らぶなどーる! 上月司(電撃文庫)
主人公の少年がキモカワイイ着ぐるみの中の人として奮闘する、学園ラブコメディ。
前作「れでぃ×ばと!」とは違い、環境やキャラによる理不尽度は下がっている印象。
まあいきなり住居が燃えて、女の子しか住んでないアパートに住むことになったりするのは十分理不尽ですが。
方向性としては、キャラ同士の掛け合いをメインにしたラブコメの模様。
女子ばかりに囲まれた環境で苦労する主人公、という王道な設定なため、ある意味安心して読めます。
あとはこの作品独自の要素である、着ぐるみがどう活かされるのかに注目でしょうか。
今のところはイベント発生装置として扱われているようですが…
主人公は物語開始早々、一人暮らしをしていた自分の部屋が火事にあい、住む所がなくなった少年。
これだけ聞くと実に不幸ではあるが、そのあと美少女だらけのアパートに入居できているので悪運はある模様。
体格・容姿・運動神経・学力・コミュ能力等全てが普通で、正に「どこにでもいるような存在」を体現している。
ただ、そのせいで影が薄くなってしまっているため、親しい人間以外には名前すらまともに覚えてもらえない。
逆を言えば、大概のところにはいつの間にか溶け込むことができる。
人間的には特に尖ったところももなく、絵に描いたような草食系男子。
しかし、人畜無害な印象とは裏腹に、妄想にふけったりエロ視線を女の子に向けたりと年頃の少年らしいところも。
良い意味で諦めが悪い性格で、一度やると決めたことは必ずやり通す頑固さを持っている。
何故そこまで、というレベルで飛行機が苦手。
ヒロインはぼっちな優等生、男勝りな元気姉、眼鏡な妹、有名人な生徒会長。
それと、いずれ参入してきそうな妹の存在も。
一番のお気に入りはロングの黒髪がトレードマークなぼっち委員長こと百合川雛姫。
クラス委員長で生徒会副会長。才色兼備な優等生で、周囲からはクールビューティーなイメージが定着している。
学園でもトップクラスの美人であり、当然男子生徒からの人気も凄い。
しかし本人は告白を容赦なく断り続けており、「孤高の百合姫」の通称がつけられている。
が、その実態は友達がいないことを気にしまくっているぼっち少女。
しかも、男女関係の情報源が漫画(エロいやつ)なため、妄想過多な発想をすることが多く
友達という存在に対してやたら憧れを抱いていたりとちょっと変わったところがあったりする。
現時点(三巻)においての評価はC。
全体的に手堅い作品だと思います。キャラに嫌味がなく、理不尽さが控えめなのも良し。
ただ、明確なゴールというか、終着点が設定されていないのが気になるところ。
メインヒロインの雛姫とくっつくまでをいろんなイベントを絡めて行くのかな?
参戦してきた他のヒロインもあわせて、ヒロイン側が主人公を攻略していく展開が主軸になる様子。