2005/8 スクーリング作品

今年も暑い中、無事に休むことなく、学校に通うことが出来ました。
良かった良かった・・・。

スクーリングで様々な人たちと教室を共にし、制作することで、
良い刺激を受けながら、絵を描く楽しさを再発見できました。

本当に学校というところは、様々なきっかけを与えてくれるものです・・・

<彫塑>

私は昔から、立体を作るのが苦手でした。
なので今回の作品は自分にとっては上出来なのです。

粘土で作ったものを、石膏取りして、今度は石膏で形を取り直していく、そんな作業でした。
とにかく初めての体験ばかりで、思った以上に重労働でした。
最後には使った教室を丸ごと水洗い・・・すごい。

 彫塑室の周りは、まるで世界の果て・・・、すごくシュールな光景です。
学校の一番奥にあって、塀の向こうは広い畑と墓地・・・
後は青い空が広がっているのです。
そして、周りには学生さんの習作がゴロゴロ。
石彫なんかがたくさん転がっています。

 一週間、モデルさんを見続けていましたが、人間のパーツって、こうもそれぞれに違うものなのかと感心してしまいました。鼻は洋ナシみたいだし、肌は凹凸が少なくて、ツルンとしていて、唇の下に、くっきりとくぼみがあるんです。
これは自分にはない要素ばかりなので、なかなか難しいものでした。
見るという行為は、すぐ観念的になったり、自分の興味のあるものだけを見てしまったりで、なかなか全体を素直に見ることって難しい・・・こうしてじっくり、他人の顔を見たことはあまりなかった。それだけでも勉強かもしれません。



 この授業では、一日目にクロッキーをしました。
先生がクロッキーを見て、「油絵につながるクロッキーをしなさい」とおっしゃいました。
私はそのときは意味が分かりませんでした。
クロッキーというのは、短時間で形体の輪郭を線のリズムで表現するものだと思っていたからです。
でも、授業が終わって、うちで絵を描き始めて、やっと意味が分かりました。勢いに任せて描くのではなく、その形を丁寧に追って行ってあげることが、クロッキーにも大切だと言うことなのでしょう。最近はクロッキーもスケッチのように丁寧に描いています。それがとても楽しいのです。

 油彩の方は、見た通りに描くのではなく、自分なりの表現になるように、構図にも気を配りました。現代人の光と影を描きたくて、このように画面を区切ってみました。人物は流れるときの中にうずくまり、考え込んでいる自分自身の投影かも知れません。お地蔵さんのように描きたくなり、そうしました。
 構図の勉強は、良い絵をたくさん見ることだそうです。
そして実際に描いてみること。
意識するだけでも、やはり違ってくることを実感しました。

 ずっと見ていると、形の法則が少しずつ見えてきて、その瞬間は感動的です。ゴチャゴチャしていたものが、段々整理されてくるのです。それは静物でも、風景でも同じだと思います。

<絵画U>
2005-スクーリング NEXT