俺、ツインテールになります。 水沢夢(ガガガ文庫)
異世界からの侵略者から世界を護るために、変身して戦う少年少女たちのバトルアクションストーリー。
一応分類的には熱血系変身ヒーロー(ヒロイン)戦隊ものといってよいとは思いますが…
実際は変態と変態が全力でシリアスに馬鹿そのものな争いを繰り広げる、そんなお話です。
なにせ主人公(男)がツインテールへの想いを力にして幼女に変身して戦う、という構図がメインですからねぇw
色んな意味で期待を裏切られること間違いなしかと。でも何故か文句なく面白い。
ラストは敵首領を撃破し、そしてツインテールを愛する少年は今日も変身するのだったエンド。
ラブコメ的には決着つかずで終了。まあ、状況的に将来はハーレムエンドが濃厚だとは思いますが。
二十一巻にて未来から娘が来ていたため、結婚して子供を作るのは確定の模様。
主人公はツインテール幼女(テイルレッド)に変身し、悪の変態集団と戦うことになった少年。
生態の域でのツインテール好きであり、もはや条件反射でツインテールに反応するほど。
普段は優しく正義感が強いが、同時に物事を信じやすく騙されやすい、危なっかしい性格。
思春期男子の持つ性欲の大半がツインテールへの執着に転化されており、色恋沙汰にはかなり淡白で鈍感。
また、テンパりやすい気性であり、アドリブ力が全くない。
ヒロインは変態巨乳科学者、凶暴貧乳幼馴染、ロリ体型会長、婚期に焦るメイド長、眼鏡属性なストーカー。
ポニーテール俺っ娘、腹黒純粋無垢な姉姫、ツンデレ妹姫。
一番のお気に入りは第三の戦士、テイルイエローとして戦う神堂慧理那。
名家のお嬢様であり、主人公の通う学校の生徒会長。立場に違わず立ち振る舞いが大人びているが
背格好が幼いため子供っぽく見られることを嫌い、心の中では本当の自分を見て欲しがっている。
本編中にその悩みは主人公が解決するものの、それが悪い方に長じて、ドM&露出願望を抱くように。
ヒーロー、特に子供番組のヒーローに憧れていて、戦闘中でもヒーローもののお約束を遵守しようとしたり
私生活ではその手のグッズを買い集めていたりと並々ならぬ拘りがあったり。
評価はA。
愛する属性という名の信条をぶつけあう、問答無用の説得力とテンション優先のバトルが実に楽しい。
やたらと未来に生きている世間の皆様の反応など、コメディ色の強い雰囲気も笑いを誘います。
正に「考えるな、感じろ!」「深く考えたら負け」という言葉がピッタリな作品でした。
個人的に特筆したいのは、幼馴染の愛香はすぐに手を出すタイプのいわゆる暴力型ヒロインなのですが
その暴力の矛先が、同じヒロインであるトゥアール(と敵対組織)に集中しているという点でしょうか。
この手のヒロインは主人公にばかり手を出すのがお約束なので、相手が痴女とはいえ、新鮮に感じました。
本筋は読んでいるうちにツインテールでゲシュタルト崩壊しそうなことを除けば、特撮戦隊ヒーローものらしい
王道っぷりが実に気持ちよかったです。特に最終巻のタイトル回収からの二連続見開き挿絵付き変身シーンは
冷静に考えて見ると字面も絵面も明らかにおかしいのに、燃えが物凄かったですし。