剣風斬花のソーサリーライム 千羽十訊(GA文庫)
英霊の武器で神話を超える、王道バトルアクションストーリー。
世界の半分が異世界に侵蝕されている現代地球を舞台にした学園異能バトルものです。
物語上の存在だった幻想生物がメインの敵となりますが、人類側にも派閥同士の対立があるため纏まりがなく
目の前の敵さえ倒せばいい、とはいかないところが物語に深みを作り出していますね。
また、前作「神楽剣舞のエアリアル」同様、スピード感と緊迫感溢れるバトルは見応え十分。
ラブコメ面は三人のヒロインが主人公争奪戦に名乗りを上げるも、決着は十年後以降になる模様。
主人公は統合戦術学院「高天原」に転入してきた派閥無所属の少年。
魔眼「アカシャの眼」を持つと言われ、太刀の他、回転弾倉が銃身の先の方にある銃や苦無を扱う。
どこか達観したような飄々とした態度と江戸っ子風の口調が合わさって若年寄のような印象があるが
親しい者には気さくであり、悪ふざけの言動など年齢相応の一面を見せることもしばしば。
頭の出来はあまりよくないが素直で誠実な性格をしており、仲間を貶されることを一等嫌っている。
ヒロインはサブカル好きな魔術士、勝気な新人騎士、不思議ちゃんシスター。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(二巻)においての評価はC。
英霊の魂を宿す武器に異能、敵は幻想の生物。ビジュアル的に浪漫全開過ぎて燃える作品です。
世界観自体は終末後ということで重く見えますが、閉塞感を吹き飛ばす十分な熱さがありますしね。
キャラに関しては、やや老成気味ながらも己の心にまっすぐ素直で頼れる主人公が見ていて気持ちいい。
ヒロインたちも、合間合間で一人の女の子としての可愛らしさが良く出ていてグッド。
本筋は幻想によって奪われた世界を取り戻すために戦う主人公たちの姿が描かれていくようですが
解放すべき領域の広大さや敵の圧倒的物量、そして主人公の力を危険視する人類組織の存在など
ハッピーエンドまでの道のりは遠く険しい模様。というかこれ最終的にどうにかなるのだろうか…