やがて音が消えて行きます。

 私、「どや?」。

 妻、「・・・・、釜の上に綺麗な金色のものが揺れていたよ」、と言います。

 私、「○○の地神様、有難う御座いました。仕事は忙しくて、忙しくてと社長が言っています。○○を守って頂きまして有難う御座います。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」。

 妻、「うなずいているわ」、と言います。

 この後○○の地神様には、社長の家族の守護の事など、沢山の事を聞いたのですが、機嫌良く、何にでも答えてくれました。

 こうして、釜で感謝の気持ちを表してくれる祀る方の気持ちが此処の地神様に取っては大変嬉しいのでしょう。

 二回目の釜に入ります。

 二回目の釜は、商売繁盛の祈願に徹します。

 「方に今、○○の地神様の御前に於いて、大阪市・・・・・・・、「○○」、○○○○(社長の名前)の事業隆昌、商売繁盛を祈願し奉る・・・・・・・・・」。

 「身滌大祓」、「大元造化三神報恩之気祈詞」、「龍神祝詞」、を上げます。

 私、「どや?。どんな顔してる、此処の地神さん」。

 妻、「きりっとして、こっちを向いてるわ」。

 コンロに火をつけ、湯が沸騰して来ます。

 洗い米を入れます。

 「おかしいな・・・、こんな鳴り方か?・・・・・」、という様な、波のある、訳あり?の様な鳴り方で鳴り出しました。

 この意味は直ぐに解りました。

 やがて音は普通の音に戻り、止まりました。

 私、「どや?」。

 妻、「・・・・・別に・・・、何も・・・・・」。

 私、「○○の地神様、有難う御座いました。祓ってくれたんですね?」。

 妻、「うなずいてあったわ」。

 私、「○○の地神様、これ・・・、この先、仕事上で起こるトラブルを消してくれてあったんですね。有難う御座います」。

 妻、「うなずいてあったわ」。

 要するに、この先の、起こるであろう仕事上のトラブルを消してくれたと観ます

 このまま何もしないで行けば、大きな問題がこの会社に降りかかって来るところを、消してくれたと観ます。

 そして今回、丁度私達がこの会社に来て釜を焚くというタイミングも良かったと思います。

 素人の方は、神霊を祀っていれば、どんな事でも神霊が良い方向に導いてくれると勘違いされていると思いますが、祓う対象によっては、私達の様なものがお手伝いをさせて頂いて初めてそれが成就する事も沢山有ります

 ですからこの会社にしても然り、一年に一回はこうして祈祷の機会を作られて、私達を呼んでくださるのだと思います。

 私、「○○の地神様、甘えてお聞きします。○○の会社のこの先、解り易く見せてください」、と伝えました。

 妻、「巳さんが口に巻物をくわえてるわ。丁度この表紙の様な模様の」、と言ってお経の本の表紙を妻が指さしました。






 私、「大変、有難う御座います」、とお伝えしました。

 しかし、この会社の地神さんは大胆な事をするし、大胆な知らせ方(見せ方)をします。

 稲荷様が口に巻物をくわえて見せてくれるのはよく有る事ですが、巳神様が巻物をくわえて知らせてくれたのは初めてだと思います。

 巳は稲荷に通じ、稲荷は巳に通じますが、まさか・・・・・・・・。

 この後も、本当にいろんな事を聞きましたが、全て機嫌よく答えて頂きました。

 声に出さず。(これは、この会社の社長に聞こえても良いのですが、その結果によって、社長が此処の地神様が考えておられるのと違う方向に行っては大変なので、あえて声に出さずに聞いてみました

 私、「○○の地神様、この会社、規模を大きくしても大丈夫ですか。守って頂けますか」、と聞いてみました。

 妻、「うなずいてあったけど・・・・・」。

 この事を声に出して社長に伝えたところ、

 社長、「私もそれは考えていますが、まだその力もないし、人脈もないし、後、3〜4年頑張って、その間にいろんな勉強もしたいと思っています」、と言われます。

 私、「○○の地神様、今、社長が言われた事を聞かれたと思いますが、その時は、どうか力になってやってください」、とお伝えしました。

 妻、「うなずいてるわ」、と言います。

 妻、「此処の地神さん、以前よりものすごく大きくなって、綺麗な巳さんになってるわ」、と言います。

 声に出さず

 私、「○○の地神様、地神様に取っても、こうして社長が釜を焚いて感謝の気持ちを表している事は、嬉しいことですか?」、と聞いてみました。

 妻、「うなずいてあったけど・・・、何を聞いたん?」、と言います。

 声に出さず、

 私、「○○の地神様、一回社長の所まで行って、社長の体を巻いて、守ってやってください」、と言いました。
 
 妻、「○○の地神さんが・・・、棒?・・ではないけど・・・、何かに巻き付いてあったわ」、と言います。

 声に出して、

 私、「○○の地神様、有難う御座います。守ってやってな・・・、頼むで・・・・」、と言いました。

 しかし・・・、この・・・、言葉は悪いですが・・・、柄の悪かった・・・、社長が私の前に相談した方は、「私の力ではこの巳さんの対処は無理です」、と言われた、この巳神様が・・・、よくも短期間でこんなになられたとは・・・・・。

 しかし・・・、私如きが言う事ではないのは重々解っていますが、この男の地神様、その気性の荒さから一つ間違った事をされました。

 それは、何が有ろうとも、人の命を取るという事は間違っていると思います。

 このまま放置すれば、その精神病の人が社長を殺そうとしたとしても・・・、又、このまま放置すれば、社長がその精神病の人を殺しかねなかったとしても・・・、他の方法が有ったはずです。

 この地神様・・・、私如きの者が言う資格は有りませんが・・・、修行が長くなるな・・・、と思います。

 しかし、この男の地神様を助ける?のは、この会社の社長です。

 解らない方が大半だと思いますが、この先、この地神様と社長は一心同体の関係が強まります。

 何故なら、此処の社長も巳です。

 ある部分の性格がよく似た巳です。

 この先、此処の社長がこの神霊と向かい合って行く事が、双方の修行になって行くと思います。

 解らない方が大半だと思います。

 最後に一つ、○○の地神様に面白い事を聞いてみました。

 私、「○○の地神様、あんた、奥さん居るやろ?。ちょっと、奥さん、呼んでみ」、と伝えました。

 妻、「首を横に振ったわ」。

 私、「奥さん、居らへんのか?」。

 妻、「一人、と言ってるわ」、と言います。

 やはり、此処の地神様は大分変わっていると思います。

 絶対、奥に、奥さんの巳神様は居られます。

 終わってみれば内容のある祈祷になりましたが、祈祷の日にちを決めた一か月前位から、この精神病の仏さんが助けを求めて私達の方に来ていたのでしょう。

 これも私達のお役なのでしょうが・・・・・。



 *何回も書きますが、そして上記した事は大変稀なケースになるとは思いますが、例え神霊と位置づけられた存在でも、祀る者を守る為には手段を選ばないという事実が有るという事から、神霊をお祀りするという事は余程の決心と覚悟が必要になってきます。

 祀る方の人間が犯した間違いに神霊は責任を取らないといけないし、神霊が犯した間違いには、祀っている人間が責任を取らないといけない様になっていると思います。(余分ですが、ですからこの領域を利用して人を騙したりすると、又、うかつに興味本位でこの領域に入って間違った事をすると、その後の人生が狂ってしまう訳です。神霊を祀っている者も然り、ましてや邪霊を神と勘違いして祀っている者然り)

 そしてこの先、上記した社長はこの神霊の守護で頂点まで上がると思いますが、其処で社長のこの領域における気が緩んで怠惰な考えになって行けば、この神霊も同じ様になり、日頃私達が行って祈祷をしているケースと同じコースをたどる事になります。

 しかし、そうなれば、もう手遅れです。

 この社長も、今回の様な犠牲が有った事、そしてそれは会社でお祀りしている神霊が関わった事、その事を忘れずに神霊をお祀りして行けば大成されると思います。



 


 



 

 

 

 

 

 

 

 
鳴釜神事の実際と考察