ある巳神(地神様)・・・2
 あるキャリアウーマンから連絡が有りました。

 実家も含め、身内の中で、何故か男ばかりが、何かと良い様に方向に行かない。

 子供もいじめにあったり、御主人も急に病気になったりしたと言われます。

 此方の巳神様に、この領域の障りを見せていただきました。

 妻、「黒い一連の数珠が出て来たわ」、「所々、数珠の紐がほつれてるみたい」、と言います。

 何回聞いても、日にちを改めて聞いても、黒い数珠しか見せてくれません。

 それもほつれた紐の数珠です。



 確かに、宗旨変えから来るものは感じますが、他に何も見せてはくれませんので、この方には、「母方、父方の宗旨変えからくるお知らせでしょう」、としか説明出来ませんでした。

 話は一応それで終わっていたのですが、少しして、此方に来て、実家の親兄弟、家族が良い様に行く様に祈祷をして欲しいと言われます。

 再度、此方の神霊には、この方の祈願に関しての、この領域のものを見せてくれる様に頼みました。

 妻、「ガタガタの地面が出て来た」。

 只それだけです。

 この情報を元に祈願の文面を考えて作って行くわけですが・・・・・。

 大いに情報不足です。

 祈祷に到るまでの情報にしては、少な過ぎます。

 確かに、この方の母方、父方の、主に母方の御先祖様から来るお知らせと言うか要求はきついものは来ていました

 祈祷時の、この方の母方の御先祖様の要求(お知らせ)は、祈祷に同席されたこの方のお母さんを通して、沢山出て来られました

 何時もなら、私の妻が観るお役を、この方のお母さんが代わりにしてくださいました

 この方のお母さんが、沢山の御先祖様と話をされ、御先祖様の姿も見られています

 此方の巳神様が、その方が良いと判断してそうしたのでしょうが、私の妻としては・・、その分、楽で・・・、有り難かったです。

 この祈祷の、御先祖様に関しての部分は書きません。

 先祖供養、線香護摩による先祖供養が終り、まだ線香護摩の火が残っている段階で・・・・、、もうその前から私達の方には解かっていましたので、

 (線香護摩の途中からこのものが見えていましたが、「ちょっと横にどいといてか」と言って、横に行かせていました)

 私、「地神様、まだ火は残っています。そいつ、この護摩の上に出してください」。

 妻、「うわ〜、黒い〜、釘みたいな蛇が沢山ダンゴみたいに集まって・・・、うじゃうじゃ動いてるわ〜」、と言います。



 長年この仕事をしていますと、この出方で相手の程度が分かります。

 私、「あんたら、楽しいか?。そんな格好して、楽しいか?。ようけ(沢山)集まって、そんなに楽しいか?。うじゃうじゃして・・・。お前らの中の、仕切ってる奴、顔出してみ」。

 妻、「うわ〜、出て来たわ」。



 (妻にしても、殆んど私と経験は同じですし、又見る方はほとんど妻のお役ですので、この類のものは見慣れてしまって全く動じません)

 妻、「黒いダンゴの中に、吊り上がった大きな口が出て来たわ」。

 私、「あんた、目を出してみ」。

 妻、「吊り上げた目が出て来たわ」。

 私、「その中に、一つの顔が出たんやな?」。

 妻、「そう、口の中が黒くて、真っ赤な舌?」。

 私、「あんた、ちょっと聞くが、この家の主人を病気にしたり、子供の調子を悪くしたのも、あんたがしたんか?」。

 妻、「そうや、と言ってる」。

 この邪の出方、顔の出し方など、少し引っかかる所が有ります

 私、「ちょっと待ってや。あんた、ひょっとしたら神霊か?。巳神様か?」、と尋ねてみました。

 妻、「表情が変わったよ」。

 この地域一帯は、一昔前は丘に近い山だったと観ます。

 上には池が残っていますし、この家の横はどんと低くなって畑があり、開発されるまでは里山の様な所だったのでしょう。

 私、「あんた、、聞いとき」、と言って「龍神祝詞」を上げました。

 妻、「巳さんの顔が和んだよ」、と言います。

 私、「あんた、神さんやったんやな、神霊やったんやな」、「そやけど、何で、こんな格好になってるんや、どなしたんや?」。

 妻、「笑ってるわ」。

 私、「どないや?、あんた、人を助けていたんやろ?、なあ、あんた昔、人を助けていた神さんやったんやろ?」。

 妻、「何か・・・、考えてる。思い出そうとしてる様な表情をしてるわ」、「又にゃ〜とした表情に戻ったわ」。

 私、「あんた、昔はこの辺り一帯は森やな?。其処で祀られてた神さんやったんやな?。人助けもしてたんやな?。でも時代が変わって行って、あんたが祀られてた場所も、ここら一帯も家が建って、あんたの居場所も無くなってしまったんやな?。人を助けたけど、人があんたを無視してあんたの居場所を無くした事に腹が立って、そんな格好になってしまったんか?」。

 妻、「何か、考えてるよ」、「この巳さん、何かを思い出そうとしてるわ」、と言います。

 私、「あんた、神霊やな?。今から巳神様と呼ばせて頂くわ」、「巳神様、ええ機会やから、私らを利用したらどないや?。あんた、神霊やったら私らを観て、私らが今までどんな事をやって来たか解かるやろ?。私らの様な者は、中にはいかなごの釘煮の様な屁みたいな蛇を沢山飼って、そいつらが、わしは〜明神やと沢山の首を出して、それを見て崇めてる輩も居るが、あんたから観て、私らがどの様な者か解かるやろ?。あんた、あんたの右上を見てみ、綺麗な女の巳神様が居ってやろ、その神霊がまがいものかどうか、あんたやったら解かるやろ」、「私らを使ったらどうや。鳴釜であんたの昔の神霊やった時に戻したるわ、なあ、昔の綺麗な神霊に戻って、もう一度人を助ける方に周ったらどうや。なあ」。

 妻、「周りの黒い釘みたいな蛇が散って行くわ」、「あ、この巳さんの頭に傷があるわ」、と言います。



 この神霊には時間をかけて、上記した事を繰り返し伝えました。

 妻、「大人しくなってしまったわ」。

 私、「まだ黒いやろ?」。

 妻、「黒。真っ黒でもないけど・・・」。

 この巳さん(神霊)の周りにたむろしていた輩はもう散ってしまい、この神霊だけになっています。

 私、「巳神様、あんた、奥さん居るやろ、奥さん、見せてくれへんか?」。

 妻、「あ、後ろから小さい巳さんが顔を出したわ」。

 私、「そうやろ」、「あんた、この巳神様の奥さんやな?」。

 妻、「気の弱そうな巳さんやわ、男の巳さんの後に隠れてしまうわ」、「男の巳さんに引っ付いているわ」。

 私、「奥さんの巳さん、あんたから御主人に、もう一度昔の様な神霊になって、人助けをしたらどうかと、言うてくれへんか」。

 妻、「言ってるわ」、「何か気の弱そうな奥さんやわ、直後ろに隠れてしまうわ」。

 妻、「男の巳さん、一生懸命に聞いて、何かを思い出そうとしてるわ」、「男の巳さん、頭を振り出したわ」、と言います。

 私、「頭を振り出したとは、どういう意味や?」。

 妻、「自分が昔、どんなものだったかも忘れているようやわ」、「昔の事を忘れてしまったみたい」。

 私、「あんた、頭の傷、それ、人間がつけた傷か?」。

 妻、「頭を振りかけたわ。何か聞くと、頭を振るわ」。

 私、「人間の、首をかしげる動作やな」。

 私、「奥さん、あんたに聞くわ。あんたらは神霊やったんやな?」。

 妻、「うなずいた」。

 私、「主人、頭をやられたんやな、人間に?。人間が悪い事をしたんやな?それで主人の人間に対する気持ちが、そんな色にしてしまったんやな?。でもな奥さん、観るからに主人はそれ相当な力の有った神霊と観るが、どや奥さん、この釜で主人を昔の様に戻させて頂くから、私らに任せてくれへんか」。

 妻、「お願いします、と言ってるわ」、「この巳さん、直に隠れてしますわ」。

 私、「この奥さん、主人の言う事を、ハイハイと聞いていたら良かった環境に居ったんやろ、それがこの様な状態になってしまってオロが来てるんやろ」、「何もよう言わんと、後でオロオロしてたんやろ」、「この奥さんも、本当は、昔の様な主人になって欲しいんやろ」。

 この男の巳神様は大人しくなってしまい、私の言う事を理解しようとしているのですが、理解出来ない部分も有る様です。

 奥さんの巳神様も了解してくれましたので、鳴釜の神事の表白にも、この巳神様夫婦が昔の様な綺麗な状態の神霊に戻る旨を入れて、読み上げました。(他の祈願の表白は事前に考えて来たのですが、この展開は予想外でしたので、専門家からみれば、まあ、お粗末な表白になってしまいました)

 鳴釜による他の祈願の様子は書きません。

 兎に角、この御神霊様夫婦を、昔の様な人を助ける方に周って頂ける状態にさせて頂く事を念じて、釜を焚きました。

 私、「巳神様、どうか釜の後に来てください。昔の様な神霊に戻させて頂きます」。

 コンロに火をつけます。

 湯が沸騰して来ます。

 私、「巳さん、どうしてる?」。

 妻、「頭を振って、考えてるわ。女の巳さんは男の巳さんの後ろに隠れてるわ」。

 米を入れます。

 当然、釜は大きな音を立てて鳴り出しました。

 一握りの米を入れた途端に、祈願の成否が解かります。

 私、「どや、巳さん、どうなった?」。

 妻、「男の巳さんは真っ白になったけど、忘れた・・・、と言って頭を振ってるわ」、「女の巳さんは、隠れてしますわ」。

 私、「御主人、奥さんの巳さん、これで大丈夫やからな。あんたらこれから人助けの方に周らなあかんで。奥さん、御主人を頼むで」。

 妻、「奥さんの巳さんはこっちを向いてうなずいたわ」、「主人の方は、忘れた・・・、と言って、思い出そうとしてるわ」。




 私、「高橋の地神様、これでいいんですか?。この男の巳さん、これで大丈夫ですか?」。

 妻、「大丈夫と言って、頭を下げたわ」。

 この巳神様夫婦は、この方の家が建つ土地の神霊ではなく、この付近に居た神霊と観ます。

 この付近は池が沢山あった土地で、池を埋めて山を崩して宅地にし、一つの街になっています。

 近所付き合いの無い様な新興住宅地ですので情報は入って来ないと思いますが、他の家にも何らかの障りを発していたと思います。

 この家の方は、この巳神様をお祀りしたいと言われます。

 私、「あえて〜家の地神様と呼ばせて頂きます。この家の方が、貴方達をお祀りしたいと言われているが、祀って欲しいですか」。

 妻、「こっちを向いて会釈したわ」。

 私、「そうか、祀って欲しいか。一つ約束して欲しい。この家の家族を守ってくれるか。家族が健康で暮らせて、良い様に行く様に、危ない時も助けてやってくれるか」。

 妻、「頭を下に向けたわ」。

 私、「最初から正式に祀らんでも良いな?。庭にブロックを置いて、その上にお供え物を置くから、それで良いな?」。

 妻、「それで良いと言ってるわ。女の巳さん、後ろに隠れてしますわ。隠れてしまうけど、答えは女の巳さんがするわ」。

 私、「男の巳神さん、頼むで」。

 妻、「男の巳さんも会釈してるよ」。

 これで良しです。

 私、「地神様(私の方の)、これで抜けてるものは何も無いですか。これで良しですか?」。

 妻、「これで良し、と言ってる」。

 最初、黒い小さな蛇を沢山つけて、ダンゴの様な格好で出て来ました。そして説得して行く過程で黒い蛇が無くなっていったのは、この黒い小さな蛇は、この男の巳神様の低い念が形になって周りに塊として付いていたものです。

 威厳として付けていたものです。

 弱みがあるものは群れたがります。

 その昔、夫婦の巳神様が居て、強い主人、その主人の言う事を従順に聞いていたらいい奥さんの世界があって、時には人が手を合わせに来る、その願いを叶えてやっていた環境が、人間の力で壊され、傷つけられ、人間に裏切られ、その事が怨念となって白い体が黒くなっていったと観ます。只奥さんの方は、主人の変わり様におろおろして、本当は主人には神霊であって欲しいがそれも言えず、只後で見守っていただけと観ます。

 此方の(私の)巳神様は、この家のものが祀って行けば、直に正統な神霊に戻り、この家の家族を守っていくと言います。

 後日、こんな写真が届きました。



 完璧な祀り方です。只お酒の蓋は取って欲しいです。

 この家の守り神です。

 小さな神社が、〜家に出来ました。

 何処其処の神社が良いと言ってお参りするよりも、我家の神社にお参りした方が良いに決っています。

 この家だけの守り神です。

 この神霊に、知り合いの祈願を頼んでも、聞いてはくれません。

 この家族の祈願だけを聞いてくれる神様です。

 勿論、此方の祀り方で、この家の神霊に力が付き、お役が付く様になれば、他の方の祈願も聞かれる様になるでしょう。


















  
(ある相談の、巳神様に関する部分だけを主に書く事にします)
鳴釜神事の実際と考察