いよいよ彩色です。
溶き油で薄めたイエローオーカーとバーミリオンで、人体を描いていきます。
最暗部が暖色で表現できるというのは驚きでした。
下層描きのグレーが、寒色の役割をしてくれるので、できるだけ寒色を使わずに限られた色だけで描いていきました。
一番白いところは、出来るだけ下層描きの白を利用します。

(5日目・透明色で彩色)

スクーリング (2005/8)No.2

(1〜3日目・下層描き・・・グリザイユ)

(6日目・不透明色も入れて彩色)

(4日目・乾燥日)

         
          ルーベンスやレンブラントの時代の絵画は、
          最も油絵の具の特性を生かしているということです。
          つまり不透明性をベースに、透明性を生かすというもの。
          さて、巨匠達のテクニックを体験・・・。
           

グリザイユとは、白黒の下層描きのことです。
溶き油は使わずに、絵の具のみの厚塗りでどんどん描いて行きました。
この技法は、この時点の絵の具が90パーセントを占めているそうです。
彩色はほんの10パーセント。
白黒といっても、一番濃い部分は白6割+黒4割のグレーなので、なかなか描きにくいのです。
全体的に白めに仕上げるのがポイントです。

いよいよクライマックスです。
最終的に形を取り直しながら、不透明色や寒色も入れて描き上げます。
頭が少し小さかったので、大きくしました。
そのほうが腕のボリューム感が出るので不思議です。


巨匠達の技法は、意外と地味・・・というか、緻密でした。
ルーベンスのあの透き通るような美しい裸体は、このような方法で描かれていたなんて。
知る事が出来て感激です !



最後の授業は、調度いい気分転換になりました。

2日目に雨が降りましたが、これは貴重な経験、どんな絵になるんだろう・・・とワクワクしながら描きました。
パレットに水がしたたっても、油絵の具なのでへっちゃらです。
合羽を着込んで、イーゼルには傘を縛りつけ、意外と快適に描いていました。

今回は構図が上手くいったと思います。
タッチは、不透明水彩とそっくりになったのでちょっと驚いています。
下地を塗っておいたのが良かったのか、いつものように厚塗りにはなりませんでした。
木を描くのに苦心しましたが、ずっと見ているうちに、葉っぱの面のつながりが少しづつ見えてきて、見方が変わったことに驚きました。
最後まで素直に楽しく描けたので、大満足です。

 
 スクーリングが終わってから、自分の身の回りのもの、どれも描いてみたい!
と思うようになっていました。不思議です・・・。
スクーリングマジック?
絵を描くって本当に楽しいことですね。

「ありがとうございました!」

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