双神のエルヴィナ 水沢夢(ガガガ文庫)
ヤバい女神と契約した少年の恋と戦いの物語。
次の創造神、すなわち天界の支配者を決めるため太古のように暴力で覇を競い始めた女神たち。
そしてその争いの炎は人間界にまでも及び―――と、物語の背景はかなりシリアスではありますが
前作「俺、ツインテールになります。」と同じく、ボケ成分が多めなので読み味は基本軽め。
また、前作が戦隊変身ヒーローものだったのに対し、今作は巨大変身ヒーローものになっており
前作同様、クライマックスシーンにおける演出と盛り上がりは熱いの一言。
まあ、出てくる女神が基本ヤバイのばっかりだったりと、前作に劣らぬ狂気もバッチリなのですが。
ラブコメ面は主人公が初恋の女神一筋であるため、それが誰なのかが判明してからが本番?
主人公は女神に初恋をした、小学生にして一企業の社長を務めている創条コンツェルンの御曹司。
命の消えかけた一人の女神に思わず手を差し伸べた結果、彼女と命を共有することに。
真面目で責任感が強く、ポジティブで純真一途な性格。女神のこととなると熱くなりがち。
女神に相応しい男になろうと邁進し続けたため、スペックは文武両道。サバイバル能力も高い。
色恋に関しては、幼い頃から女神への恋に一途だったせいで女性に対しての免疫はなかったりする。
ヒロインは最強の女神。サブに元ヤンメイド、恋愛博士女神、最長老女神なども。
一番のお気に入りは邪悪女神の最高峰に位置する十二人の女神の一人にして天界最強の六枚翼、エルヴィナ。
艶やかな紺碧の長髪、宝石のように煌めく紅の瞳、透き通るような白磁の肌の美少女。
常にクールで傲岸不遜だが、好奇心が旺盛で人間界に来てからは色々なものに興味を示している。
数万年生きる中で中二病を発症してしまっており、数十年かけて銃の構え方を二兆通り試したりと
かっこよさの追求に余念がなく、普段の言動においても持って回ったような言い方をすることが多い。
現時点(四巻)においての評価はC。
正義と信念を持つ小学生な主人公! 巨大生物同士のバトル! 世界の覇権を賭けた女神たちの争い!
と、古き良き王道ヒーローものの雰囲気が漂っている当作品ですが、流石前作でツインテールという狂気を
前面に押し出していた作者の作品だけあって、イロモノ臭もかなり強いです。
女神が完全に人類の敵というか、まんまウルト〇マンに出てくる怪獣ポジにしか見えないもんなぁ…
キャラに関しては、初恋のために努力を重ね、自分を高め続けるというとても小学生とは思えない。
否、小学生だからこその一途な情熱と有能っぷりを見せてくれる主人公が実にヒーローしていていいですね。
相方であるメインヒロインのエルヴィナの不器用な恋する乙女っぷりも素晴らしいです。
本筋は色々な事実が明らかになる中、倒すべき邪悪女神の三人目を撃破。
しかし邪悪女神たちもそれぞれの思惑を抱えながら、遂に全員が姿を現して…?