ある稲荷神の不義・・・その後の発展
 前回の祈祷から半年近く経ちました。

 その後、この家の方とは何かと連絡を取り合っています。、

 確かに前回の祈祷が終わった時点で、この稲荷様はこの家の住人を守ってやると約束しました。

 そして私の方も、この稲荷様のその後の様子が気になりますので、何回か此方の巳神様に頼み、私の家から稲荷様の様子を見させて頂いていました。

 此方の巳神様に頼み稲荷様をお呼びすると、嫌々ながら御姿は出ます。

 御姿は出るのですが、御社の中で寝そべって此方を向いています。

 座って出てくる時もあるのですが、どうも元気が無いというか、嫌がっているのが分かります。

 「放っておいてくれ」という感じです。

 ある時、用が有って稲荷様をお呼びすると、稲荷様の御姿ではなく、稲荷様の手が一つ、手の平を此方に向けて出て来ました。

 「呼ぶな」という意味です。

 この家の方には言わなかったのですが、私の中では気になりましたので、此方の巳神様に聞いてみましたが、何も教えてくれませんでした。

 日々、この家の方が一生懸命にお祀りされているのは分かりますし、稲荷様に聞いても、「良く祀ってくれる」、という答えを頂いているのですが、今一つ、何故稲荷様がしゃんとしないのか。

 稲荷様の容姿、毛色、態度など、祈祷の前と比べると、格段に変わって、良い方に、前向きに進んでいるのは分かるのですが・・・・・。
 
 つい先日、この家の方が、稲荷社の前に鳥居を作りたいので、その是非を稲荷様に聞いて欲しいと連絡が入りました。

 早速稲荷様をお呼びし、その是非を聞きますと、「建てて良し」というお答えを頂きました。

 今日の稲荷様は何時もと違い、堂々として、恰幅も立派に見え、色も真っ白です。

 そうこうする内に、

 妻、「この稲荷さん、両手で、白い紙の様に見えるものを、前に突き出してるわ」、と言います。

 私、「〜家の稲荷様、その紙の様に見えるものに、何が言いたいのか書いてください」、と言いました。

 妻、「黒い色で、何か書いてあるけど、分からへん、漢字やけど、何が書いてあるか、分からへん」、と言います。



 私、「〜家の稲荷様、あんた、名前が欲しいんやろ」、「あんたの本当の名前が欲しいんやろ」、と尋ねました。

 妻、「うん、と言ったわ」。

 私、「そうやな、本来立派な名前が付いてた稲荷さんやからな、やっぱり皆に名前を知ってもらって、名前で呼んでほしいわな」。

 私、「〜家の稲荷様、その事は任せてください。〜さんに伝えますので、安心してください」、と伝えました。

 今日の稲荷様は、祈祷以後、最高の容姿、態度です。

 本来、この様な稲荷様だったのでしょう。

 この事をこの家の方に話したところ、少しして連絡が有り、古い写真に、この稲荷様の名前が写っている写真が一枚だけ見つかりましたと言われます。

 「○○稲荷大明神様」と呼ばれ、戦前は近所の方もお参りに来られていたらしいと言われます。

 そしてこの稲荷様が、本来何故守らないといけないこの家の住人に背を向けたかも分かりました。

 ある一時期、この家の御先祖が、ある理由で、この稲荷様の御社を、誰も見えない様な屋敷の片隅に追いやって、粗末に扱っていたという事が分かりました。

 稲荷様に取っては腹立たしい、悔しい事です。

 今まで守ってやっていると自負が有るのに、この様な行為は許し難かったのでしょう。

 しかし稲荷様は、この家の住人を守るというお役で、伏見大社から此処に送られたはずです。

 そのお役を破り、一時期にしても、この家の住人を守らなかった事に、この稲荷様は自身の罪を感じ、鳴釜の祈祷をする前に手を合わせて出る形を見せたのでしょう。

 やはり、歯車の最初の狂いは、祀る方の人間の問題でした。

 正統な神様は裏切りません。

 11月15日の朝、早速此方の巳神様に頼み、〜家の稲荷様を呼んでもらいました。

 白い大きな稲荷様が、〜家の稲荷社の前に姿を見せました。

 私、「〜家の稲荷様、貴方のお名前は「○○稲荷大明神様」で宜しいですか」、と聞きました。

 妻、「きりっと座りなおして、此方を向いて礼をした」、と言います。

 私、「○○稲荷大明神様、〜家の者が、心から詫びている、〜家を許してやってくれるか」、と聞きました。

 妻、「礼をしたわ」

 稲荷様の名前を、どの様な形で安置すれば良いのかと聞きますと、此方の巳神様が、「奉書紙に書いて、御社の何処でも良いので、置いておけ」、と言われます。

 この家の稲荷様にしても、大々的に○○稲荷大明神と書いて御社に置いてもらうと、やはり嬉しい事でしょう。

 早速その旨を伝えました。

 直にその様にして、御社に置いたと連絡がありました。

 そしてこの家の方が、N県の親戚が、造り酒屋をしているが、新酒の品評会に出す利酒が出来たら送りますと言われます。

 その瞬間、これは良い機会になると思いました。

 私の頭の中では、利酒を前にし、此方の巳神様ニ柱、伏見稲荷大社、白狐社、白狐様、〜家の○○稲荷大明神様、計四柱の神様がお酒を召し上がる場面が浮かびました。

 早速白狐様には、その旨を伝え、お呼びさせて頂きますので、是非お越しください。忙しい時は、伏見の方からお飲みくださいとお願いしておきました。

 そして、11月17日、新酒が届きました。

 11月19日、朝、7時30分、先ず此方の巳神様の御社の前に新酒を入れたコップを四つ置きました。



 先ず此方の巳神様ニ柱の御姿が出て来ました。

 此方の巳神様に、今から、伏見の白狐様、○○稲荷大明神様を御呼びくださいと告げ、「稲荷五社大神祓」を上げ、白狐様を御呼びしました。

 直に白狐様の御姿が右上に見えて来ました。

 久しぶりに見る御姿です。(この頃は、御呼びしても中々御姿を見せずに、使いの稲荷様を送られる事が多いです)

 やはり大きく威厳があります。(京都の伏見稲荷大社で見る時は、そんなに大きくは見えませんが

 次に、「稲荷大神秘文」を上げ、○○稲荷大明神様を御呼びしました。

 御呼びしましたが、少し時間がかかっている様です。

 妻、「白狐さんが、早くこっちへ来い」、と言ったみたいと言います。

 直に○○稲荷大明神様の御姿が出て来ました。



 堂々としていて、今までの御姿とは違います。

 この御姿が、本来の御姿なのでしょう。

 私、「地神様、白狐様、○○稲荷大明神様、有難う御座います。白狐様も、朝のお忙しい時に来て頂きまして有難う御座います」、「白狐様、○○稲荷大明神様を祀る〜家の息子さんが、一生懸命に○○稲荷大明神様に詫びを入れ、○○稲荷大明神様の再興に努力しています。白狐様はもうとっくに御存知と思いますが、白狐様の方からも○○稲荷大明神様の方に、この息子さん、この一家が良い方向に歩んで行く様に言ってください」。

 私、「○○稲荷大明神様、此処の息子さんが一生懸命にお祀りしていますが、この家が抱えている問題・・・(内容は書きませんが・・斜め下に手刀を切りました)、宜しくお願いします」。

 妻、「分かった」、と言ったよ。

 私、「○○稲荷大明神様、有難う御座います、頼みましたよ」。

 此方の巳神様の御社の前には、図で示す様な位置に神様が座られています。

 ○○稲荷稲荷大明神様には、沢山の事を頼みましたが、全て「良し」、と頭を下げられました。

 朝仕事に行く前の20分程の時間でしたが、清清しい気持ちになりました。

 これで〜家の○○稲荷大明神様も、この家を本格的に守護してくださいます。

 強い味方です。

 白狐様には良く礼を言い、「稲荷五社大神祓」を上げ、御帰り願いました。

 ○○稲荷大明神様には、「稲荷大神秘文」、を上げ、御帰り願いました。

 妻、「後ろに〜家の稲荷社が見えて来て、くるっとその中に入って行った」、と言います。

 時間がかかりましたが、これで良し、良い方向に行きます。










 
鳴釜神事の実際と考察