ある巳神(地神様)・・・1
男の方からメールを頂きました。
今までの人生を振り返ってみて、何かに守って頂いている、助けて頂いている気がしてしょうがない。
もしそうであるなら、その存在にお礼を言いたいし、それが何であるか知りたいと言われます。
毎日心の中で、「有り難う」、と言っているが、もしその様な存在が居られるなら、それが何であるのかを知りたいと言われます。
この様な相談は万と来ますが、先ず98パーセント、何〜にも有りません。
もうこの類の相談は、見るのもしんどくなります。
しかし偶々、ある祈祷が終わってやれやれの気持ちでいた時でしたので、此方の神霊に聞いてみる事しました。
黒い●、その下に沢山の三角形が見えます。
その横に、黒い目の様なものが二つ、その下にはある事を意味する、それらしきものが二つ見えます。
もうこれで止めようと思いましたが、此方の神霊は、「話を前に進め」と言います。
その途端、妻が、
妻、「首に何か下がっている様で重たい」、と言い出しました。
私、「事情を持った巳神様と観ますが、どんな事情が関係していますか。見せてください?」。
妻、「赤い線で、人、という様な形が出て、その上に丸いものが乗っている様な感じで、その丸いものが・・・」、と言って絵に書きました。
妻、「8を横にした様な形が見えるわ」、「その8が縦にもなったり、横になった8から小さい棒が出てるわ」、「数字の82というのが、はっきり見えるわ」、と言います。
私、「「地神様、仏さんがどうかしたんですか?」。
妻、「首に輪をかけた、頭のてっぺんに傷があって、赤い目をした巳さんが出て来たわ」、と言います。
妻、「地神さんが、其処へ行ってやってくれ」、と言ってるわ。
私、「地神様、地神さんが行ってやってくれと言う位やから、相当な理由が有るんやな」、「よし、行かせてもらうわ」。
この始終は相手の方にはまだお伝えしていませんでしたが、その晩、私や妻の体には、相当重く、きつく、どう表現すれば良いのか・・・、邪から来るものではないが、様々なものが入って来出しました。
妻は首が重くて、体も痛く(決して邪の出す痛みの種類ではありません)、私の方には、ただ重く大きな責任の様なものが乗りかかって来ています。
決して、邪から発せられたものではありませんが、気分も悪いです。
この頃は極力、夜遅くにはお伺いを立てない様にしていますし、夜中に此方の神霊を呼んでも、余り良い表情をしませんが、今回は日が変わっても此方の神霊の御姿が見えています。
それだけの理由があるのでしょう。
私、「地神様、これ何が作用していますか、出してください」。
妻、「地神さんの横に白い巳さんが居るわ」。
私、「地神さん、その巳さん、何処の巳さんや?」
妻、「何も言わないわ」。
夜中ですし、私の疲れとイライラが限界で、何時もならこんな事は絶対しないのですが、
私、「地神さん、そいつ、斬るで」、と言って、剣を降ろしてしまいました。
妻、「わ〜、巳さんの頭が下に落ちたわ」、と言います。
私、「地神さんの表情は?」。
妻、「普通にしてるわ」。
あくる朝になるのですが、兎に角体の調子が悪い。邪では無い事は解かるのですが、きついものです。
此方の巳神様は、「すまんが、行ってやってくれ」、と言われます。
経験上、兎に角、この家に行かないと事が終わらないのが解かりますので、この方には、此方から行かせて欲しい、お供え物等、祈祷に必要な物は全て此方で用意をして持って行くので、直其方に行かせて欲しいと頼みました。
此方の巳神様も、「行ってやってくれ」という様な事は先ず言わないのですが、それだけ地神様もその必要が有って行かせたかったのでしょう。
祈祷の当日は、今から行う神事に満足?したのか、私や妻の体には然程きついものは感じません。
この家の御先祖様に対する供養の始終は省きます。
線香の護摩に入り、線香護摩の最終段階で、この方が尋ねられる、守ってくれているとされる存在を此方の巳神様に頼み、出していただきました。
向かって右側に、頭に傷が有り、首には輪がかけられ、相当な恨みと怒りを表した大きな男の巳神様が出て来ました。
向かって左側には、此方の巳神様とその前には頭の無い白い巳神様が出ています。
そして、この二体の巳神様は、この方の父方のお祖父さんの住んでいた土地(現在は人手に渡り、在りません)の神霊だった事はこの巳神様に聞いて解かっています。
さあ・・・、この段階で、この場面の意味が・・・。
やはりそこの事情はこの家の方に聞かないと解かりません。
この方は自分を守っていてくれる存在は、巳神様だと解かっていたと言われます。
そして今、目の前の二体の巳神様は、お祖父さんが殺したと思うと言われます。
同時に、巳神様の首にかかっていた輪が、「カラ〜ン」と音を立てて下に落ちて行きました。
妻、「首が軽くなったわ」、と言います。
線香の火がまだ残って燃えていましたので、
私、「お祖父さん、ちょっと出てか。あんたが殺生したんか?」。
妻、「8を横に寝かした様なものに線香が立って、火がついてるわ」、「線香のボールの中に、お祖父さんが出てるわ。えらい(苦しそうな)顔してるわ」、「男の巳さんが、ものすごい顔をして起こってるわ。口の中が真っ黒」、と言います。
私、「お祖父さん、謝り、な、謝り。謝ったら許してくれる。この巳様は神霊やから、謝ったら許してくれる」、と言い、私からも、二体の神霊に許してやってくれるように頼みました。
と、格好良い事を言いましたが、実際はもう少し荒い言葉でお祖父さんを叱っています。
私、「〜の地神さん、確かにこのお祖父さんは、あんたらに酷い事をしとる、あんたらが憎むのも当然や。でもな、その孫さんがこうして私達を呼んで鳴釜の神事で謝っているんや。このお祖父さんも目の前で辛い状態で後悔してるんやから、どうや、許してやってくれんか。頼むわ。それでな、この〜さんが、お祖父さんが酷い事をしたけど、何時も私を守ってくれているのは良く分かると言っているが、あんたら、この〜さんを守ってやっていたんか?」。
妻、「守ってた」、と言ってるわ。
私、「そうか、お祖父さんには酷い事をされたけど、この孫さんは守ってやっていたんやな。有り難う」。
私は後ろに座る〜さんに、
私、「〜さん、この巳さん、祀る気は有るか?」、と尋ねました。
そうすると〜さんが、「最初から祀るつもりでいました」、と言われます。
私、「あえて〜家の地神様と言わせてもらうけど、今、この人が言った事を聞いとったやろ。この人、お祖父さんがした事に責任を取りたいと言ってるわけや。私がちゃんと祀り方、接し方など教えるから、どや、許してやってくれへんか?」。
妻、「うんと言ったよ」。
私、「そうか、有り難う御座います。ちゃんと教えるから、この人、守ってやってな」。
妻、「お祖父さん、見えへんわ」。
私、「そしたら、今から鳴釜に入るから、あんたらは釜の後ろ、真ん中に来てな。有り難う」。
妻、「巳さん、釜の左右に居るわ」、「片方の巳さん、頭は無いよ」。
・・・・・・・、後悔です・・・・、夜中に感情的になり、私が頭を斬り落としてしまった巳神様です。
この二体の巳神様は夫婦です。
その奥さんの巳神様の頭を私が斬った訳です。
男の巳神様の頭に傷があるのは、この方のお祖父さんが付けた傷です。
首にもお祖父さんが巻いたものが有りました。
妻、「片方の巳さん、まだ頭が無いよ」。
私、「まあ、見とって」。
この家の巳神様には、お祖父さんが貴方達にした事をこの神事で許して欲しい事、その後、この孫さんに当る方が貴方達を祀る事、そしてこの方を守ってやって欲しいという事を伝えました。
妻、「釜の周りで落ち着いているわ」、と言います。
私、「首はまだやな?」。
妻、「まだ無い」。
神事の前の、この神霊に対する表白は、この展開を私の方の心霊に確認して大変意義の有るものを考えていました。
この二体の巳神様に対し、表白を読み上げていますと、
妻、「やはり、釜の周りに居て、体は近づけないわ」、と言います。
コンロに火を入れ、湯が沸騰して来ます。
米を入れます。
当然の様に釜は大きな音を上げて鳴り始めました。
私、「男の巳さん、白くなったやろ?」、「男の巳さん、頭の傷は消えたやろ?」。
妻、「男の巳さん、白くなって、頭の傷も無くなったわ」、「地神さん(私の方の)が下に行って、何か探してるわ」、「地神さん(私の方の)が巳さんの顔(首)をくわえて、首のない巳さんの所に持って行ったわ」、「女の巳さんの顔がついたわ」、「二人で仲良く向かい合ってるわ」、と言います。
(二体の巳神様が、人間で言う、キスをする様な形は、巳神様の細部の解かる方ならお解りと思います)
再度、この家の地神様には、一生懸命にお祀りするので、この方を守ってやって欲しいという旨を伝えました。
妻、「二人そろってこっちを向いてるわ」、「会釈したわ」。
この家の地神様(巳神様)は、その当時生き神様であったと観ます。そして男の巳神様は、この方のお祖父さんに頭を傷つけられ、首に何かを巻きつけられて死んだと観ます。女の巳神様もその後死んだと思います。
巳神様は夫婦和合の象徴です。
稀に一体の巳神様も居られますが、先ず夫婦で居られます。
仲の良い夫婦の家には、其処には仲の良い夫婦の神霊様(巳神様)が居られる事が度々有ります。
巳神様は優しい神霊です。
この方の場合も、お祖父さんに殺生されて不都合な状態であっても、この孫に当る方を守っていたと言われます。
何時か、誰かが気がついてくれるのを待っていたと観ますし、それがこの方だったのかも知れません。
そして最後に此方(私の方の)の巳神様が、この夫婦は前から知っていたとも取れる表情をしました。
それで、「行ってやってくれ」という様な事を言われたのか・・・・・・・。
邪から来る様な程度の低く体に作用するものではありませんでしたが、中々のものでした。
しかし終わってみれば、まあ、気持ちの良い、充実したものでした。
やはり、神霊に喜んで頂くというのは、この領域の仕事をする者に取っては、有り難い機会を与えて頂いたと感謝です。
後日、直に、この方からは、巳神様の御姿が中央に座した写真をを送って来てくださいました。
完璧にお祀りされています。
良い守り神になります。
家に小さな神社が一つ出来たと思えば良いわけです。
神霊との縁の付き方はいろんなケースがありますが、一般の方ではこの様なケースが多いですし、これが一番自然で、正邪の区別がはっきりと解かる、安心して手を合わせられる信心の形と思います。
其処には、言うまでも無く、正確な審神者(さにわ)と神主(かんぬし)の存在が介在しての話です。