れでぃ×ばと!   上月司(電撃文庫)



お嬢様&執事(メイドも)養成学園を舞台に繰り広げられるラブコメもの。
ギャルゲの設定でよくありそうなパターンで、実際中身もそんな感じだったりします。
全体的には、良くも悪くも印象通りの作品といったところ。
素直にラブコメとキャラの可愛さを楽しむべき作品だと思います。
むにゅうさんのイラストはエロ可愛くて素晴らしいです、てか十二巻とかいいのかあれw
十三巻完結で、ラストは始まったばかりだからな、俺の執事坂は…エンド。
恋愛も人間関係も未来についても、何一つ決着はつかないまま終了。
これを妄想の余地があると好意的に見るか、打ち切り同然じゃねーかと悪意的に見るか、悩むところである。

主人公は外見が強面すぎるがために、まず第一印象で損をしている執事見習いの少年。
しかしその内面は、外面に反して優柔不断でヘタレでビビリとやや見掛け倒しだったりする。
面倒見がよく、家庭的で物事に誠実であろうとする美点があり、女性関係は鈍感ではあるが気が利くところも。
が、やはりこれも外面のせいであまり認知されていない。
しかし彼の良さをきちんとわかっている女性にはほぼ例外なく好意を抱かれているというモテ男、もげろ。
チェスが得意で結構強い、欠点はアルコールに弱い(摂取すると性格が変わる)こと。

ヒロインは腹黒幼馴染、ドリルお嬢様、合法ロリ先輩、中東お嬢様、男装少女、ボケボケ巨乳姉妹。
あと、オタク王女様、クールビューティー教師、中華眼鏡娘、従妹(出番少ないけど)
このあたりも真剣に告白すればOK出してくれるレベルの好意があると思われる。
が、当の主人公はメインの二人しか恋愛的に意識していない様子で読者視点だともげろとしかいいようがない。
一番のお気に入りはクールビューティーな眼鏡メイド教師、深閑。
親友である理事長にいつも振り回されている苦労人で、普段は氷のように冷たい態度で毅然としている。
しかし意外にも時折純情な反応を示すこともあり、そこが実に可愛らしい。
特に体育祭のブルマ姿、雪山の小屋で暖め合う、オイルを塗るなどのイベントはご馳走様でしたといわざるを得ない。
ヒロインとしては勝者の目はない(というかそもそもヒロインといっていいかすら微妙)彼女ですが、問題なし!

評価はC。
なんだろう、期待通りに未来は誰にもわからないエンドになったのに、全然しっくりこない。
というか、恋愛面で決着がつかなかったのはいいんですが、物語として完結してないんですよね。
消化されていない伏線も多いし、ぶっちゃけ打ち切りにしか見えない。今までの積み重ねはなんだったのかと。
まあ、その分色々と想像の余地があるのはハーレムスキーとしてはいいことなのですが。
一応作者さんも可能性については否定してませんでしたし。
でも最終ヒロイン候補の中に深閑がいなかったことは許さない、絶対にだ!
正直、みみな先輩やピナより可能性としては高い存在でしょうに…!
あと、結局最後まで性別バレしなかった大地乙。でもポジション的には実に正妻である。