宗教遍歴の果に、疲れてしまった婦人の例です
 京都での釜焚きからの帰り道、丁度桂川サービスエリアで缶コーヒーでも飲もうと思っていますと電話がかかって来ました。

 祈祷料はいくらですかと聞かれます。

 此方が電話に出ると、直こういう事を聞かれる方は多いです。

 何故直に祈祷に結びつけるのか知りませんが、多分、相談イコール祈祷の図式が頭に入っているのでしょう。

 どの様な内容ですかとお聞きしますと、体がだるくて痛いんです。

 胃の調子も悪いんですと言われます。

 もう辞めたいんですが、辞めようと思うと、体が痛くなって、動作が変になるんですと言われます。

 もう気持ちの上では切れているのですが、本やバッチを捨てようとすると、調子が悪くなるんです。

 本は荒塩をかけてしまってあるんです、と言われます。

 御祓いをしたら治りますかと聞かれます。

 私、「家の宗旨以外に、何を祀ってるんですか」、と聞いてみました。

 今は・・・、もう止めたんですが・・・・、〜会、〜会、〜会、〜会、それと、結婚する前に、実家も、〜教、〜会、それと・・・・・、今の家の庭に地神さんが祀ってあったのですが、?年位前に拝み屋さんが来て、こんなもの祀っていたら家族中が病気になると言うのでほかして(捨てる)しまって・・・・。

 私、「ほかしてしまってという事は、御神体も御社も処分したのですか?」、「庭の御社の中には、どの様なものが入っていましたか」、と尋ねました。

 御社は・・・、どうしたんかな・・・・、なんせ、石ころが3個入っていたのを覚えていると言われます。

 祈祷の帰り道は相当疲れていますし、住所を聞くと近くの方ですので、後日美容室の方に来る様にお伝えして電話を切りました。

 この方は約束の日に来られましたが、お顔を拝見すると、人の良さそうな、悪く言えば、自分の考えが無く、人の言う事をうのみにして信用し、後でくよくよする、よくあるタイプの方です。

 今までに何百万と使ってしまったと言われます。

 今の〜会も、辞めようとすると〜会の人が沢山来て、辞めさせてくれないんですと言われます。

 今家にあるのは、この〜会関係のものだけですと言われます。

 今の所、私達の体には何も感じるものは入って来ません。

 早速この方に障っているものを聞いてみました。

 私、「地神様、今までこの方は沢山の宗教遍歴を繰り返しています。少し前まで〜会に入っていましたが、この方の気持ちの上では辞めたと言われます。この〜会の書物やバッチを捨てようとすると、体が痛くなって気分も悪くなると言われます。この方の障りを見せてきださい」。

 妻、「黒い顔みたいなのが、上から続いて出て、下に行くほど顔が大きくなって行くわ」、「顔が真っ黒で、切抜きの様な、吊り上がった目で、表情が無いわ」、と言います。



 私、「お前らは〜会のものか?そうやったら口を開けてみ」。

 妻、「無表情」。

 私、「ええかげんにしとかんかい、ボケ」。

 妻、「黒い顔は、縦線の中に並んで出てるんやけど、その上に、何か、ペラペラというか、ヘラヘラというか、その様なものが幕を張るというか・・・、兎に角出て来たわ」、と言います。

 私、「隠れとるつもりか?」。

 私、「何か、入って来るか?」。

 妻、「何にも」。

 別に特別気にする事もない族ですが・・・・。

 気にせず、普通にしていたら、抜けて行くと思いますが・・・・。

 妻、「地神さんの口が赤いよ」、と言います。

 私、「地神様、再度聞きます。まあ、障りが無いとは言えませんが、別に気にする事も無いと思いますが(余り乗り気ではなかったものですから)・・・」。

 妻、「地神さんの口から黒い線が出ているわ」、「その下に伸びた線が、私の胃に突き刺さって痛いわ」、と言います。

 私は余り乗り気ではなかったものですから、黙っていますと、

 妻、「地神さんの下に、10個位?の、蓋が金色のビン?が出て来て、地神さんがひとつずつ、その蓋を口で取って行ってるわ」、と言います。



 私、「地神さんにしては、分かり易い知らせ方やな・・、偶に,あるけど」、「小さい神さんは?」。

 妻、「見えへんけど」。

 私、「そんなに恐いものでもないのに・・・」。

 妻、「上の方に、黄色と白色の玉が出てるけど」、と言います。

 上記した、縦に連なって出て来た顔は、〜会の念の形ですが、そんなに神経質になる事もないです。

 此方の巳神様が、ビンの蓋を取ったのは、〜会だけではなく、今までこの家に入った、本来とは違う信仰の対象の障りを、此方の地神様が取り去り、その結果、黄色と白の玉、要するに、仏様が上に上がったと観ます。

 もう祈祷の必要は無いと説明しましたが、やはり家に来て祈祷をして欲しいと言われます。

 私は今まで、祈祷を進めたり、絶対しないと大変な事になりますよ、という様に話をした事は殆んどありません。

 殆んど有りませんが、中には、絶対祈祷をした方が良い方向に行くことが確かなケースも、多々有る事も事実です

 不思議なもので、絶対祈祷が必要なケースほど、祈祷の依頼が来ないのもおかしな話です。

 この方は、もう祈祷をすると決めて来られたようで、兎に角、来てくださいと言われます。

 この方の場合、この時点で判断する限り、過去、いろんな信仰の対象が入っている家にしては、この家の御先祖様からの不都合なお知らせはありません。

 土地に祀っていたと言われる地神様からのものの、何も入って来ません。

 過去に地神様をお祀りしていても、お呼びすれば出て来るはずですが・・・、御社に石ころが3個入っていたと言われますので、信憑性にも欠けますので、元から何も無かったと思われます。

 祈祷の当日、この家に着きますと、御主人は朝早くから出かけてしまい、このご婦人一人が居られます。

 御主人にしては、今までの事もありますので、又、何か祀り事を始めるのかと勘違いし、嫌になってしまい、出かけてしまわれたのだと思います。

 先ずこの家の御先祖様に対します。

 これだけ宗教遍歴を重ねていますので、御先祖からの不都合なお知らせが入って来ても不思議ではないのですが、特別何も入って来ません。

 何も入って来ないという事は、御先祖様は良い状態で居られると観ます。

 線香での護摩に入り、同じ様に、御先祖様にお伺いを立てますが、何も入って来ません。

 線香の護摩の途中で、対象を〜会に切り替えると、途端に耳鳴りがひどい状態になります。

 姿を出せ、と言ったのですが、何も出て来ません。

 只、耳鳴りがひどい状態です。

 次に、鳴釜神事に移ります。

 妻の胃に、突き刺さって来るものがあります。

 妻は、後ろから腰を両手で掴まれていると言います。

 心臓にも、突き刺さって来ると言います。

 私には、全く何も入って来てくれないのですが・・・・・。

 コンロに火をつけます。

 妻、「この耳鳴り、おかしいわ」、「三つの層に別れていて、一番上は、右の耳からジーという音が入って、左の耳から出て行く時は、その音が消えてるわ」、「真ん中は、顔の位置位で、右の方から、くるくると回りながら来て、これは回りながら出て行くわ」、「一番下は、顎の下から胸の位置で、右から荒っぽい音で来て、左に抜けて行くわ」、と言います。



 湯が沸騰して来ます。

 米を入れます。

 当然、釜は鳴り出します。

 途端に、妻の耳に入って来ていたものの音は、無くなりました。

 私、「これ、どんな様になってるんや?」。

 妻、「釜の中から黒い渦巻き状のものが、回りながら上に消えて行くわ」、と言います。

 私、「他には?」。

 妻、「何も無いけど」。

 釜の音が小さくなって行きます。

 私、「地神様、これで〜会の障り、消えましたか?」。

 妻、「何も言わないけど、白く光ってるから、良いんやろ」。

 これで良しです。

 もうこれで、〜会から来るものは無くなりました。

 話が前後しますが、釜を焚く前に、この方が荒塩で漬けた様な〜会の本やバッチを持って来られました。

 そしてそれらを、鳴っている釜の上に持って来てかざしましたので、・・・、其処までしなくても良かったのですが、気にしておられる様子でしたので・・・、もう大丈夫です。

 何故、此処まで宗教遍歴をしておりながら、この家の御先祖様から不都合なものが入って来なかったかは、多分にこの婦人の人間性によるものでしょう。

 この婦人は、いろんなものを祀っていたが、先祖祀りだけは欠かさずされていたそうです。

 例え〜会が仏壇を否定しても、仏壇祀りはされていたそうです。

 悪く言えば、この婦人は、いろんな宗教を渡り歩きましたが、何一つ本気で信仰していなかったのでしょう。

 新興宗教の方にしては困ったものですが、まあ、これで良かったのでしょう。

 何も特別な事をしなくても良いですので、代々続いている家の宗旨だけを祀っていたら、それで十分です。







 
鳴釜神事の実際と考察