12月7日

眠い目をこすりこすり、長袖長ズボンに着替える(寒いからではなく、ウルル登頂対策)。
窓から外を見ると、まだ暗く、星が見える。
朝日はまだ。これからウルルのサンライズを見に出掛けるのだから、当たり前だ!

フロントでお弁当(朝食のサンドイッチ)を受け取り、売店で水を買う。
(ウルルに登る人は、夏期は1リットル以上所持しなければならない。事前チェックあり)
バスに乗り、昨日のサンセットと同じポイントへ移動。サンドイッチを食べながら、朝日に輝くウルルを眺める。

私の知っているウルルは、この景色の「ウルル」だけだったなぁ…とふと思った。
写真の裏側のウルルは、私の想像を遥かに越えている。訪れて観て触れて知ることの多さを、改めて実感したほど。

ウルルは、まさに「あなたが何枚の写真を見たかなど問題ではない。初めて見た時の感動に勝るものはない。例え遠く離れて見ても、古代の魂の力に圧倒するだろう」…だった。
これからウルルに登頂してさらに印象が変わるのだろうか??


ウルル(エアーズ・ロック)
高さ348メートル、
周囲9.4キロにおよぶ巨大な一枚岩。
その3分の2は、地下に埋まっているとされる。
エア−ズロックは西洋人が勝手につけた名前。
先住民アボリジニにとっては聖地である。


体力への不安を抱きつつ(笑)、登頂ゲートへバス移動。
登頂コースは、往復約2時間・片道1・6キロだそうだ。距離は短いが、斜面はかなりきつく、滑りやすいという。

登頂口から見える部分で、斜面は45度弱。急な斜面では、75度〜90度のところもあるとか!

登頂ゲートなり

ここでは3時間ほど自由行動になった。
体力に自信がない人や聖地に登るのは反対という人は、もちろん登頂しなくてもいい。

私たちは、軍手をはめて、登頂準備OKの体制。
登頂口では「ウルルに登らないで」というアボリジニの立て札が目に入ったが、「アボリジニのみなさんゴメンナサイ」と思いつつ、登頂を開始。

この角度って・・・

登り始めは、まぁこんなものか…って感じ。
ところが、途中から傾斜が増して、鎖なしでは登れなくなって来た。
笑顔も消える。

ギブアップしてしまう人もいるらしく、この辺りを「チキン(臆病もの)ロック」と呼ぶそうだ。
ゆっくりゆっくり、細い鎖を頼りに登り続けた。途中写真を撮ったりしながら。

キツイ!とにかく、キツイ。強い風で口が渇くのもツライ。
それに高所恐怖症の人には、耐え難い恐怖。ウルルが東京タワー以上に高い岩だということを忘れていた。

急な斜面を登りきると、今度はアップダウンが激しい険しい道となった。平たんになったり、下ったり。四つんばいになって登った所もあった。
この辺りは鎖がないので、登頂コースを外れて遭難しないように注意しながら進む。道を外れて転落死する観光客も居るそうだ。

さすがに私はバテぎみ。そんな私を、Aは見捨てて(!)ひとり歩き始める。
ほかの新婚さんは、新郎が新婦の手を引いてラブラブの登頂をしているのに…

Aより遅れること数分、ウルル頂上に到達!!!
途中で「もういいや」って思ったけど(笑)、達成できると嬉しいものだね。
360度ぐるっと見渡して、記念に写真を撮る。

てっぺんにあるのはコレだけ

集合の時間もある為、少し休んで下岩開始。
高所恐怖症の私には、下りはさらにツラかった…
あまりに急なところは、すべり台みたいにお尻で下りたので、ズボンが擦れて毛玉になっていた。

登頂ゲートに戻ってくると、冷たい麦茶とオシボリが用意されていた。
オシボリで汚れた手を拭くと、結婚指輪に傷がついていてビックリ。そういえば、途中、軍手を外してたんだっけ。
Aに話すと、「結婚指輪に傷をつけるとは!」と怒っていたが、私は逆のことを考えていた。
「ウルル登頂で出来た傷かぁ。いい記念だわ。ムフフ」

ガイドさんから「エアーズロック登頂証明書」が配られた。
頑張った甲斐があったなぁ。

次は、ウルル麓の散策へ。
登頂口の南側の駐車場から出発して、ムティジュルと呼ばれる池を訪れる。
そこはアボリジニや砂漠で暮らす動物にとって、乾季でも干上がらない「命の泉」だという。
約45分のコースで、途中ではアボリジニのロックアートを見ることが出来る。
ワイルドフラワーの説明を聞くのも楽しい。

ロックアート 全てに意味がある

不思議な池 ムティジュル

「実は、ムティジュルには池の守り神のW蛇Wが住んでいると言われています。
そしてその守り神は、水に入った者をたちまちウルルほどの巨人に変えてしまいます。
昔の話ですが、実際、アボリジニの子供がひとり、巨人にされてしまいました。
…その証拠に、今もその時の子供の足跡が残っているんですよ。みなさん探してみてください。」とガイドさん。

そのくぼみが、その子の足跡・・・??

一本とられたよ…(笑)
昔、アボリジニは、この池に水を飲みにやってくる動物を狙って、狩りをしていたそう。
この水に人間の匂いがついてしまうと、動物は警戒してやって来ない。当然狩りは出来なくなる。
それを恐れた大人が、水で遊びたがる子供に、話して聞かせたお話しなんだろう。

長い午前中だった…
ホテルに戻り、着替える。それからランチをとるため、ゲッコーズ・カフェへ。
パスタ、サラダ、ポテト&サワークリーム、ドリンクをオーダー。想像以上に多くて食べきれず、ホテルにお持ち帰り。

パスタ、太くない?

午後は、リゾート内をお散歩。
お土産を選んだり、公園を歩いたり。あれだけ食べたのに、アイスクリームとフライドポテトを食べたり。フライドポテトには、もちろんソースもプラスして(笑)。

Aは疲れたのか、ホテルで先に横になってしまった。
夕食を買うため、私ひとりで行ったスーパーで、アボリジニの女性を見かけた。裸足で、肌は黒く、凄みのある顔立ち。不思議な雰囲気だった。