両手に妹。   恵比須清司(富士見ファンタジア文庫)



ひとりの兄を巡る、姉妹たちの絶対に負けられないホームラブコメディストーリー。
かつて兄妹同然に育った二人の仲良し姉妹。家庭の事情により彼女たちが暮らす家に引き取られることになった
主人公だが、久々に再会した二人は美しく、可愛く成長していただけでなく、主人公を巡って喧嘩ばかり。
というのがストーリーの基本骨子ですね。大枠としては一つ屋根の下同居ラブコメになります。
作者さんの前作「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」同様、ヒロインが妹属性持ちとなっていますが
こちらの妹は血が繋がっておらず、しかも数は二人とラブコメ展開がマシマシになっている印象。
ラブコメ面はこれ、最終的に姉妹のどちらを選んでも選ばれなかったほうは諦めないですよね絶対。

主人公はこの春から月城家に家族の一員として居候になる高校二年生の少年。
両親の離婚、冷え切った家庭での生活を経験していることから、家族というものに対する強い憧れを持っており
そのため、家族という単語をダシにすればほとんどのことを納得し、受け入れてしまうところがある。
また、自身に向けられる善意や好意からなる押しに弱かったりと、総じて言えばチョロい。
公言してはいないが、ラノベ、マンガ、ゲーム、アニメをなくてはならない心の栄養とするガチオタ。
趣味は家族モノ作品の観賞。好きなものは家族との時間。嫌いなものは父親、孤独。

ヒロインは頭脳明晰な長女、スポーツ万能な次女、プロゲーマーな同級生。サブに男前な委員長なども。
一番のお気に入りは月城姉妹の従姉妹にして主人公の前の学校でのクラスメイト、葉山美咲。
少し色素の薄い長髪に、パッチリとしながらも優し気な雰囲気の瞳の美少女(スリーサイズは89/53/84)
ゲーム好きが高じた結果、その実力を見込まれスカウトされ、今ではネットで人気の美少女過ぎるプロゲーマー
「MISAKI」として活動中。動画サイト配信は勿論、グラビア写真集発売など活躍は多岐に渡っている。
控えめで大人しく、教室では地味だが、気配りができて親切、人当たりの良い性格をしている。
好きなものはゲーム全般とペンギン。嫌いなものはゲームで途中切断する人。
過去、家庭のことで悩んでいた時、支えてもらったことが切欠となり主人公に好意を抱くようになった。

現時点(二巻)においての評価はC。
ホームコメディを謳っているだけに、同居人がヒロインたちだけではないのが特徴ですね。
この手の作品は親、ないしは保護者に当たるキャラは何らかの事情で家にいないのがデフォルトですし。
仮に同居していたとしても、仕事の都合などで出番が少なく、あまり主人公たちに絡んでこない。
というのが常なので、この作品のようにきちんと親としての存在感を出しているのは結構新鮮味があります。
それがマイナス要素になっているかと言えば否ですし、良い意味で独特の味を出しているかと。
内容はちゃんと「恋の成就のために争う姉妹、仲裁に苦労する主人公」という構図で一貫していますしね。
マンネリ感の打破にもなっていますし、なんならヒロインたちより好感を持てるかも。特に父親w
本筋はタイトルに反して三人目のヒロインが登場。妹キャラではないのでセーフってことなんだろうか…?