久慈・琥珀博物館


大雪・・・

出陣式から着々と準備を進め、ついに決行当日を迎えた。

時間をムダにしない為、朝7時東京駅発の新幹線をすでにブッキング
くりりんちゃんお住まいの女子寮(なぜ太文字?by Pi-子)は駅から遠いので、前日から世界征服秘密基地(別名:ピッキー&Pi-子邸)泊となり、Pi-子隊長、ピッキー、くりりん の3人で待ち合わせの東京駅へ向かった。

まる子:おはよ〜、眠いね〜。
るむ:おはよ〜、寒いね〜。

今回は「銀河鉄道999」のようにハラハラすることもなく、発車時間からかなりの余裕をもって全員集合した。

るむ:昨日、ネットで天気予報見てたら、今日の岩手は雪みたいだよ。
Pi-子隊長:ふ・・・ふ〜ん、この時期に岩手で雪なんておかしくないでしょ。

くりりんちゃん以外は全員「またか・・・」と思いつつ、新幹線に乗った。



東北新幹線「はやて」の最終駅、八戸駅に到着した。

Pi-子隊長:番号!
ピッキー:1!
るむ:2!
まる子:3!
くりりん:4!

八戸駅の構内にて、隊長の体型に似つかぬ引き締まった声が響き渡る。

Pi-子隊長:よし全員集合したな。皆のものよくここまで厳しい戦いについてきてくれた。今日これからの経験は諸君らの人生に少なからず影響するものとなるだろう。 どんなときもあきらめず、冷静に作戦を遂行してほしい
ピッキー:隊長も途中洞窟が通れなくてもあきらめないで下さいよ
Pi-子隊長:ぬかせ!私は頭が通ればどこでも通れるのだ
ピッキー:"頭"ではなく、"尻"の間違いではないでしょうか?さながら「頭隠して、尻隠せず」と言いましょうか・・・

θ ̄∇ ̄)θ☆すぱぱ−ん (ノ°°)ノぐぇっ

くりりん:うふ、うまいわねぇ。
るむ:いちいち反応しなくていいわよ。これが二人の戦闘開始の合図なんだから。
まる子:それはそうと
一同:ん?
まる子:すごい吹雪なんだけど・・・



ジョイフルトレイン・うみねこ号
天気予報、大当たり〜♪
外を見ると窓の外はハンパなく豪雪・・・

隊長低気圧キター!!!゜ ∀ ゜

Pi-子隊長:フッ、このぐらいの演出がないと面白くないではないか。そう思ってちょっと呼んでおいたのだ。
まる子:電車止まんなきゃいいけど
ピッキー:雪国の電車は雪には強いから大丈夫でしょう。

Pi-子隊長:ここからはJR八戸線に乗り換え。1日1便の「ジョイフルトレイン・うみねこ号」に乗るよ
くりりん:「ジョイフルトレイン」って何ですか?
Pi-子隊長:う〜ん、よく分からないけど観光用に車体をちょっと改造してみました、っていう列車じゃない?

調べてみると「観光路線としての活性化を図るために導入された列車」ということなので隊長の言っていることに間違いはないだろう。
しかし「うみねこ号」はシートとトイレをリフォームしたぐらいで、あまり車体には手が加えられていないらしい。

放送:お急ぎのところ申し訳ございませんが、JR八戸線は只今強風と大雪のため、運行状況を確認を行っております・・・
ピッキー:・・・雪に強いはず・・・なんだけどなぁ・・・

まる子:まさかここで頓挫かしら
Pi-子隊長:はは、それはないと・・・思いたい。
るむ:世紀末的な雰囲気で楽しくなってきたわねぇ
(うっとり)

こんな困った状況にあわてることもなく、一同は駅やうみねこ号の写真を撮って愉しんでいる。
Pi-子隊長:うむ、みんな逞しくなったものだ。(遠い目)

放送:お待たせいたしました。まもなく出発しますのでご乗車になってお待ちください。
一同:やったぁ!


「ジョイフルトレイン・うみねこ号」はなんとか発車したものの、途中何度か徐行&停止を繰り返し、予定より30分近く遅れて久慈駅に到着した。

るむ:昼食どうしようか?レンタカーは13:00からなんだよね?。
Pi-子隊長:そうなんだよね。食べに行くと中途半端になりそう。
まる子:食事する場所を探す時間も・・・気力もないかな。この雪じゃあ
ピッキー:どうでもいいけど、あの「駅前デパート」って渋いなぁ。昭和な感じだよ。
(↓の写真 左側の4Fの建物)
くりりん:ナウなヤングの私にはよく分かりません。

久慈駅の駅前
駅内の待合室

Pi-子隊長:あそこはどうだ?お腹が減っているせいか、私にはすごくおいしそうに見えるのだが?

久慈駅、待合室にある立ち食いソバ屋さんを指差す隊長。
確かに暖かそうな湯気が食欲をそそっております。

そうと決まったらメニュー選び。
ピッキー:立ち食いそば屋といえばカレーでしょ、おばちゃん、カレー!
おばちゃん:ごめんねぇ、カレー少し時間かかるけど、どうする?
ピッキー:なんですと!?仕方ないなあ、じゃあ天玉そばで

おばちゃん:あいよ〜!
ピッキー:今日はすごい雪だけど、この時期はいつもこんなもんなの?
おばちゃん:いいえ、今日は特別ですよ。この辺は海っぺりだから岩手県内でもはそんなに降らないんだけどね

まる子:ぷぷぷ! o(^。^)

そばで聞いていたまるちゃんが吹き出す。

まる子:すみません、今日は人間低気圧が来ているものですから
おばちゃん:あら、そうなの?明日は成人式だから大変なのよねぇ

隊長のおかげで今年の久慈の新成人にはきつい洗礼となってしまった。

待合室のストーブは(おそらく地元の)高貴高齢者の方々に占領されていたので、我々は少し離れた窓際のベンチでソバをすする。

おおっ、まいうー(^〜^)

けっこうイケます、ここのソバ。
無難なところで普通に天玉そばを注文してしまったが、土地柄のせいか、めかぶ、ほたて・・・など海産系の具が充実しており、時間があってもなくてもおススメ。

あとソバだけでは足りないかな?とこの時、一緒に食した「ツイストようかん」
普通はツイストパンといえばチョコがかかっているのですが、岩手ではようかんなのだろうか?
食してみると懐かしの「シベリア」的な味でこれまたなかなかまいう〜。
久慈駅・・・なかなかあなどれないグルメスポットなのかもしれない。

お昼は駅内の立ち食いソバ
ツイストようかん

そうこうしてるうちに時間は13:00
Pi-子隊長:レンタカー屋さんが迎えに来てくれるんだよね?

ここからレンタカーで移動の予定だが、久慈市内で検索してヒットしたレンタカー屋は2件のみ。
そのうちの1件は値段等の情報に乏しかったため、もう1件の○ツダレンタカーを手配
しかし、○ツダレンタカーは駅前ではなかったので、電話して聞いてみると都合のよい時間に迎えに来てくれるということだったのだが・・・約束の時間を過ぎてもレンタカーは現れない

ピッキー:電話してみます。・・・あ、もしもし、今日レンタカー予約している者ですが・・・あ、はい・・・あ〜、そうですか。分かりました〜。
Pi-子隊長:どうだった?
ピッキー:「今、出たところです」だって。
るむ:ソバ屋の出前?(^_^;A


まる子:見てみて、駅のパンフレット見てたんだけど、こんな所あるんだね「琥珀博物館」だって。ちょっと面白そうじゃない?
Pi-子隊長:・・・・・・・・・ああ、そこは最終日に時間が余ったら行ってもいいかと思ってたんだけど、今日行ってもいいよ。

ピッキー:あ、あれかな、レンタカー。

ナンバープレートを見ると「わ」ナンバー・・・だが、駅前に車を停車したきり、人が出てくる気配がない。
あれだ!と思い込んで乗ったら違う人が予約したレンタカーでした〜・・・なんていったら恥ずかしいし
でも駅の中に観光客っぽい人間って自分たちぐらいしかいいないし(おろおろ)

どうゆうわけかみんなの視線をオレが独り占めしているぞ!
確かにレンタカー予約したのオレだし、運転するのもオレだし
だからって「とっとと偵察に行ってこい」的な目で見るなんてひどいや、ひどいや (;_;)

誰一人として動く気配なし。
仕方ない、私が行ってきますか!
おそるおそる「わ」ナンバーの車に近寄っていくと・・・

プッ (注:オナラではなくクラクションの音)

これまた窓も開けずクラクションで返答・・・「乗れ」ということなのだろうか
大雪なので面倒くさいのかかもしれないが、客商売とは思えぬやる気のなさだ。

しかし、このクラクションで確信をしたので、荷物を持って車へ乗り込む。

レンタカーおやじ:いやあ、ひどい雪ですね。普段はこんなに降らないんですけどねぇ。
いえ、もう覚悟はできてます、我々。ある人物がいる以上・・・



車で約5分ほど走るとレンタカー屋に到着。
・・・なんだ、近いじゃねぇか

しかし、レンタカーというよりは整備所のような感じ。
もしかしたら、レンタカーというのは片手間的で、実は整備所だったのかもしれない。
雪をかぶっていたのでよく分からんが、こちらとしては車が借りれればどうでもいいのだが。

一通り手続きを済ませ、カーナビを琥珀博物館にセット

ようやく出発進行!

Pi-子隊長:あれ?レンタカー屋で大まかな場所聞いておいたけど、真逆だよ。
るむ:でもナビがいうんだからいいんじゃない?
Pi-子隊長:怪しいな。前にもナビで遠回りさせられたこともあったし。
ピッキー:検索条件を変えてみたら?


適当な駐車スペースで車を止めて、再セット。
まる子:電話番号だとさっきと同じだね。
るむ:あれ、もう一つのパンフレット見ると、電話番号が違うよ。
Pi-子隊長:じゃ、そっちの電話番号入れてみようか。


ピポパっと
今度は「琥珀博物館」と表示が出てきたので間違いないだろう。
最初のは電話番号は古いか、ミスプリントだろう。
どうも雪といい、レンタカーといい、カーナビといい、岩手は一筋縄ではいかないようだ。

とりあえず、車を方向転換して、再度出発進行!

しかし、車の運転が久々の上、この大雪で視界が悪いし、滑るし、かなりの悪条件だ。

るむ:気をつけて、私も運転できるからね
ピッキー:疲れたら頼むよ
(オレがしばらくがんばらねば)
くりりん:私も運転できますよ、免許取たてだけど・・・
ピッキー:うん、ありがとう
(俺の勇姿を見ていてくれ、くりりんちゃん)
まる子:アルコールはまだ入っているよね
ピッキー:ヘイ、まだそれほど走ってません
(ガソリンの間違いでは?)
Pi-子隊長:私も応援しておるぞ
ピッキー:せめて寝ないでくれ・・・

いつだって一枚岩のチームアドベンチャー


幻想的な景色(運転は怖いが・・・)
国道281号からカーナビにしたがって一本道を左折すると、道はどんどん狭く、山道になっていく
そうじゃなくても悪天候、慣れない雪道
対向車がきたらどうしよう、これ以上降ったら帰りはどうしよう・・・

くりりん:うわ〜、きれ〜い!
おれの不安が深くなるにつれ、周りの景色は雪化粧され幻想的になっていた。

くりりん:私、福島より北に来たの初めてなんですよ。感動です!
くりりんちゃんがこの景色を堪能してくれれば幸いというものだ。
下がりかけてたテンションがアップ!

Pi-子隊長:でもさぁ、これで「琥珀博物館、大雪の為、臨時休業」だったら笑えるよねぇ
笑えん!!

今の隊長の発言で上がりかけてたテンションがダウン!

でも、実際に車一台すれ違わないとその不安は大きくなる。
本当に営業しているのだろうか・・・


駐車というより雪につっこんでる感じ・・・
このまま進んでいいものかどうか不安になってきた時、ふと開けた場所に出た。
るむ:あ、あそこじゃん?琥珀博物館。
おおっ、それらしい建物発見(つーか、建物それしかないけど)
建物は電気ついてるし、駐車場らしき所(雪でよく分からん)には数台の車が停まっている。

少しほっとしつつ駐車場に車をIN!
白線も見えないので、かなり適当に車を停める・・・ってか、収まりが悪いように見えたので直そうとするがスリップして動かねぇ!

職員のお姉さん:駐車場に入っているので、その位置で大丈夫ですよ。
オレの悪戦苦闘ぶりが見えたのか、職員のお姉さんが館内から出てきてこう言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。
出る時どうすんだ・・・という一抹の不安を抱えながら・・・

いざ、琥珀博物館に入らん!

中に入るといきなり巨大なラグビーボールみたいなモノがお出迎え
職員のお姉さん:これは「太陽の石」と言いまして、琥珀をシンボリックにデザインした体験カプセルです。ギリシャ神話の「2つの太陽」がモチーフになってるんですよ。
ギリシャ神話の「2つの太陽」とは・・・
太陽神アポロンの息子パエトンは太陽の馬車を暴走させた為、環境破壊を心配したゼウスの雷を打たれ、川に墜落し死亡。
パエトンの死を悲しんで姉妹が流した涙が固まって琥珀となったという話らしい。

Pi-子隊長:そんな伝説があるんだ。私はてっきりエイリアンの卵の巨大版かと・・・
これだからロマンのかけらもない人間はイヤだ。

太陽の石
中はこんな感じ


館内にはいろいろな種類の琥珀、どうやって琥珀ができるのか、などの展示がある。

琥珀とは、数千万年〜数億年前の樹脂が土砂などに埋もれ化石化したもの・・・言わば「樹脂の化石」
中に昆虫や葉っぱなどが一緒にかたまったものがあり、映画「ジェラシックパーク」を彷彿させる。(映画では琥珀の中に閉じ込められた蚊の化石から、恐竜のDNAを取り出し、復活させた。)

自分は知らなかったが久慈は琥珀で有名な所らしい。
その歴史がかなり古く、古代から大和朝廷(奈良)へ琥珀が運ばれていたのだそうだ。
その道は"シルクロード"ならぬ"アンバー(琥珀)ルート"というらしい。

また琥珀は国内では久慈の他に銚子(千葉)、海外ではバルト海沿岸、撫順(中国)、ドミニカ共和国でとれるとのこと。
それら古今東西の琥珀が展示されており、色が茶褐色だったり、淡いビールのような色だったり、琥珀のできた場所、年代によって違うというのが分かって面白い。

そして琥珀博物館の新館・本館を経て、我々はたいへん危険な場所に足を踏み入れてしまった。

まる子:展示はここまで、この先は「琥珀ショップ」だって
まる姐さん、声も足取りも非常に軽くなっております。
くりりんちゃん以外は全員想定内の事態でありますが・・・

ショップの店員:こちらもお客様にお似合いですよ
まる子:あ〜、それもいいけど、こっちもいいかな〜・・・
ショップの店員:そちらもたいへん品質がいい物なんですよ。さすがお目が高い!

ぶっちゃけ、こんなやりとりが30分以上続いている。

くりりん:すご〜い、まる子さん琥珀買うんだ。大人だなぁ
Pi-子隊長:いや、大人とかって問題じゃあ・・・

ああ、懐かしいなぁ、山梨のお買い物ツアー(日本一!?お買いもんミステリツアー編参照)

まる子:お待ちどうさま
ようやく購入したようだ。

Pi-子隊長:どれ買ったの?久慈産?
まる子:ううん、バルト産。久慈のは高いんだもん。

確かに久慈産の琥珀は赤みを帯びた茶褐色、縞目模様など渋めの色が多く、また値段も高いので、もうちょっと年配者向けかもしれない。
まぁ、人それぞれの好みですけどね。


琥珀が採掘された坑道跡
あと、ここで店員さんに教えてもらったことは、琥珀は時間の経過と共に色が変わっていくという事だ。
今回、まる姐さんが買ったのは薄いあめ色に斑点が入ったものだが、時の流れと共に少しずつ琥珀色、いわゆるウィスキーのような色に変化していくらしい。

ショップを出た後は琥珀坑道跡を見学
琥珀発掘坑道を一般公開しているのは世界でここだけなのだそうだ。
大正7年頃まで実際に琥珀が採掘された坑道跡で、中には採掘方法の展示、岩盤から顔を出した琥珀原石がある(ショップの店員さん曰く)のだが、いかんせん暗くてよく分からん。
中に照明がついてはいるのだが、いつでもどこでも我々には川口浩(ヘッドランプ)が必要ということがよく分かった。

坑道を出ると、駐車場に戻った。
まだ4時ちょっと前だが、今夜のお宿は宮古なのでぼちぼち出発したいところだ。
雪はようやく止みつつあったが、そうなると道路の凍結が恐ろしい。

駐車場の付近、新館前では職員の方々がスコップを手に雪かきしていた。
Pi-子隊長:たいへんだね〜
誰のせいだと思ってるんだ!?

では宮古まで出発進行!

が、しかし、案の定タイヤがスリップして動かない。
ピッキー:スタッドレスタイヤなのに!?
Pi-子隊長:スタッドレスっていっても、こんだけ雪に埋もれてちゃあね〜


再び悪戦苦闘ぶりが見えたのか、雪かきしている職員さんたちが総出で車の周りの雪をかき、車を押してくれたので、どうにか脱出することができた。
皆さん、どうもありがとうございました。

宮古まではおよそ70kmもの距離。
不安は大きいが、いざとなればるむさんのドラテクに期待だ。

(ピッキー)



(お役立ちリンク)
琥珀博物館  静かな森の中にある博物館。久慈琥珀博物館では「琥珀」の不思議な魅力を体感することができます。
また見るだけではなく、オリジナルの琥珀アクセサリーを作ったり、琥珀採掘体験することもできます。(要予約)