鳴釜神事の威力と幣の意味
美容室を経営して32年になりますが、最初から付き合いのあるお客さんの実家の事です。
50代の甥は会社員で、2年程前から体調を崩し、仕事も休みがちになり、最近では変な事を口走る様になったと言われます。
職場でも変な事を言うのか、友達も減ったと言われます。
甥夫婦は実家の横に家を建てて住んでいます。
尚この方の実家は商売をしています。
そして昔から伏見稲荷様をお祀りしていますと言われます。
50代の甥の病気の障りです。
先ず、上に上る階段の様なものが見えて来ました。
その下の部分に、同じ様に下に下って、又上に上る階段が出て来ました。
小さい巳神が階段を登って行きます。
中央に薄黒い靄の様なものがたなびいています。
もう少し詳しく教えてくれと言うと、小さい巳神が、実際手は無いのですが、手が有るかの様に木槌を持って、それでコンコンと何かを叩き続けます。
再度、この人の病気の障りを教えてくれと言うと、お日様の様なものが出て来ました。
此方の地神様は、このお日様の様なものに向かって、口から白っぽい霧の様なものを出しています。
お日様の様なものの中に、真っ黒な三日月の様なものが見えます。
Yの様な形も見えます。
真っ黒い三日月の様なものは、私の問いに対し、両端を引きつり上げました。
実家に祀られているという伏見稲荷様を呼んでみましたが、姿が出てきません。
この男性の叔母さんは、「おかしな家を建てとんねん、玄関を入ると直に階段があって、その階段の下に2年程前に風呂を作って、玄関の上にトイレがあるんや」、と言われます。
一週間程後、再度電話で尋ねて来られ、甥が仕事で車に乗っているので心配すると言われます。
そして甥のお嫁さんに聞くと、甥が、「こんな家、金槌で殴って壊したる」、と言っていると言われます。
その途端、此方の地神様がこの様なものを見せてくれました。
黒く丸いものが、半分地面の様なものの中に入っています。
その後、黒い線で(図真ん中)、この様なものが出て来ました。
その下に、壁の様なものに、丁度口の中の皮膚の様な色で、沢山の丸いものが各々不規則に出たり入ったりを繰り返しています。
これを見て、この祈祷は私達にしか出来ないが、少しきついものになりそうだなと思いました。
大分質が悪く、手こずるであろう事が分かります。
此方の巳神様に、「この家には行かないと駄目ですか」、と聞きましたが、何も返事は有りません。
内心、余り気乗りはしませんでした。
此処に行って釜を焚けばどうなりますかと聞くと、白く光る、霧の様な、煙の様なものが上から降りて来ました。(この霧の様なものは、どうしても書けないと妻は言いましたが、書いてもらいました)
この霧状のものを見せていただきましたので、祈祷の依頼を受ける事にしました。
古くからの店のお客様ですので、又この方も高齢ですし、この領域の説明を、何処まで深く説明するか悩みましたが、なかなか大変ですよ、根が深いものですよと説明はしておきました。
この時点では、この方には根本的な障りの出所は言っておりません。
言っても分からないと思ったからです。
この祈祷の依頼を受けてから祈祷の前日の晩まで、妻の体には私達を阻止する力が妻の体を閉め続け、痛みも相当なきつさで入って来ます。
この領域の他の方は知りませんが、この症状は確かに体にこたえます。体にこたえますが、根本的なダメージは、此方の巳神様のお引き受けが有りますので、何ら心配は要りません。
私の首の左側にも違和感が出ています。
此方としては、「おう、来るなら来たらんかい、わしらが行くまで、楽しみに待っとけよ、首をあろて(洗って)待っとけよ」の心境です。
御祝いの祈祷以外は毎回の事ですし、祈祷が終了すれば、殆んどがその時点で無くなりますので、もう慣れてしまいました。
そしてこの様に、祈祷の少し前から抵抗するような族は、案外祈祷の当日になると引きます。
引きますが、祈祷の当日、この様な族と面すると、途端に攻撃をしかけて来ます。
殆んどの祈祷の段取りは、祈祷の前日までに決めてその場に臨みますが、今回の場合はその場で決めようと思っていました。
祈祷の当日、この家に着きますと、沢山の方が集まって居られます。
先ずこの家の仏壇の前に座ると、私の左の首の中間位の位置に、重いものがぶら下がりました。
家の方に、御先祖の中で、誰か首吊り自殺をした方は居なかったですかと聞きましたが、誰も居ないと言われます。
すると後ろの座っておられた方が、左の首の腫瘍を取る手術をしたところだと言われます。
首吊りの方が居られたと観たのですが、私の間違いでした。
先ず、此方の地神様を出します。
妻、「地神さんの腹が赤いわ」、と言います。
実家の仏壇の前でお経を上げていますと、私の胸を叩くものがあります。
私、「今来てあったけど、ちょっとみてか」。
妻、「此処の仏さん、変わってるわ」、「真ん中に少し大きな仏さんが出て、左右に小さい仏さんが分かれて見えるわ」、「沢山出て来たわ」、と言います。
私、「〜家の御先祖様、主な仏様、前に出てください」。
妻、「真ん中の、大きな仏さんが前に出てあったよ」。
後ろに座る方々に聞こえると難のある質問ですので、声を出さずに聞いてみました。
私、「〜家の御先祖様、どうや、ちゃんとお祀りされてますか」、と聞きました。
妻、「何にも言わないけど、そうではないらしいわ」、と言います。
この家の仏壇の前に座ってから、やたらと喉が渇き、お経が上げにくい状況です。
家の方に頼み、どんぶり鉢に水を一杯入れて持って来ていただきました。
私、「今目の前に御出での御先祖様に言います」、「皆さんの中で、左の首の障りをお持ちの仏様が居るのなら、どうか前に出てください」。
妻、「出てないよ」。
私、「地神様、御先祖の中で左の首に障りを持っている仏様の所に行って、その仏さんに、前に出る様に言ってください」、と言いました。
妻、「行ったわ」、「地神さんの首が、直角になってるわ」、「仏さんの所に行って、ちょんちょんとつついでるわ」、「前に出ないよ」、と言います。
妻、「黒いものが出てるわ」。
私、「蛇か?」。
妻、「胴体から下が蛇みたいな・・・?」、「頭は昆虫みたいな・・・?」、「何か、角か髭みたいなものが生えてるわ」。
私、「ええ根性しとる奴やな」。
妻、「耳が鳴ってきたわ」、「両耳やわ」、と言います。
尚この家の宗旨は浄土真宗西本願寺派です。
後ろに座っていた店のお客様が、「2年程前に兄(此処の主人)が死んでから、余り祀り事はしていない」、と言われます。
実際、此処の御主人が亡くなられた後、仏壇祀りをしないといけない人は、全身病気の巣の様な状態で、歩くのもままならない現状ですので、仕方が無い事です。
確かに仏壇祀りに問題もありますが、それが此処の息子(甥)の病気に影響を与えているかというと、そうではなさそうですので、次の線香の護摩で確かめてみる事にしました。
そしてこの線香の護摩で、私は今までに無い失敗をしでかしました。
結果的には、最終段階の鳴釜神事で事無きを得ましたが、これ程の影響が出るとは思いませんでした。
話が飛びますが、私は祈祷の初めと終りには、密教による護身法を行います。
この領域のお知らせや障礙(しょうげ)は、私と比べると妻の方に行く傾向にあります。
その事で此方の地神様に、妻も護身法をするべきかを聞いてみた事があります。
それに関し此方の地神様は、「必要ない」、と言われました。
私についても、「護身法は必要ない」、と言われます。
・・・・・と言われても、私は続けてやっていますが・・・・・。
普段、この様な決まり事を軽視する事はないのですが、この領域の複雑なものに、どう対処しょうかと考えながらお経を上げたり、印を結んだり、又言葉による方法も考えながら体を動かしている内に、頭から抜けてしまったのでしょう。
それと、この週は三件祈祷をこなしています。
本業も休みは取っていません。(暇ですが)
此処に隙が出たのでしょう。
線香の護摩に入ります。
五大明王をお呼びします。
妻が横から、「名前をど忘れしてしまったけど、あれ、忘れてない」、と聞いて来ます。
私も何かを忘れている様に思うのですが、祈祷の途中で手を止めるわけにもいきませんので、そのまま祈祷を進めて行きました。
線香に火をつけ、この家の御先祖様をお呼びします。
同じ様に、前記した形を取って見えて来ましたが、直に消えてしまいました。
耳鳴りがきつい状態です。
線香をボールの中の塩の上に投げ続けます。
妻、「地神さんが、無い、無いと言って、うろうろ探しまわっている」、と言います。
私、「・・・・・・・?」。
この家の御先祖様に対する供養は完璧ではないのですが、私の頭の中には、この障りの元凶の事が気になってしょうがありません。
実際、線香の護摩の途中に黒いもの(図示)が見えています。
さっき出て来たものが、姿を変えて出ています。
妻の体には、相当強い痛みが入り、心臓と胸の苦しみひどい状態になっています。
線香の護摩による先祖供養はこの段階で止めて、このボールの上で、この家の家族の名前を書いた紙を燃やしてみました。
案の定、甥の名前を書いた紙だけが上に上がりません。
私は線香を次々放り投げながら、「アホの極み、此処に出て来い、ボケ」、と汚く言いました。
この護摩では、普通線香は良く燃えます。
しかし線香を次から次に投げ入れますが、線香から炎は上がらず、瞬く間に家中が煙に包まれます。
この護摩は数え切れない程こなしましたが、この様な事態は初めてです。
不思議な事に、線香の煙が外に出て行きません。
築70年の古い家ですから、何処からでも煙は出て行くと思われますが、全く家中にこもったままです。
その時妻が言います、「地神さんが、無い、無いと言って、うろうろしてるわ」。
妻、「ボールの中に顔が出てるわ」。
こんな事は、今まで経験がありません。
それも、線香護摩の舞台の中に入って来るとは・・・。
確かに、相当質(たち)の悪いものですが・・・。
線香に全く火がつかず、煙だけがもうもうとたちこめ、それが煙の層を作り、丁度雲の中に居る様な感じです。。
私、「地神さん、どんな顔してる」、と聞いてみました。
妻、「普通〜に見てるわ」、と言います。
私、「小さい神さんは?」。
妻、「姿が見えないわ」。
この時点で、この護摩では無理が有ると悟りました。今までこの様なものに対しても、何ら問題なく力を発揮してくれる護摩でしたので、戸惑いを感じましたが、私には切り札がありますので、ちゅうちょ無く鳴釜に入る事にしました。
そしてこの甥の病気の障り、元凶の居る(このケースでは、宿る場所)所は分かっていましたので、その前に立ちました。(この時点では、鳴釜の準備はしていません)
それは伏見稲荷様を祀る、御社の前です。
伏見稲荷様をお祀りする御社の中です。
先ず此方の(私の方の)地神様に、御姿を見せてくれる様に頼みます。
妻、「出て来てあったけど、今日は左下で、遠い所に居るわ」、と言います。
私、「・・・・・・?」。
伏見稲荷大社、白狐社、白狐様をお呼びします。
妻、「右上の遠い所に、白狐様の手・・・?と思うけど・・・、手だけが出て、こっちに来るなという様な動作をしてる」、と言います。
大体この様な展開になるのは分かっていました。
白狐様には3〜4日前から、もし白狐様が来られない場合、代わりのもの(神)を寄こしてくださる様に頼んでいました。
しかし代わりのもの(神)も来られませんでした。
この理由は、此処では書きません。
私、「こら、伏見稲荷のお札についてる奴、出て来たらんかい」、「皆待っとるんやから、顔見せてみ」、「あんた、ええ顔してるんやろ」、「格好ええんやろ、ちょっとだけでええから、顔見せてみ、尻尾も有るんか?」。
妻、「出て来たわ」、「御札みたいなのにひっついてるんか、巻いてるんか」、「これ、蛇と違うわ・・・・、けど、下の方は蛇みたいやけど・・・、真っ黒やわ」、と言います。
内心、良し、です。
妻、「これ、こっちを向いて笑ってるわ」、「下に赤黒いものが出て来たわ」。
私、「それ、口や」。
妻、「ニヤニヤしてるわ、いやらし」、「お前らに何が出来るんやいう感じやわ」。
私、「もうちょっと待っとき、楽しみにしとき」。
そして此方の地神様に、この伏見稲荷様の御社の前で釜を焚く事は決りましたが、甥夫婦が住んでいる家の方でも釜を焚くべきかを聞くと、甥夫婦の家の方でも釜を焚けと言われます。
これで、この程度の悪いものに対する今日の段取りが決りました。
妻、「地神さんが、上の方に上がって来たわ」、と言います。
妻、「地神さんの口から色の付いたものを出してるわ」、と言います。
私、「小さい神さんは?」。
妻、「下の方で出たり、地神さんの後ろに隠れたりしてるわ」、と言います。
早速、この御社の前に釜の準備をします。
釜の準備をしている間も、この分からん程度の悪いものがニヤニヤしてると妻が言います。
ニヤニヤさせといたら良いんです。
伏見稲荷様の御社の前に机を置き、方角を決め、釜を置きます。
神事の準備が終り、後は火をつけるだけですが、この段階でも、このものはニヤニヤしたり、頭の角か髭の様なものを動かしたりしています。
程度が悪い極みなのか、自分の力に自信が有るのか・・・、質(たち)の悪いものが入ったものです。
神事の前には、その祈祷の表白、願文を読み上げますが、この様なものに対する言葉は何も有りません。
何も分からないこの領域の者が、こんなものに対し、「恐み、畏みも白す」、とやれば、お笑いになってしまいます。
こんな族には、「ボケ」、「アホ」が一番良いのです。
釜に火を入れる前に、もう少しこのものとやり取りする必要があります。
もう少しこいつの力を知る必要があります。
私、「ボケのあんた、この家、ええとこ(所)やろ、そやけどもうあかんねん、あんた、もう、消えなあかんねん、悪いけど」。
妻、「顔をこっちに向けて、口を吊り上げて笑ってるわ」、「胸が痛いわ」、と言います。
私、「あんたの親分呼んでみ、此処に呼んでみ」。
妻、「何も来ないわ」、「いやらしいわ、ニタニタしてるわ」、「体が痛い、刺して来るわ」、「後ろの脇腹から、えぐり取られるみたいや」、と言います。
尚、後ろに居られる方の中にも、祈祷が始まってから妻と同じ様な症状が出ている方が居られます。
私、「あんた、ごっつい(すごい)自信やな」、「そんなに強いなら、わしに(私)入ってみ」、「お前みたいな族、落とすのは簡単や」、「お前この剣が見えるやろ、この真っ赤な剣が見えるやろ、今からこの剣でお前の首を斬りおとす、首を出せ」。
妻、「笑ってるよ」。
私、「ほんまのアホやな、こいつ」。
私、「あんた、釜を知らんのか、この釜が鳴ったら何が起こるか、あんた、知らんのか、そうか、そいで(それで)偉そうにしてたんやな」、「この釜が鳴り出したら不動明王が降りてくるで、あんた、この神さんは強いで、あんた、燃やされるで」、「あなたなんか虫けらは、消えて無くなってしまうで」、この後関西弁でまくし上げましたが、書かれません。
妻、「表情がこわばって来たわ」、と言います。
早速釜に火を入れます。
「観音経」を上げます。
湯が沸騰し始めます。
洗い米を入れます。
釜が鳴り出しますが、少し小さい音です。
私、「どや、どうなってる?」。
妻、「変化無い」、「ニヤニヤしてるわ」、と言います。
この音では、この様な族には少し難があります。
私、「地神さんは?」
妻、「じっとしてる」。
もう少し大きく、勢いのある音が必要です。
火を止め、再度やり直しです。
何故音が小さかったのかは、私のこのものと、このものの元、要するに、このものの親分、このものを掌る、(支配する)ものの対処方を、私の頭の中で考えている事と、此方の地神様が考えている事との間に、違いがあった事と観ます。
私の中では、こんなものは全て消してしまえ、という考えでした。
しかしこの祈祷の場には、このものの元が作用している方が同席されています。
妻と同じ症状を訴えている方です。
この元のものの力はもっと強いはずです。
そしてこの元のものは、妻と同じ症状を訴えておられる方の家にお祀りされているものだからです。
今現在、この家に作用しているものと、この家に作用している元を一緒に消す事には無理が有りますし、この場に同席されている方にとっても恐いものがあります。
私は此方の地神様に、言葉に出さずに言いました。
「此処に作用しているものだけを消してください」。
湯が沸騰し始め、米を入れます。
さっきと違い、釜は大きな音で鳴り出しました。
これでもか、という様な強い音ではありませんが、大きな音で鳴っています。
私、「こいつ、どうなってる?」。
妻、「まだニヤニヤしてるわ」、と言います。
中々のものです。
不動金縛り、ある真言を何通りか唱え、印を結びますが、全く意味が有りません。
ある神道系の言葉(此処には書けません)を唱え、印を結びます。
妻、「顔がこわばって、逃げだそうとしてるわ」、と言います。
同じく、神道系の言葉(書けません)を唱えます。
妻、「おたおたして、逃げる所を探してるみたいやわ」、と言います。
妻、「何か出て来たよ」と、手で格好して見せます。
私、「それ、最初から出てるやつや」。
私、「今、地神さん、何してる」。
妻、「じっと見てるわ」。
神道系の言葉で威嚇し続けます。
妻、「動きが激しいわ」、「逃げようとして、バタバタしてるわ」。
妻、「黒いのが逃げようとして窪み中に入るけど、底が浅くて入りきれないみたいや」、「必死になってるわ」。
妻、「横になってたのが縦になったわ」、「其処に逃げ込もうとしてるわ」。
妻、「釜の音が黒いのを追い詰めてるみたいやわ」、「バタバタしてるわ」、と言います。
妻、「何かが黒いものを窪みの中に閉じ込めようとしてるわ」。
私、「今、地神さんは何処に居るんや」。
妻、「見えない」。
妻、「ふたをしてしまったみたいや」、と言います。
妻、「今地神さん、見えて来たわ」、と言います。
釜は鳴り続けていますが、段々と音が小さくなって行きます。
私、「地神様、これは、このものを閉じ込めたという事ですか」、と聞きました。
妻、「閉じ込めた」、と言ってるわ。
妻、「体が楽になったわ」、と言います。
この場に同席して、妻と同じ症状になった方も、もう何も痛みは無くなったと言われます。
そんなに複雑なものは展開されなかったのですが、程度の悪いものでした。
一般の方は、伏見稲荷の神様の御札に宿るという事に疑問を感じられると思いますが、御札について来る神様の力も様々です。
こういう類のものには、負ける事も多々あります。
伏見稲荷様の御札に宿っていたものを封じましたので、この御札に付いて来た稲荷様を呼んでみました。
私、「稲荷さん、楽になったやろ、姿を見せてみ」、と言い、「稲荷祝詞」を上げました。
妻、「出て来てあったけど、薄らして、はっきりしないわ」、「ぼ〜として、弱そうやわ」、「苦しそうやわ」、と言います。
私、「御免な、長い間苦しい目に会わしたな、御免な、許してあげてな、何にも知らんとした事や、許してやってな」、と伝えましたが、この稲荷さんは下を向いたり、横を向いたりして、決して前を見ません。
私、「僕の顔を見てみ」。
妻、「見ないわ」。
私、「怒ってるんやろ」。
この時点で、もう白狐様を御呼びすれば御姿を現してくれるだろうと思い、御呼びしましたが、全く反応がありません。
この家の方に、この先この稲荷様を祀り続ける事が出来ますかと尋ねましたが、自信が無いと言われます。
私は稲荷さんに、「この先も此処で祀ってほしいか」、と何回も聞きましたが、横を向いたまま返事もしません。
私、「地神様、この稲荷さん、これから先も此処で祀り続けるべきですか」、と聞きました。(何度も聞きました)
妻、「×(ばつ)みたいなのが出てるわ」、と言います。
私、「地神さん、この稲荷さん、伏見に帰した方が宜しいか」、と聞きました。(何回も聞きました)
妻、「×(ばつ)の上に丸が出たわ」、と言います。
そうこうする内に、稲荷さんが苦しそうになり、口から楕円形の様なものを吐き出しました。
妻、「目が付いてるよ」、と言います。
妻、「稲荷さん、白くなって来たわ」、「ちょっと元気になったみたい」、「でも横向いて、こっちを見ないわ」、と言います。
私、「よっぽど辛かったんやろな」。
この家の方も、長年お祀りした稲荷様をお返しするのは複雑な心境でしょうが、はっきり申し上げて、稲荷様の祀り方にも難が見て取れましたので、伏見にお返しするのが良いと思います。
次に、甥夫婦の家での祈祷に入ります。
玄関のドアを開けると、右手に二階に続く階段があり、左にはお風呂が在ります。
玄関の上、二階にはトイレが在ります。
尚一階は、玄関、風呂の他は、納屋になっています。
純粋な住居は二階だけです。
家相の専門家に言わせれば最悪でしょうが、この家自体が築20年位ですし、玄関の真上にトイレが在っても水洗ですし、最近風呂だけを、玄関を入って左側に作ったと言われますので、そんなに気にしなくても良いと思います。
二階に上がり、鳴釜の準備を始めましたが、私達の体に入って来るものは有りません。
釜の準備が終り、表白、願文を述べます。
私、「地神様、本家での祈祷で、祓うべきものは祓いました。まだ残っている障り、有るのなら出してください」。
妻、「やっぱり鳴って来るわ」、「う・・・・、」、「こんなんも出てる」、「只の線やけど」、と言って、説明します。
図、向かって右下は、この家の御先祖の障りです。
耳が鳴って来るのもこの方からなのですが、気にしなくても良いです。
図、上は、本家の稲荷様の御札に宿っていたもの、今は閉じ込めてしまったものの、どう説明していいのか分かりませんが、主が居なくなった抜け殻みたいなものです。
こんなものは、釜が鳴り出すと瞬時に消えて無くなります。
コンロに火をつけ、湯が沸騰して来ます。
「観音経」を上げているのですが、小さい巳神さんが嬉しくてちょろちょろしていますので、私が落ち着きません。
私、「小さい神さん、あんた、此処へおいで」、と言って、私の膝を叩きました。
妻、「膝の上で嬉しそうに、釜を見てるわ」、「今度は肩の上に上がって、釜を見てるわ」、と言います。
米を入れます。
当然、釜は大きな音で鳴り出します。
私、「見えてるのは、皆消えたやろ?」。
妻、「もう何も無い」、「耳鳴りも治った」、と言います。
次に釜を持って部屋を回り、そして参列者の周りも回ります。
一人の方で、体の左側に釜を移動させた時に、釜の音が止まりましたが、こんなものは気にする必要はありません。
これで一応の祈祷は終わりましたが、出来るだけ早く伏見稲荷様を伏見にお返しする事です。
それとこの家は、以前は仏壇にお経が上がっていた(お経を上げていた)はずです。
もう少しお経を上げさせてもらったら、尚良いと思います。
線香の護摩で、私が今までにした事の無い失敗というのは、線香の護摩の舞台の横に置く、「五大明王の幣」を立てるのを、すっかり忘れていました。
それを此方の地神様が、「無い、無い」、と言って、探し周っていたのです。
今回の事で、幣の意義が良く分かりました。
肝に命じました。
この、「五大明王の幣」を立てていたら、この族は線香の護摩のボールの中には入れなかったはずです。
そしてこの家の伏見稲荷様の御札に宿り、伏見稲荷様を苦しめ、この家の息子にも悪影響を与えていたものの出所は何処かというのは避けますが、これはある霊能者(拝み屋)についている(霊能者を牛耳っている)ものです。
悲しいかな、霊能者自身は分かりません。
悪気は無いのでしょうが、霊能者も騙されています。
この様なものの、息がかかったものを祀っていれば、病気や・・・・・・・・・・・・・・。
神様をお祀りしたら、そんなに波風は立たないのが普通です。
祀る方(人間)の考え方が間違っていたら、違う方向に展開する危険性はありますが・・・・。
難しいものです。
尚、祈祷が終わっての帰りの途中、妻は、「釜の音の力で、黒いものを追い込めて、何かでふたをしたけど、あれ、釜のふたやと思う」、と言います。
私、「ふ〜ん、今日は今までと違うものを見せてくれたな、勉強になった」。
線香の護摩に関しては、今まで数え切れない程この護摩をしてきました。
御殿の様な家、広い高級マンション、三畳一間のアパート、犬のおしっこの海の中、つぶれかけの納屋の土の土間に直に座ったりと・・・・。
この護摩は線香を沢山焚きますので、ある程度は煙に蒸されます。
ある程度は線香の煙の匂いが身につきます。
しかし今回程、体や衣服、持ち物に煙の匂いが染み付き、帰ってから直に洗濯したのは初めてです。
線香の護摩の舞台にまで上がって来た族の程度を示したものとも取れます。