感謝の意の鳴釜神事と、小さい巳神様の初仕事
 この方は、今まで私のホームページに何回も書かせていただいた、会社の経営者です。

 今回は、日々会社を守ってくださる京都伏見稲荷大社、白狐社の白狐様、白狐様がこの方だけに縁をつけてくださった稲荷様、以前からこの家に祀られている伏見稲荷様、この家の地神様に対し、日々の御加護の感謝の為だけの主旨で釜を焚きたいと言われます。

 この事をお聞きして、今年一年間、この会社も大丈夫だと思いました。

 この会社には、今までに何回も行かせて頂いていますので分かるのですが、事業の方に支障を来たすこの領域のものは何も有りません。

 しかしこの社長の母方の方に少し問題が有りますので、たとえ祝いの釜を焚く場合でも、私達の方にはその障りが入って来ます。

 今回の釜焚きの日は大分前から決めていたのと、又何回も行かせて頂いた家で、内容も分かっていましたので、この社長の母方の祓いは、私の方の小さい巳神様にしてもらおうと思っていました。

 祈祷の日が近づいてくると、案の定、母方の方からのお知らせが入って来ました。

 私も妻も落ち着きが無くなり、妻の方は痛みも感じる様になって来ました。

 私、「小さい神さん、ちょっと出ておいで、早よ、此処においで」、「あんた、〜さん知ってるな?」、「今度〜さんの家で釜を焚くけど、〜さんのお母さんの実家の方の障りが来てるのは、あんたも分かるな」、「あんたも神さんやし、もうそこそこ分かるようになって来たし、もうここらで、あんただけで仕事をしたらどうや、もう出来るからしなさい」、「あんた、私らが祈祷している横で遊んでる時があるやろ、あんまり遊びすぎて、あんたのお母さんが見かねて、連れに戻しに行く時があるやろ」、「分からなかったら助けに行くから、今度はあんた一人で仕事をし、分かったな」、と言って聞かせました。

 小さい巳神さんは神妙に下を向いています。

 私、「分かったな、あんたが〜さんのお母さんの方の仏さんを上げるんやで」、「釜を焚くから、あんたが御先祖さんを上げたるんやで」。

 妻、「下向いて、えらい神妙にしてるわ」、「うんと言ったわ」。

 実際、小さい巳神さんは少し体が大きくなっていますし、電話やメールでの相談事でも、半分近くはこの小さい神さんが答えを教えてくれています。

 只気分にむらが有って、此方が機嫌を取りながら動かす時があります。

 今回の祈祷の段取りは、先ず障りのある仏様が来れる舞台を作り、其処にお呼びします。

 そして仏様の状態を見ます。

 次に鳴釜で、この仏様を上げます。

 次に、伏見稲荷大社、白狐社、白狐様、この家に居る三体の稲荷様、この家の地神様に対し、感謝の気持ちの釜を焚きます。

 事前に白狐様には、〜さんが日頃の感謝の気持ちを、鳴釜で現したいと言っておられますので、当日は沢山のお供の神様を連れてきてくだいとお伝えしていました。

 そして、白狐様の前に、御先祖様に対しても釜を焚く旨もお伝えしていました。

 当日は白狐様に対し、何のお願いもしませんのでという旨もお伝えしていました。

 祈祷の当日の朝、ホテルの部屋で、「小さい神さん、今日はあんたがするんやで、ええな」、と言うと、妻が、「神妙に聞いてるわ」、と言います。

 祈祷の当日、私達に入って来るこの家の御先祖様の要求は、そんなにきつくは感じません。

 先ず、この家の御先祖様が来やすい様に舞台を作ります。

 その横に、鳴釜神事の用意をします。

 この家の宗旨は、この時点までに何回も変わっていて、今現在、ある新興宗教も入っています。

 先ず、左上に此方の地神様を出します。

 そして、小さい巳神様も呼びます。

 小さい巳神様は、地神様の後ろから出て来ました。

 此処でもう一度念を押します。

 「あんたがするんやで、分かっとるな」。

 最初、この家の御先祖様をお呼びするのに、「観音経」を上げましたが、反応は有りません。

 この家の元の宗旨は、「浄土真宗西本願寺派」です。

 「正信偈」を上げます。

 妻、「線で仕切られた中に、火のついた蝋燭が見えるわ」、「真ん中の蝋燭が大きいわ」、と言います

 妻、「黒い2本の線が、着物の打ち合わせみたいなのが、沢山下に続いてるわ」、と言います。



 この線で仕切られたローソクに対し、「正信偈」を途中で中断し、問いかけてみます。

 「〜家の御先祖様、何も知らん者が、信仰の自由というが、自分勝手にいろんなものを祀って、好き勝手にしてる事、許してやってくれ」、「今日こうして私達を呼んで、謝ってるという事、やっと気がついてくれたと思う、・・・・・・」。

 妻、「一本の大きなローソクになったわ」、「大きなローソクの周りに、小さな炎が見えるわ」、と言います。

 「正信偈」を再開します。

 妻、「大きなローソクの横、下の方に、青い玉が光ってる」、と言います。

 線で仕切られた各々の中に出て来たローソクは、この家の御先祖様と観ます。

 仕切っているものは、今までこの家に入った、本来この家の信仰とは違う、様々な信仰の対象のものです。

 「正信偈」を上げ続けると一本の大きなローソクになったというのは、「正信偈」という本来のお経が、様々な信仰の対象を消したと観ます。

 下に出て来た、青い玉は、御先祖様の喜びの状態と観ます。

 着物の打ち合わせの重なったものは、様々な違う宗旨がこの家に入っているぞという、此方の巳神様のお知らせです。(小さい巳神の知らせではありません)

 この時点で此処まで出てくれたという事は、此処の御先祖様も、この先の鳴釜で満足されると思われます。

 今、目の前に出ているこの場面を維持して、鳴釜の神事に移ります。

 私、「小さい神さん、分かってるな」。

 妻、「大人しいわ」。

 この家の御先祖様には、今までの御先祖様の加護に礼を言い、此方の非礼に侘び(御先祖様が苦しんでおられる事に気がつかなかった旨)を入れます。

 「天地一切清浄祓」、「龍神祝詞」を上げます。

 コンロに火をつけます。

 「観音経」を上げます。

 私、「小さい神さん、頼むで」。

 妻、「鍵(鍵の本体)が見えるわ」、と言って、手で鍵の形を作ります。

 妻、「丁度昔の大きな戸(扉)につける様なやつやわ」。

 妻、「横に鍵が出て来たわ」、と言います。

 妻、「鍵が鍵穴に入って・・・、手は見えなかったし・・・・、一人で入っていったわ・・・・」、と言います。



 妻、「何か、左右に開いて行って・・・・」、「何かが開いた間から・・・」、「挟んだ様な格好で・・・」、「玉を出して来て、外に並べてる・・・・」、「あ、チビやわ」、「小さい神さんが、何かこんな格好になって・・・、玉を出して来て、並べてるわ」、と言います。

 私、「今から鳴らすから、それがどうなるか、良く見といてくれ」。

 湯が沸騰して来ます。

 米を入れます。

 釜は当然大きな音で鳴り出しました。

 私、「どうなっている?」。

 
妻、「チビが置いた玉が紐みたいなものでつながって、・・・」、「玉がつらなって、釜の上に行って、順番に消えて行ってる」、と言います。



 私、「釜の上に何か見えるか?」。

 妻、「今日は特に何も見えない」、と言います。


 妻、「いろんな人が、いろんな事をしている場面が出て来ては消えて行ったわ」、と言います。

 上記した鍵や鍵穴に鍵が入り、扉が開いたのは、鳴釜の力によって、違う信仰から来る不具合(呪縛)の様なものが解かれたと観ます。

 小さい巳神さんが扉の中から取り出した玉は、この家の御先祖様と取ります。

 そして釜の音(力)により、玉(仏)が連なって上に上がった、即ち、成仏したと取ります。

 それにしても、小さい神さんが一人でした初めての仕事にしては、中々綺麗で、筋が良いものを持っているなと感心しました。

 中々良いセンスです。

 大したもんです。

 私、「小さい龍神さん、ようやったな、偉い」、「もうこっちにおいで、休んどき」。

 妻、「もう、地神さんの後ろにまわって、顔だけ出してるわ」。


 これからが今回の本題です。

 純粋に、日々の感謝の気持ちだけで釜を焚きます。

 白狐様には、沢山のお連れを連れて来てくださるように頼んでいました。

 鳴釜神事の準備にかかります。

 先ず最初に、白狐様が特別にこの家の守護の為に縁をつけてくださった稲荷様(名前は付いているのですが、書きません)をお呼びします。

 白い綺麗な稲荷様が姿を現します。

 この稲荷様は、何時も頭の上に金色に光る王冠の様なものを乗せています。

 次にこの家の伏見稲荷様をお呼びします。

 二体(夫婦)の稲荷様が姿を見せます。

 そしてこの家の地神様をお呼びします。

 しかし中々御姿が出て来ません。

 やっと御姿が出て来ましたが、向こうの方に居て、此方に近づいて来ません。

 私、「小さい神さん、あんた、此処の地神さんの所に行って、早くこっちに来る様に言ってあげて」。

 妻、「此方から、何か言ったみたいやわ」、「地神さん、こっちに来たわ」、と言います。

 そして最後に、白狐社、白狐様をお呼びします。

 「稲荷五社大神祓」、「稲荷大神秘文」を上げます。

 少し間を置いて、

 妻、「来てあったわ」。

 私、「お連れは?」。

 妻、「沢山来てあったわ」。

 私、「どれ位や?」。

 妻、「分からへん」、「二列に並んで・・・、一番後ろは見えないわ」、と言います。

 妻、「白狐さんが、厳しい顔してるわ」。

 私、「これだけの数を連れて来てるんやから、甘い顔してたら、統制が取れんやろ」。

 妻、「白狐さん、柄が悪いわ」、「一人で来る時は、すまして来るのに」。

 私、「白狐様、今日はお忙しい所、有難う御座います。お連れの方も沢山連れて来て頂きまして、有難う御座います」、「今日は〜さんが、何時も守って頂いている御礼の気持ちを、釜を焚いて表したいと言っておられます。私達もこうして釜を焚きに招かれたという事に、感謝しております」、「白狐様、今日は何も白狐様にお聞きしたりはしませんので、ゆっくりおくつろぎください」。
  (何も聞かずにと言ってしまいましたが、やはり聞いてしまいました)

 私、「白狐様、どんな様子や?」。

 妻、「きりっと前を見て、聞いとってやわ」、「今日のお連れの方は、あんまり程度が良いとは言えないわ」、「白狐さんが、後ろばかり気にしてるわ」。

 多分この様な展開になるだろうと思っていましたので、何時もなら、お酒は白狐様の分だけをコップに用意していますが、今日は他に10個位コップを用意して、お酒を入れておきました。

 私、「小さい神さん、あんた、そんな所におらんと、白狐様の所へ行って、挨拶しておいで」。

 妻、「恥ずかしそうに、白狐さんの足元に行って、飛んで帰って来たわ」、と言います。

 妻、「今日のお連れは、がやがやしてるわ」、「白狐さんがきつい顔してるわ」。

 今この時点で、目の前に展開されている状況は、先ず左上には、私の方の地神様、その周りに、小さい巳神さん(ちょろちょろして、じっとしていません)、中央にこの家の伏見稲荷様が二体、その真ん中、少し前に頭に王冠の様なものをつけた稲荷様、右側、少し上に白狐様、その後ろに沢山のお連れの稲荷様、図には書いていませんが、二体の稲荷様の上に、この家の地神様(今日は稲荷様方の迫力に押されたのか、遠慮して前に出て来ません)が出ています。

 今日はこの家の二体の稲荷様が嬉しいのか、仲良く向き合って、手を動かしています。

 頭に王冠をつけた様な稲荷様は、大変白く、綺麗で、そんなに感情を表しません。

 コンロに火をつけます。

 湯が沸騰して来ます。

 妻、「お連れの稲荷さんが、一応並んでるけど、釜が見たくて、見たくて、頭を横に突き出して見てるわ」、と言います。

 不動明王の真言を唱えながら、洗い米を入れます。

 釜は当然、大きな音で鳴り出しました。

 私、「白狐様、今日は何を祓うとかという釜焚きではありませんので、お連れの神様も、釜の前に来て見る様に言ってください」。

 私、「お連れの方、今日は祝いやから、釜の前にも沢山お酒置いていますので、どうか皆さん、前に来て、お酒を飲んでください」、と言って、白狐様に、「お願いします」、と言いました。

 途端に、

 妻、「うわー、沢山来たわ」、「バラバラに来たわ」、と言います。




 私、「どないしてる(どうしてる)?」。

 妻、「釜の前のお酒を、沢山で飲んでるわ」、と言います。

 私、「白狐さん、どんな顔してる」。

 妻、「別に、普通やけど」、と言います。

 不動明王の真言を唱え、印を結びます。

 「稲荷経」、を上げます。

 稲荷の真言を唱えます。

 妻、「此処の稲荷さん、嬉しそうにはしゃいでるわ。

 妻、「此処の稲荷さんの後ろが、朱色に輝いてるわ」、と言います。

 私達は、何回も此処にお邪魔していますので知っているのですが、この家の稲荷様が、この様に感情を出して喜ぶのは初めてです。

 この稲荷様にしては、今回のこの家の方の行為が大変嬉しいし、この稲荷様にしても(ここから先は余り自信が無いのですが)、他の伏見の稲荷様(仲間)に対して、自分達が守っている人間が、こんな嬉しい事をして感謝の気持ちを伝えて来たと、自慢が出来るのではないかと思います。

 釜は長い時間、鳴り続けています。

 白狐様に少し聞きたい事が出て来ましたので(何も聞きませんのでと言ったのですが)、意図的に釜の音を小さくしました。

 余談ですが、ある時点で釜の音を意図的に小さくすれば、40分から1時間位の時間は鳴り続ける事は往々にしてあります。(意味はありません。あくまで技術的な話です)

 白狐様には、何も聞きませんのでと言いましたが、其処は人情で・・・、聞かなければならない事が出て来ました。

 この方の会社の従業員の事なのですが・・・、詳しくは書けないのですが・・・、その従業員に対しての、この先の対処の仕方と、その従業員の将来性を聞く事になりました。

 私、「白狐様、〜という従業員が居ます、この方のこの先を見せてください」。
 
 妻、「白狐さんは前を見てるだけで、何も出て来ないわ」、と言います。

 何回か聞きましたが、白狐様は何も言われませんでした。

 この展開も、私には分かっていました。

 白狐様が、頭に王冠の様なものをつけた稲荷様をこの家に縁付けてからは、何を聞いても教えてくれません。

 知りたい事があるなら、その稲荷様に聞け、という事です。

 私、「〜様(頭に王冠をつけた稲荷様の名前)、〜さんが従業員の〜さんの対処の仕方、この方の将来性を聞いておられますが、又将来性が無いのなら・・・・・と言っておられますが、この人のこの先をお見せください」。

 妻、「この稲荷さん、前足で(両手で)、目の前の地面を優しく撫でてるわ」、と言います。



 私、「まあ、そんなにカリカリしないで、長い目で教育すれば、良い従業員になると観ますが、それで宜しいですか」、と聞きました。

 妻、「何も言わないけど、軽く下を向いたわ」、「大人しい稲荷さんやわ」、と言います。

 何故この様な白く、綺麗で大人しい稲荷様を、この方に縁をつけたか・・・、この事も又解明するでしょう。

 この頭に王冠の様なものをつけた稲荷様の位置は、この家の二体の稲荷様の真ん中です。

 これから先も、この〜さんを守ってやってくださいと告げると、真ん中の稲荷様は優しく、両側の稲荷様は楽しそうに会釈をされました。

 妻、「今日の朝から、綺麗な手が、青い水で白い皿を洗う場面がずっと見えてたんやけど」、と言います。

 それを早よ、言わんかい・・・・・。

 私、「今日は、釜の上に何か見えたか」、と妻に聞きました。

 妻、「何がはっきり見えたかは無かったけど、光りではないけど、清清しいものが上がって行ってたよ」、と言います。

 この会社も、これで安心です。

 私、「白狐様、お忙しい所、長い時間引き止めてしまいました。今日は有難うございました。お送りします」、と言って「稲荷大神秘文」を上げました。

 妻、「白狐さん、今日は先頭で帰ってあったわ」。

 私、「お連れは、ちゃんと帰りょったか(帰ったか)」。

 妻、「まあまあ」。

 私、「あれでも、一応神さんやからな・・・・・」、「ある程度経ったら、御札につけたり、人間につけたりして修行に出すんやろ・・・、又聞いてみよ」。

 今回の釜焚きは、小さい神さんにとっても初めて一人でした仕事ですし、稲荷様にたいして焚いた釜も、大変有意義で、充実したものでした。

 この祈祷が終わるまでは、小さい巳神さんを、「小さい神さん」、「チビ」、とか呼んでいましたが、この頃は、「小さい龍神さん」、と呼ぶと、目を大きく、丸く開けて此方を見ます。
 
 良く仕事をしてくれるのですが、まだこの神様の存在が何なのか、分かりません。

 お母さんの所に行っていなさいと言うと、此方の地神様の方に行って隠れたりしますので、それは分かるのですが・・・・・、まあ、もう少し時間がかかりそうです。







 
 
 
鳴釜神事の実際と考察