2004年 香港の旅 
by Snow

HISの「香港ドラゴン航空就航記念キャンペーン3日間29800円」という格安ツアーで、香港に行って来ました。

私=Snowにとってこの旅は、記念すべき10回目の海外旅行。3日間という短い日程だったけれど、Summerという相方(彼女と行く海外はタイ@に続いて2度目)のお陰で、記憶に残る旅になりました◎



4月2日金曜日

東京発12時3分の成田EXPRESSに乗り込んだ、私とSummer。
お互い別々の新幹線(あさまとのぞみ)で東京入り。とにかく久々に会ったので、顔を合わせた途端、マシンガントーク炸裂…誰も私たちを止められまい(笑)。

東京から約1時間で成田空港。今日から就航の香港ドラゴン航空は、第2ターミナル。
空港内のマックで軽くランチをとり、1時55分、集合カウンターで航空券を受け取った。続いて香港ドラゴン航空のカウンターに行き、キャリーバックを預けて身軽になる。

私たちの便は、成田発15時55分の香港ドラゴン航空361便。席は、47のDとE。
出国手続きをし、一人10000円ずつ両替。
レートは15.78円(香港で両替をした方が断然レートはいいです)。

搭乗開始15時30分。
就航初日(でも2便目)というだけあって、航空会社のお偉いさんと思われる方々が、ズラズラ〜とお出迎え。

しかし期待していた様なセレモニーはなく(初便の時は、香港から招かれたダンサーがドラゴンダンスを披露し、それはそれは盛大なセレモニーをしたらしい)ちょっとがっかり。

香港ドラゴン航空の飛行機

…これだけ??
飛行機の扉が閉まったのに、搭乗しているのはほんの数人。
ビジネスクラスまでは見えないけれど、エコノミーはビックリするくらいガラガラだった.。
(航空会社のミスだったらしい)
こんな経験初めて!
ラッキーとばかり、一番後ろの席に移動。

ガラガラの機内

◎機内食MENU◎
そば
鰻と帆立の蒲焼 ご飯 又は 
ポークの煮込み パイナップルと赤ワインソース
トリコロールパスタ
ハーゲンダッツアイスクリーム
ロールブレッド バター
コーヒー セイロンティー 日本茶 中国茶


MENU表には、広東語・英語・日本語表記。機内食はチョイス可能のはずだったけど、機内がガラガラだったにもかかわらず、「鰻と帆立の蒲焼 ご飯」しか残っていなかった。…そっちが食べたかったから、別にいいけど。

映画はジュリア・ロバーツ主演の「モナリザ・スマイル」。
ジャパニーズ・ポップスを流すチャンネルもあったし、片言ではあるけれど日本語を話すスチュワーデスさんもいて(搭乗していたと思われる唯一の日本人スチュワーデスさんは、ビジネスクラス担当らしく、機内アナウンスのみでどこにいるか分からなかった)、機内は、快適×2。

Summer 「これだけ乗客が少ないと、病人が出ても、ドクターなんて見つからないね」
Snow 「大丈夫だよ。これだけ少なければ病人が出る確率も低いじゃん?」
Summer 「そりゃそうだ(笑)」

この会話の5分後。
そのまさか、が発生するとは夢にも思うまい。
突然、あちらこちらに散っていたスチュワーデスさんが、前方へ向かって猛ダッシュ!!!
!!!

私は脳裏に9.11連続テロ+ハイジャックが浮かんだくらい、心底驚いた。
病人(大したことはなかったみたい)が出たとはいえ、ガラガラだとはいえ、機内の狭い通路を猛ダッシュするスチュワーデスさんを、私ははじめて見たよ…

ま、そんなこんなで、ほぼ予定どおり、香港時間19時30分(日本との時差1時間)、香港空港に到着〜。
空港は、エアコンが効いていて、肌寒いくらい。アジアなのにアジアの香りがしないな〜と思った。

入国審査を進んだところで、突然3〜4人の空港スタッフが、私たちの行く手を塞んだ。
??
咄嗟に後ずさりする私たち。
するとそのうちの一人が、Summerの顔目掛けて、ピストルのようなものを突きつけた。
ひえ〜!!!

ところがそれはピストルではなく(当たり前だ!)、小型ビデオカメラみたいなもの…だった。
恐らくそれは、9.11連続テロ以降導入されたと噂の、顔認識システム(群集の中の複数の人間の顔をスキャンし、データベース内の犯罪者・テロリストの顔データーと一瞬で照合する防犯システム。カメラは全旅客が通る税関エリアに設置されているらしいが、撮影中の表示はない)ではなかろうか。

Summerの名誉に係わるので、はっきり書くと、彼女はそれにひっかかった訳ではなく、帽子を深くかぶっていたため、不認識扱いでチェックが入ったのだと思われる。

一瞬の認識確認=カメラ撮影後、スタッフはにこやかに「THANK YOU」と言って、何事もなかったように散っていった。Summerは唖然としていたが、私はかなりドキドキしてしまった。だって今の人、超・カッコよかったんだも〜んッ(すみません…)

気を取り直して前に進み(笑)、機内で配られた「出境健康申報表」を担当スタッフに提出。
その質問の項目には「SARS」とはっきりと書いてあるから、去年のことを否応なしに思い出す(苦)。
ここ数年、テロにSARSに嫌なことばっかりだ…

現地添乗員に出迎えられた私たちを含め数人は、HISのバスに乗り、2晩お世話になるパンダホテルへ移動。
パンダホテルは、香港の75%の面積を占め250万人の人々が住む「新界」に建つマンモスホテル。周囲は高層アパートが立ち並ぶ新興住宅街。

噂には聞いていたけど、パンダホテルと言うだけはあって、ホテルの壁面に巨大パンダの絵が描いてあった(笑)。
もちろん、レセプションにもパンダ、ホテルのアメニティグッズもパンダ。
極めつけは、パンダの着ぐるみがホテル内を闊歩している…
「ここは遊園地か〜!?」

パンダと記念撮影(笑)

保証となるクレジットカードを掲示して、チェックイン完了。私たちの部屋は、19階の左奥、39号室だった。

部屋はごくごく普通のツインルームで、年季が入っているものの(笑)、29800円のツアーとしては文句のつけようがない。意外と広く、テレビと冷蔵庫もあるし、エアコンの操作も容易。
欠点をしいてあげるとすれば、繁華街である「尖沙咀」から離れているということか。

私たちはそんな欠点にはへこたれず、遅めのディナーをとろうと「新界」の散策へ(散策に必要のないもの=パスポートや帰りの航空券はレセプションのセイフティボックスに預けましょう)。

歩いてすぐにスーパーとマックを発見したけど、美味しそうなレストランは見あたらなかった。

そういえば、ホテル内に中華料理店やイタリアンレストランがあったっけ。でも、せっかくだから庶民の味を食べたい。
時間も時間なので、一旦ホテルに戻りスタッフに聞いてみることにした。

Snow 「レストランを探しているのですが…」(←すべて英語)
パンダホテルマン 「どんな種類のレストランですか?」
Summer 「中華レストランかな」
パンダホテルマン 「その道を横切った所に一軒あります。中華レストランなら、周囲を歩けばすぐ見つけられますよ」

見つからなかったんだけどね、とSummerと首をかしげつつ、言われた通りに道を渡る。その先にはあやしいショッピング・センター。

1階はテナントが所狭しと入っていたが、そのほとんどは閉まっている。
見ると中央のエスカレーターが轟々と動いていたので、気の向くままフラ〜と3階まで上がった。

3階は「福好海鮮火鍋酒家」という大衆食堂に毛が生えたような店が1フロアを占めていて、ラッキーなことにまだ営業をしていた。覗くと店内も賑わっている。

あまりの空腹で難民化していた私たちは、迷うことなく店内へ。
オーナーらしきスーツを着た女性が席に案内してくれ、ウェイターのおじさんがMENUを持って来た。
…がMENUはもちろん広東語。全く読めない!

とりあえず、あの手この手、交渉を試みる。けれど、おじさんの話す英語が全く聞き取れなくてお手上げ!
マンモスホテル近くのレストランだから日本人に慣れていると思ったのに、そうではないらしい…

日本語は全くNGだし、観光客自体、皆無。かろうじて英語表記のMENUがあるものの、明らかに簡素化されていて、広東語のMENUに比べるとページが三分の一以下。円卓の中央にコンロが用意されているにも係わらず、英語表記MENUには、鍋料理が書いてない…

苦労の末、私たちの注文したのは、多分(笑)、任飲任食自選火鍋。
沢山の具材の中から好きなものをチョイスし、これまたチョイスしたスープで煮る鍋料理。

スープは2種類。鍋に仕切りがついていて、ダシのきいた透明なスープとスパイシーなカレー風味のスープ。
煮た具材を好みで辛いタレにつけて食べるらしく、つけダレも運ばれてきた。
恥ずかしながらここまで至るに、軽く1時間はかかっている(^^ゞ

続いて運ばれてきたのは、煮る具材。これはおじさんが適当にチョイスしてくれたもの。
牛肉、つくね、エビ2皿(20匹くらい)、イカ、えのき山盛り、レタスのような野菜1玉、豆腐、ちくわみたいなもの、ラーメン、うどん…。
そしてビール。

恐ろしいほどの具材が運ばれてきてしまい、二人で顔面蒼白!!!!

店のチラシ

支払いが不安になったけど、人間、空腹には適わない。食べ方もわからず、とりあえず鍋に具材を突っ込んじゃった。見た目は、かなりグロい「ごった煮」状態だけど、空腹だからノープロブレム(笑)!

そんな私たちは、注目の的?!だったらしく、となりの学生さんグループから「WELCOME TO HONG KONG!」と声をかけられたり(明らかに何かの罰ゲーム!)、変な日本語を話すおばさんに一方的に話しかけられたりした。なんのこちゃ。

12時を回るとオーダーストップ。オーナーらしき女性が、食事代を請求にやってきた。
いったい、いくらなんだろう?ドキドキしながらレシートをみる。

Snow  「嘘!たったの120香港ドル!?」
Summer 「日本円でひとり1000円以下だよー??」

安―い!!!!
Summerと二人、笑いが止まらず(笑)さらに食べ続ける。

すると今度はウェイターのおじさんがやってきた。
「俺の勤務時間は終了だから、俺は帰るぞ。」
…というようなことを(多分)言って、テーブルにドカンと山積みのビールを置くではないか。

「えー注文してないよー?」
「いらない」と猛烈にアピールするが、おじさんは「○×▼Λ〜!!!(←広東語)」と必死に何やら繰り返すばかりで、ビールを下げようとしない。
…・困った(T_T)

沈黙の後、突然、おじさんはボールペンで何かを書きなぐると、「分かったか?」という表情でそれを私たちに見せつけた。
そこには…「通宵」という二文字。
…宵を通す??
オールナイトで飲んでろって意味〜??
おじさん、ビールおごってくれるの?!わーいッ
私たちが歓喜のおたけびを上げると、おじさんは満足そうに頷き、帰って行った。

でもいいいのかな…と辺りを見回すと、さっきまで一生懸命働いていたウェイターたちが、明らかにダラケモード。客用のイスに腰掛けて、タバコをぷかぷか。制服のベストを脱いで、くつろぐ人もいる。

どうやら店が閉店するとオーナーが帰るため、何をやってもOKらしい。
つまりビールもおじさんのおごりではなく、店のおごり?…っていやいや、それって横領じゃん(笑)。

さすがに大量のビールを全部は飲めず、具材も大量に残して、満腹のお腹を抱えて店を出る。
エスカレーターで2階に下りると、スーパーがまだ開いていた。とりあえず、水とお菓子を購入。

ホテルに戻ろうと1階まで下りると、ショッピングセンターの出入り口が鉄のシャッターで閉ざされていた。

まだ客がいるっていうのになーと思いつつ、だんだん香港人気質が理解出来てきたようで楽しくなる(酒も飲んでいるし)。
それにしても、どこから出るんだろう… 英語で開けてくれって言えば通じるだろうか…

こういう時、Summerは肝が据わっている。
どこからともなく現れた香港人のおじさん二人を見つけ、さりげなーく笑顔で近づく。
「後を着いて行けば出られるよ」

私の心配をよそに、会話はほとんどなく「笑顔のみ」で無事ショッピングセンターから脱出。
しかもホテルまで案内して頂いちゃいました…(笑)。

ホテルに戻って、お風呂に入り、はい就寝!とは行かず、深夜2時まで再びマシンガントーク。
テーマは「駄目主婦について」。旅行と全く関係ないっつーの(笑)。