鳴釜神事の実際と考察   9

鳴釜神事の実際と考察
    今回は墓碑撥遣、建立に際し、やっと、御先祖様が納得してくださった例です。


 今回の依頼者の方は、私の本職の方のお客様です。30年近くお付き合いをさせていただいておりますが、今まで何ら、私の領域のものは感じませんでした。しかし先日、来店の一時間程前から、しきりに、私の胸を叩くものが有ります。私の領域のものです。少しして、その方が来店されました。普通、その方とは、私の領域の話をする事は、余り無いのですが、今回は、その方の方から、実家のお墓の話をし始めました。途端に、私の胸を強く叩くものが有ります。よく経験する事(現象)ですが、今回は少し気分が悪くなる程のきつさです。この方の、亡き、お父さんです。


 この方の実家は、その昔は、その地域の城主でした。家来、使用人も多くいたそうです。寺院を自分で建立したような方で、今でもその地域では有名です。


 お墓の数は、四十数基、有るそうです。それ以上有ると思うが、分からない、と言います。名字は、実家の名字が彫ってあるが、その当時の、家来や使用人のも、混ざっているらしい、と言います。余り数が多くて、お墓の掃除が大変で、人に頼んでやってもらっている現状です。この方の兄弟は、女ばかりで、この家を継ぐ者がいない為、このままで代が変われば、今以上に、お墓の位置が分からなくなってしまうと言います。


 何年も前から、お墓を一箇所に集めたい旨を、お寺さんに言っているが、大きな工事になるのと、お寺さんにとっても、昔の城主の墓をさわるのは、余り乗り気ではないらしいのですが、やっと話がその方向に進み始めました。


 今、この家の墓碑は、お父さんが亡くなられた後に立てた墓碑が一基。その横に、比較的新しい墓碑が三基、有ると、言います


 お寺さんの案としては、今有る、四基の墓の横に、もう一つ、四十数基分の墓碑を立てたらどうでしょうか、という案ですこの家の方は、この領域の事は全く分からないので、お寺さんの言う様に、事を進めようとしていたのです。


 この方と、以上の様な話をしていると、この方の、亡き、お父さんが、私の胸を叩きます。、私は何故、胸を叩くのか、その理由を聞いてみました。そうすると、この方のお父さんは、墓はさわるな、今のままで良い、と言います。そして、一つの墓にまとめるな、その中に入れてはいけないものも有る、と言います。私は、この事をその方に話しましたが、やっとお寺さんが了承し、計画はその通りに進んでいる、と言います。


 私は(私の案として)、どちらにしても、工事は大工事になるのだから、今有る四基と四十数基の墓を、○○家の墓碑として一基、そしてその横に、少し小さい墓で、南無阿弥陀仏(浄土宗)と刻み、家来、使用人が入る墓碑を立てたらどうでしょうか、と言いました。


 しかし、その方は、四十数基の墓の、どの墓が家来、使用人のものかも、分からないと、言われます。

 もうこうなって来ると、言葉では言い表せませんが、私の領域です。


 後日、祈祷の依頼が来ましたので、その方の実家に行きました。当日、私や私の妻の体には、何もきついものは感じませんが、そわそわして、全く落ち着きが有りません。


 昔、城主や地主だった様な家は、仏壇の前に座ると、いろんなものが、いろんな形で、私の体に訴えてくるものですが、この家の、亡き、お父さんが信仰深かった方で、その様なものは入って来ません。一体だけ、恨みの念の様なものが、私の体に入って来ましたが、後は何も有りません。


 しかし、兎に角、私達は落ち着きません。


 線香護摩を持って、御先祖に、ここのお寺さんの、墓碑撥遣、建立の案を了承してくれる様に頼むのですが、全く何の反応も有りません。何も、訴えて来ません。反対する様な反応も来ませんが、私達は、そわそわして、落ち着かないし、疲れて来ました。



 私は、私の案を、ここの御先祖様に言いました。今有る四基の墓、四十数基の墓を一基にして、○○家の墓とし、血が異なる者には、その横に「南無阿弥陀仏」として祀らせていただく旨を告げました。そして、今から、鳴釜の神事でもって此方の気持ちを伝えたい、そして、もし私の案が間違っていたら、釜は鳴らさないでくれ、という旨を、私の中に入っている巳神に伝えました。


 すると直ぐに、私の左に座っていた家内が、お坊さんが出て来た、と言います。そしてその前方、少し上に、丸い形が出て来た、と言います。



 途端に、私や妻は、落ち着きました。



 釜は大きな音で鳴りました。



 私の案で行け、という事です。


 この家の家系図が手元に有りましたので、直ぐに調べましたら、やはり、一人、お坊さんになられた方がいました。



 後日、私の案に沿って、墓碑が立てられると思いますが、大工事になりそうです。