伏見稲荷の眷属神様について

(これは、私がこの仕事をし始めた頃で、初めて伏見稲荷の神様と縁を持たせていただいた話です。その後は、私の呼びに対し、良く御力になっていただいております)


 
私は祈祷の折に、よく伏見稲荷眷属神様の助けを得ます。私の家で、代々お稲荷様をお祀りしていたという事も聞いた事はありません(何故、眷属神様と縁が有るのかは、長くなりますので書きません)し、最初、京都の伏見稲荷大社には、境内の神具店に鳴釜の道具買いに行ったのが最初です。その時は、ついでに伏見さんに手を合わせて帰って来ましたが、その後は特に、私の方から念を向ける事も有りませんでした。鳴釜の道具は買いましたが、余り私にその気が有りませんでしたから、長い間そのまま放置していました。


 その後縁が有り、今の様な仕事も入り始め、出向いて神事をする様になりました。そしてある所から祈祷の依頼が有りましたが、その家には地神様と伏見稲荷様が祀られていました。そして私が呼ばれた理由は、長年、地神様をお祀りさせていただいているが、何も良い事が無い。悪い事ばかりが続いている、という事でした。


 私はその家に着き、地神様と言われて祀り続けていたものを出して見ました。
黒く、細い蛇が二匹姿を現しました。以前、近所のお坊さんに正念を入れてもらったと言います。しかしこれは神様の蛇ではありません。野の蛇です。お坊さんの程度の低いものに同調して入ったと観ます。以下はその蛇とのやり取りと、私が最初(私が最初と思っているだけかも知れません)伏見稲荷様と縁を持った一部を記します。

 (一応地神様に、今までの加護に対し感謝の意を述べ、大元の処へ帰って頂く旨を告げます)

 
「出て行かん」、「何で出ていかな、ならんのや」、「出て行かん」。

 「そんな事言わんと、大元の所へ帰ってください」、「いろいろ事情が有って、この家の人も祀りきれなくなってしまったんやから」、「今ままで守ってくれた事には感謝をします」、「御願いします」。

 (この様なやり取りが、何十分間か続きます)、(私も限界に来ています)

 「出て行かんなら、釜を焚くぞ」、「釜は怖いぞ」、「釜が鳴ると、お前が一番よく知っとるやろ」。

 (釜の怖さは、邪心の有るものは一番よく知っています)(釜という言葉を言うと、大概のものは、たじろぎます)、(引きます)。

 「出て行くから、田んぼに水が入るまで待ってくれ」、「田んぼに水が入ったら、出て行く」、「それまで待ってくれ」。

 「あかん、今すぐ出て行け」。

 「田んぼに、綺麗な水が入るまで待ってくれ」。

 (この繰り返しです)

 私は困ってしまって、思わず横にお祀りしてある、伏見稲荷様に、「お稲荷さん、どなしたら、どかす事(祓う事)が出来ますか」、と聞いてしまいました。

 
一瞬、眩しい光が見え、「簡単や」、「釜を焚け」、「簡単や」、というお知らせが入りました。

 
私は、直ぐに釜に火を入れました。

 釜は大きな音で鳴ります。

 黒い蛇が白色に変わりました。そして次の瞬間、消えて無くなりました。

 沼地や田んぼにいる蛇の正念が入っていました。

 この事が有ってから、私は祈祷の折によく伏見稲荷眷属神様をお呼びしますが、大概は、白い、強そうな白狐様が姿を現します。



 (先日も、ある京都の御商売人の家の裏庭の御社に遊びに来た子狐を、その地の氏神様の伏見稲荷眷属神の白狐様に頼んで、連れて帰ってもらいました)

 
祈祷の途中で、若い着物姿の女性が現れました。私は直ぐにおかしいと思い、私の中の巳神を出し、払うものならこの者を巻いてくれる様に頼みました。巳神は直ぐに女性の側に行き、その者に噛み付きました。その途端、女性は小さな狐に変わりました。私はその狐に、「何でここに来たんや、早く帰り」と言いましたが、知らん振りをしています。子狐ですし、言葉で言っても分からないみたいで、悪い様にも見えませんので、氏神様の伏見稲荷様を呼びました。直ぐに白い眷属神様が現れました。
釜を焚いて送りますので、この子狐を連れて帰ってくれる様に言いました。すると「釜はいい(必要ない)、わしがくわえて帰る」と言われます。そして、直ぐに子狐をくわえ、上に上がって行きました。


 
鳴釜神事の実際と考察