第20話




「どうだ、具合は」

 舞の手首を診ている茜を遠巻きにしながら、祐一は聞いた。

「骨に異常はないです」

 言ってから茜は、舞に向かって念を押す。「ですけど、いちおう病院で診てもらってください」

 舞がこくりとうなずいた。手首の感触を確かめるように、前後に何度か折り曲げている。茜の言った通り、どうやら大事はないらしい。祐一もホッと安堵する。

 茜が舞から身を離して、本当にすみませんと目礼してから、今度はマウンドに向かってキッと尖った視線を飛ばした。

「詩子。あなたもちゃんと謝って」

「はあーい、ごめんなさーい」

 誠意の欠片もなく詩子が言う。つまらなそうに土を蹴りながら、あさっての方を向いていた。

「……詩子。怒りますよ」

「うわわ。わかったわかりましたよーっふんだ」

 詩子は一度大きく足をぽーんと高く蹴り上げて、舞を見た。

「舞さん、ごめんね☆」

 顔の前に両手を合わせ、片目を瞑りながらぺこりとおじぎ。言葉とは裏腹に声は明るい。

 茜がさらに何か言いかけたとき、

「……いい。気にしてない」

 舞が制した。下に転がっていた剣バットを手に取り、鞘に収めるように腰に下げた。それで、茜も口を閉ざした。

「さっすが舞さん、心が広い☆」

 元凶である詩子はまったく反省の色を見せていない。いい根性してる。

「しっかし、あっけなかったな。もっと続き見たかったんだけど」

「しょうがないです。詩子の性分ですので」

 茜が、いまだ不機嫌そうな詩子に視線を振りながら大きくため息をついた。

「詩子はプレッシャーに弱いわけじゃないんですけど。むしろ、逆ですね。カウントが増えるたびに調子に乗って、乗り過ぎて無駄な力が入って、結局相手を追い込んでからのフォアボール。勝負の結果はたいていこれです」

 ちらと祐一を見、すぐに目を逸らした。

「……私らしくありません。なんだか喋りすぎました」

 茜が詩子に向かって合図した。もう帰りましょう、といった具合に。おっけ〜とすぐに詩子が応じた。

「なあ。もう終わりなのか?」

「はい」

 茜と同様、舞も首を縦に振る。祐一はいくぶん躊躇してから、

「まだ時間あるだろ? 今度は俺と勝負しないか」

 すると、一番に反応したのは茜でも詩子でもなく、はやくも帰り支度を始めていた舞だった。無感情だった瞳にわずかに驚きの色が混じって、それから、フッと軽く笑んだように見えた。

「あんた、舞って言ったっけ。おまえのカタキ取ってやるからさ」

「……私、負けたわけじゃない」

 舞はムッとして、それでも嬉しそうにまた笑っていた(表情がほとんど変わらないから、たぶんだけど)。

「……相変わらず、おせっかい」

 そんな言葉が、舞の口からこぼれていた。

「で、どうだ? いいだろ?」

 茜と詩子、ふたりに尋ねる。

「よくありません」

 即行で断られた。

「……い、いや、べつにいいだろ」

「よくありません。詩子、帰りましょう」

 キャッチャーミットとマスクを抱えて、さっさと歩いていく。祐一は引きとめようとして、その前にマウンドから声がかかった。

「あたしはいつでもいいよん☆」

 詩子が不敵にほほえんでウインクしていた。

「……詩子」

 茜が眉を吊り上げる。わずかに開いた唇からは、今にも文句が飛び出てきそうだ。

 なにをそんなに怒ることがあるんだろう? もう一打席くらい、どうってことない気がするが。

「帰ります。支度してください」

「やだもーん☆」

「……詩子。私を怒らせないでください」

「ねえ茜」詩子が急にまじめな顔をして、けれどそれは一瞬で、たちまち顔をゆるませてくすくすと笑い声を漏らした。「三球で片付けるからさ」 

 祐一はぴくりと反応した。三球? 三球三振ってことか? おいおい、俺も舐められたもんだな……と考えてしまって、それから祐一は思い直した。

 相手からすれば自分は何者でもない単なる野球少年なわけで、自分も詩子と同じようにいつの間にか自信過剰になってたのかもな、とすこし反省しておいた。

 とはいえ、もちろん三球三振なんて冗談ではないのだが。

「おい、詩子さんとやら。俺を討ち取るのは、舞と同等に大変だぞ?」

「ふーん、すごい自信だね。ていうかその『詩子さんとやら』っていうのいい加減やめてよね〜時代劇じゃないんだからさもうっ。もっとキュートに、えっと……詩子ちゃんでいいからさ☆」

「あんた、高校生か?」

「そだよん。ぴっちぴちの女子高生、ぴっかぴかの二年生☆」

「じゃあ呼び捨て可だな。ほら、詩子。とっととやるぞ」

「……キミ、いい根性してるね」

 詩子は言って、まあそーゆーわけだから、と茜に懇願の眼差しを送った。だが依然、茜は渋い顔だった。

「だいじょーぶ、あたしが負けるわけないしさ」

「……そうじゃなくて」

「だいじょーぶだって言ったでしょもうっ。平気平気☆」

「…………」

 どうやら詩子の勝ちらしい。茜はわかりましたと小さくつぶやいてから、

「三球ですよ。それ以上は認めません」

「あったりまえじゃーん☆」

 詩子が左肩を抑え、くるくると回した。そんな様子を、茜は思案げに黙って見つめていた。

 それから、諦めたように軽く吐息をついて、祐一を怒った顔で見すえた。

「やるんだったら、早く準備してください」

 祐一はちょっと気圧されて、「ああ」とうなずきながら隣に立つ舞からバットを借りた。鍔はついたままだった。

 鍔に注意しながら、試しに一度素振りをしてみる。

「……めちゃめちゃやりにくい」

 負けるかもしれなかった。

「それ、邪魔?」

 舞が祐一の持つバットを指差しながら訊いてきた。

「はっきり言って邪魔だ」

「わかった。貸して」

 グリップの部分をカチャカチャやっていたかと思うと、きゅぽっと鍔が抜けた。

「取り外し可能」

 舞が誇らしげに言った。

「……便利だな」

「うん。便利」

 皮肉だったのだが、通じなかった。ようやく通常に戻った金属バットを強く握り、祐一は素振りを再開した。今度は問題なかった。

 詩子と茜は投球練習はしないで、ホームベースのところで何事か相談していた。

「何度も言いますけど、必ず三球で仕留めてください。まあ、一球で討ち取れたらベストなんですけど」

「おっけ〜まっかせなさーい☆」

 まったく、なんつー会話だ。自信過剰にも程がある。

「なら、お言葉に甘えて一球で終わらせてやるよ」

 祐一の挑発に茜は答えず、キャッチャーマスクを被りながらホームベースの後ろにゆっくりと腰を落とした。まだ機嫌は悪そうだ。

 舞が、祐一と入れ代わりで審判の位置についた。

「ね、祐一君。あたしの期待を裏切らないでね☆」

 詩子がマウンドに駆けていく。途中、「よっ」と側転して、器用にプレートの上に着地していた。十点満点〜とか言っている。騒がしいやつ。

 ちなみにさっきの側転で、詩子のスカートの中身がばっちり見えていた。

「白か……」

 舞にチョップされた。

「……始めていい?」

 舞が訊いてくる。祐一は最後にもう一度バットを振って感触を確かめ、右バッターボックスに入った。

 緊張する。昂揚感があった。この感じ、悪くない。

 左対左から一転、左対右の一打席勝負。

「プレイ!」

 詩子の投球フォームは性格を表していると言っていいくらい大胆で、大げさだ。祐一はその動作に合わせてバットを揺り動かし、狙い球を絞る。

 初球からフルスイングでいく。狙いは当然ジャイロボール、コースは内角高め。

 詩子の投げる速球が、まさに祐一の描いていた通りの箇所を強襲した。

「……うそ」

 そう呟く茜の声は、祐一のバットが生み出した凄まじい金属音によって掻き消された。

 打球はレフト線のちょうど真上を沿うように、とんでもないスピードでスタンドめがけて直行した。瞬く間にポール際へ到達、わずかにファール側へと突き抜け、芝の敷いてある無人のスタンドをドスンと跳ねた。

 かすかに届くその音で、ようやく詩子が後ろに振り返った。

 そのときには、グラウンドは吹き荒ぶ乾いた風だけが存在する、完全な静寂に覆われていた。

「……風がなかったら、入ってた」

 審判の舞が、コールの代わりにそんな感想を述べた。

 祐一はバッターボックスから足を外し、スタンドをぽかんと見あげている詩子に言う。

「おい、詩子。俺はこんなへなちょこ球を打ちたいわけじゃないんだけどな」

 詩子の直球はたしかに速かった。だが、キレも伸びもないただの棒球だった。おかげでタイミングがズレてしまった。

 風なんかは関係ない、俺はバックスクリーンに叩き込むつもりだったのだ。

「さっさと本気出せよ。俺をがっかりさせるな」

「…………」

 詩子は、ぎぎぎ、とたてつけの悪い扉みたいにしてこちらに振り向いた。しばらく惚けていたかと思うと、わなわなと肩を震わせて、顔を紅潮させて、そして。

「うっわーうっわー、ねえねえ見た茜、今の打球! 速すぎて見えなかったよあたし!! この人すごい、すごいよっ!!」

 バンザイしながらぴょこんぴょこんとその場を飛び回り始めた。

 今度は祐一が呆気に取られる番だった。

「ラッキーだなあ。ほんとラッキー。舞さん以外にもこんな打者が近くにいたなんてなあ。うーん、世間は広いねえ。あれ、狭いって言うのかなこーゆー場合」

「…………」

 ぜんぜん堪えてねえ、こいつ。

「……詩子。あまりバカ笑いしてると」

「はいはいわかってますって。のどちんこ見えるんでしょ」

 詩子は顔を引き締め、しかしたちまち頬をゆるませ、グローブを口元にやってもまだくすくすと笑っていた。

 その様子は、本当に楽しそう。

 祐一は再度バッターボックスに足を入れた。なんかやり辛いな……と思いながら。舞がプレイの号令をかける。

「ごめんね、祐一君。キミのこと侮ってた……」

 詩子がこちらをじっと見つめてくる。祐一はなにも応じない。いや、なにか言い返そうとして、半ばで口を閉じていた。

 ゆるみっぱなしだった詩子の表情が、今、なくなった。

「……本気でいくから」

 祐一はグリップを固く握りしめて、ふんと鼻を鳴らす。ああ、本気で来いよ。

 詩子がふりかぶった。背が横にねじられ、肘が伸び、腕が内向きにねじり戻された。この投げ方――『ダブルスピン投法』こそが、ボールの弾丸回転を可能にする。

 白の弾丸が風を巻いて迫って来た。膝元から上へ伸び上がった。コースは真ん中高め。ようやく自分の元に訪れたのだ、期待通りのジャイロボールが。

 ボールは祐一の出したバットの上っ面をかすめ、バックネットに激突した。

「ファール!」

「ありゃりゃ。ほんとキミすごいね〜初めての対戦でバットに当てるなんて☆」

「次はホームランだ」

「あはっ、その自信にも敬意を表するよん☆」

 球は目測よりかなり上を通っていた。これはたしかに本物だ、まったく、こんな近くにこんな投手がいたなんて。詩子が自分に向けて言った言葉と同じ感想が、祐一の頭にも浮かび上がる。

 カウントはツーストライク。ボールカウントはひとつもないが、祐一に迷いはなかった。

 彼女は、遊び球は投げない。この三球目は詩子と茜が宣言していた球数だ。

 外角を突くやや甘いコースに直球が来た。

「ファール!」

 ライト側のファールグラウンドをワンバウンドして、フェンスにぶつかった。

 スイングはまだ追いついていない、まだ振り遅れている。祐一はこつんと額にバットを押し当てた。

 と、茜が立ち上がった。舞がそくざにタイムを宣告する。

 茜が足を前に一歩踏み出したところで、詩子はぱすんぱすんとグローブを手で叩き、首を横に振った。

 それからぐっと息を詰めた顔をして、ワインドアップポジションのまま動かなくなった。そこからはもうふざけた様子はまったく見受けられない。

 後ろから、かすかにため息をつく音が聞こえた。

「どうした?」

「……いえ」

 茜が諦めたように腰を降ろした。

「まさか本気で三球三振なんか考えてたのか?」

「……私としては、一球目がホームランだったほうがマシでした」

 プレイが宣告された。

 ワインドアップポジションを取っていた詩子はにやりと笑み、うなずいて、二球目からと同様のダブルスピン投法で投球を開始する。

 今度こそ捉える。必ず。

 詩子の左腕がしなる、それを認めながら祐一はタイミングを計る。そう、相手はずっと一本調子、タイミングを合わせるのは難しいことではないのだ。

 ストレートだけで抑えられるほど俺は甘くない!

 指先から放たれた詩子の快速球が、ホームベースの対角線上にインコースへと迫り来る。その刹那、祐一は足を外側に踏み出して打席の中を移動した。

 本来なら際どく内角を突くその直球は、祐一の目にはど真ん中の絶好球に映った。

「なめるなぁ!!」

 完璧にタイミングを合致させ、祐一は気合とともに渾身の力でスイングし――――

 祐一は我が目を疑った。

 ボールが浮き上がらない――いや、それどころか、逆に、沈んでいく……!?

 そう悟ったときには遅かった。弧を描いたバットはボールの上を叩き、ぼてぼてのピッチャーゴロを作り出していた。

「……よっと」

 詩子がゆっくりとゴロをさばき、ファーストに投げるふりをした。

「はい、終了」

 にこっとほほえんだ詩子の顔を唖然として眺めながら、祐一はスイング後の体勢のまま固まっていた。

「えっへへ。あたしの拳銃は二丁あるんだよん☆」

 詩子がグローブを外し、右と左両方の手でピストルの形を作り、祐一に向かってバーンと撃った。

 それで、祐一はようやく体勢を崩し、ころっと後ろに倒れこんだ。








「……頼む、もう一回勝負してくれ」

 祐一はグラウンドからのそのそと起き上がり、目の前で見下ろしてくる詩子に言った。

「ごめんね〜そろそろ帰んなきゃ。明日も学校あるし」

「でもさ、結果は引き分けなんだろ? 後味悪いじゃないか」

 言いつつも祐一の胸のうちはそうではなかった。引き分けなんかじゃない、完全に俺の負けだ、くそ。なんなんだあの球は。たしかにジャイロボールだと思ったのに。説明を求めたが、詩子は「企業秘密だよん☆」と言って教えてはくれなかった。

「なあ、もう一回だけさ。いいだろ?」

「だめです」

 詩子の代わりに、茜がつっけんどんに答えた。

「どうしてもか?」

「どうしてもです」

 すでに帰り支度は整っていたらしく、茜は大きなスポーツバッグを肩から下げて(なぜかピンク色の傘がチャックの口から飛び出ている)、詩子の隣に並んだ。

「……これがなにか?」

 祐一の視線の先に気づいたのか、茜が傘の柄を指で突付く。

「いや。今日雨なんか降ったかなって」

「いえ、これはバットです。簡単に言うと傘バットです」

「…………」

 舞の剣バットの件もあるし、なにも言うまい。

「そういえば、あんたらって何者なんだ?」

 詩子は私服、茜と舞は制服を着ていた。舞の制服は華音高校のものだった。リボンの色は紫、三年生のようだ。

 茜の制服はうちの学校のものではなかった。

「あなたには無関係ですから」

「そうそう。それじゃね、祐一君。ばいばーい☆」

 遠ざかっていく詩子と茜の背中に、祐一はしばらく目をやっていたが、そのうちに自然と呼びかけていた。

「また、勝負できるか?」

 詩子は首だけ回してこちらを向いて、うーん、と首をかしげて。

「さあ? わっかんない☆」

 そして今度こそ、ふたりはグラウンドから姿を消した。








 土手沿いの道を、詩子と茜のふたりは駅に向けて歩いている。さきほどから会話はなかった。空気はこの上なく重い。

 詩子は思う。茜怒ってるよなーどうしよう、怖いんだよなー茜って普段から感情出さないから余計になー、あ、でも山葉堂のワッフルおごれば一発かな。

「ワッフルだけじゃ許してあげません」

 先回りされた。詩子はあはは……と乾いた笑い声をあげ、おそるおそる茜の横顔をうかがう。

「……なんで、『2シーム』まで投げたんです?」

 茜が詩子のほうに顔を向け、真正面から見すえた。

 2シーム。正確には2シームジャイロ。祐一との対戦で最後に投げたあの沈む球――もうひとつのジャイロボールのことである。

 ジャイロボールには二種類が存在する。ひとつ目は、弾丸回転をボールに与えて空気抵抗を減らす、詩子が多投していた4シームジャイロ。

 そしてもうひとつ。回転のさせ方は同じであるが、ボールの縫い目の方向をうまく変えることでブレーキをかける2シームジャイロ。

 シームとは、ボールに付いている縫い目のことを言う。回転の際の縫い目方向の違い、たったそれだけのことで、2シームジャイロの空気抵抗は4シームに比べて倍以上にもなる。ボールは打者付近で失速し、4シームジャイロに慣れてしまった打者にはまるで沈んだように見えるのだ。

「そだね。舞さんにだって投げたことなかったのに」

「それなのに、なんで」

「なんででしょー☆」

 唐突に詩子は先を駆けていった。茜との距離があっという間に広がり、くるんとターンして立ち止まる。

 左肩に手を置き、そっと撫でた。

「……詩子。あなたの肩は」

「はいはいわかってますよーっだ」

 だってさー、つまんないんだもーん。詩子はまたくるんとターンし、前方を見つめた。

 その先に広がる街の明かりを見つめた。

 あたしの肩は壊れている。だから限度は20球――ううん、全力投球だと2、3球で肩が悲鳴をあげてしまう。

 だから勝負はいつも一打席。舞さんとの勝負も、こんなに長引いている。

「…………」

 あはっ、違うか。詩子は自嘲する。それは、あたしがわがままで長引かせているだけ。すこしでも長く楽しみたかっただけ。

 あたしの拳銃はすぐに弾切れになる。

 あーあ、ほんとつまんないのー。

「詩子。あとで左肩、診せてくださいね」

「…………」

「詩子」

「…………」

「……あなたの気持ち、わかってますから」

 詩子は答えなかった。茜が自分のところまで歩いてくるのを待って、それから、ふたり並んで歩を進めた。

 駅は、まだちょっと遠かった。








●現時点でのオーダー表

ピッチャー
美坂栞
キャッチャー 相沢祐一
ファースト 天野美汐
セカンド 沢渡真琴
サード(ピッチャー) 北川潤
ショート(キャッチャー) 美坂香里
外野全部 水瀬名雪(キャプテン)

部員数7人




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