稲荷勧請・・・・3
 妻、「「ふしみ」と平かなが出て来た」。

 私、「あれ、おかしいやないか」、「姿は見えんか?」。

 妻、「見えない」。

 私、「白狐様には伝えておいたはずやで」。

 私、「地神さん、昨日、〜さんの所に勧請された稲荷さん、此処にお呼びください」。

 私、「〜さんの所に来た稲荷さん、姿を見せてみ」。

 この問答が3分位続きました。

 稲荷様に関しては、事前に白狐様(命婦専女神様)にお伝えしている事も有りますが、先ず、直に御姿が出て来ます。(勿論、伏見稲荷の神霊様に関してですが)

 今回、京都伏見稲荷大社で稲荷勧請を受けた方(女性)は、勿論今までの人生は否定しないが、これから先の人生、子供さんと二人、自分の力だけで生きて行くと決心された方です。

 勿論、女手一つで子供を育てながら自力で生きて行くのは並大抵の苦労ではない事は良くお分かりで、やはり自分の中に一つ、守り神が必要な様に思うと言われます。

 此方の巳神様に、この方の人生、強い味方の神霊は何かと聞くと、「稲荷」と言います。

 この方の御先祖様も伏見稲荷様をお祀りしていた時期も有り、全く無縁ではなく、御先祖様の経緯から観て、稲荷神をお祀りする様になっていたものと観ます。

 その場の乗りで稲荷様をお祀りする事を決められる方も有りますが、この方は私の所に来るまでにもう決心されて来られたと思います。

 最後の一押しを、私達がしたという事です。

 私達が関係して伏見稲荷大社で稲荷勧請を受ける方は、事前に私の方(巳神様から)から白狐社の命婦専女神様の方に、「いついつこういう者が、こういう意思を持って稲荷勧請を受けに行きますので、この者の意思の達成を手助けしていただける御神霊様(稲荷神)と縁をつけて欲しい」、と伝えています。

 当日伏見稲荷大社に着くと、勧請を受ける前に、本殿にお参りし、次に白狐社の方へ挨拶に行き、住所、氏名を告げ、勧請の主旨を伝え、その後勧請を受ける様にお伝えしています。

 
 私、「〜さんの所に来た稲荷さん、姿、見せてみ」。

 妻、「向こう〜の方に、ぽっんと白っぽいものが見えて来たとも思える」。

 私、「稲荷さん、早よおいで」、「心配せんでも良いから」、「早よ、早よ」、「地神さん、早よ来いと、言うてあげて」。

 妻、「大分近くまで来てるけど、其処から此方に来ない・・・」、「この稲荷さん、口で周りのものを噛んでるわ」、「だから動かないんやわ」。

 私、「あんた、そんなもん噛んどかんと、早よおいで」、「それと、伏見の白狐社の白狐様に、高橋克明、幸子の事を聞いてみ、伏見の方を向いて、聞いてみ」。

 私、「伏見の方を向いてるか?」。

 妻、「何かおかしいわ、この稲荷さん」、「伏見の方を向いたら、顔を下にして、見れないみたい」、「手を前に出して、顔が下を向いてしまうわ」、「白ではないわ、少し茶が混ざってる」、「知ってる」、と言ってるわ。

 私、「おいで、おいで」。

 妻、「目の前に来てるよ」。

 私、「あんた、何噛んどったんや」。

 妻、「何か、側のものを噛んでいて、それで動かなかったみたい」。

 私、「あんた・・・」

 妻、「この稲荷さん、棒(枝)の先に、緑の葉っぱみたいなものがついたものを持ってるわ」。

 私、「あんた・・・」。




 妻、「この稲荷さん、帽子をかぶってるわ」、「丸いつばが有って、帽子の上がちょっと引っ込んで」、「アイボリー・・・・ベージュの帽子」。

 私、「んなアホな」、「あんた、男の稲荷さんか?」。

 妻、「何にも言わないわ」。

 私、「あんた、白狐様に、私らの事を聞いたか?」。

 妻、「白狐さんの名前を言うと、下を向いてしまうわ」、「何か、ちょっと外された稲荷さんの様な気がする」、と言います。

 私、「あんた、何かしたんか?」。

 私、「聞くが、あんた、〜さんの所に来た稲荷さんやな?」。

 妻、「頭を下げたわ」。

 私、「あんた、〜さんのこれからの人生、守ってやってよ、力になってやってよ」、「一人で生きていかなあかんからな、頼むで」。

 妻、「何でもする」、「助ける」、と言ってるわ。

 私、「頼むで、助けてやってよ」、「それと、又、こっちにも遊びに来たら良いから、な、又おいでよ」。

 妻、「何でもする」、と言ってる。

 私、「それと、〜さんの家で、あんたを祀る場所は、今の場所で良いんか?」、「今の場所が駄目なら、他の場所に祀るから、遠慮せんと言うてみ」。

 妻、「分からないみたい」。

 私、「あんた、分からんのか」、「そしたら、今の場所で祀って良いな?」。

 妻、「良いと言ってる」。

 妻、「稲荷さんの下の方に、何か出て来た」。

 私、「しわくちゃの口やな」(このものの説明は省きます)、「良いものではないわな」。

 私、「稲荷さん、あんた、手に持ってるそれで、祓い消してみ、出来るやろ」。

 妻、「簡単に消してしまったわ」。

 私、「よっしゃ、本来力が有るからな、稲荷さん」、「その調子で、〜さん、守ってやってよ、頼むで」。

 妻、「守る、と言ってるわ」。

 今回〜さんに勧請された稲荷神、〜さんの今までの人生と相通ずる部分が無いとは言えない、何か理由を持つ稲荷神と観る。

 命婦専女神様が、〜さんに取ってこの稲荷で良しと縁をつけてくださった神霊です。

 「何でもする」、と約束した稲荷様です。

 この方のこの先の人生、力になると観ます。












 

 
鳴釜神事の実際と考察