ローレンシャン

四日目(9月29日月曜日) ローレンシャン高原(Laurenttians)

 朝近くのレストランに朝食に向かうと客は日本人ばかり、一瞬自分がどこにいるのかなと思ってしまうほどでした。今日はローレンシャン高原観光ということでゴンドラに乗って トランブラン山に登ります。しかし残念なことに山頂は雲の中です。山頂が近づくにつれて霧はますます深く、ほとんど視界は利きません。これではハイキングはちょっと無理です。それでも近くの展望台まで行ってみましたが雄大な紅葉を見ることはもちろん出来ませんでした。仕方なくまたゴンドラに乗って下へ降りてきました。

 時間が余ってしまったので昨日覘かなかったお店をぶらぶら見て回りました。今まであまり買わなかったお土産をここで買うことにしました。もちろんカナダはカード社会ですから現金ではなくてカードで購入しました。

ゴンドラ前の日本語の看板
 

 昼食は少し離れたメープル小屋で郷土料理を食べました。メニューは豆のスープ、おばあちゃんのオムレツ、塩漬け豚肉の揚げ物(固い)、メープルシロップで加工したハム、豆の煮込み、ポテト料理、デザート、コーヒーと言ったところです。これらが大皿に盛られて運ばれてきます。それを各自が取り分けてテーブルの上に用意されたメープルシロップをかけて食べるのです。木のベンチにぎっしりと詰めて座らされたのでちょっと窮屈な食事でした。食事がほとんど終わると店の人が伝統の音楽と踊りを披露します。客はスプーンカスタネットでリズムを取ります。どうやら祭り好きのケベコワ(ケベック人)が厳しい冬を貯蔵食品で乗り切って迎えた春のお祭りを演出しているようです。

 「ジョワ・ド・ヴィーヴル」(人生を楽しく)をモットーに生きるケベックの人たちの心意気といったところでしょうか。

メープル小屋

 食事前にメープルシロップの作り方の説明がありました。砂糖カエデの樹液を104℃で煮詰めて作るメープルシロップはもともと、インディアンが発見したものですが1850年代から本格的に生産されるようになったということです。160ℓの原液から4ℓのシロップしかできません。      

 メープルシロップをさらに煮詰めていくとメープルバターになり、完全に水分を飛ばすまで煮詰めるとメープルシュガーになります。樹液が採れるのは
3月から4月中に限られます。毎年違うところに穴をあけ樹液を採りますが250年は採れるとのことでした。カナダの国旗にも描かれている砂糖カエデの木はカナダ全土にあるのだと思っていましたが実際はケベック州とオンタリオ州にしかないとのことです。

 昼食後、バスはサンタガット・デ・モン(STE-AGATHE DESMONTS)の砂の湖(Lac des SABLES)にクルージングに向かいました。砂の湖といっても砂で出来ているわけではありません。湖底のほとんどが砂だということです。一部に砂浜もありました。周囲は42kmです。湖畔に建つ別荘は全て個人所有だそうです。カナダの有名人やお金持ち人たちの別荘ですが私達は名前を聞いてもまったく分かりません。ボートハウスを持っている家が多く、中には水上飛行機もある別荘もありました。冬には厚い氷に覆われてしまうそうですが今はまだ秋、湖畔の木々も色づき始めていますが盛りはもう少し後のようです。寒さ対策はしてきたのですがカナダへ来てほとんど寒さは感じませんでした。
 トランブランの宿に帰る途中、天気は晴れていて車窓から見える両側の山々はすっかり紅葉していました。

砂の湖の紅葉
 

 ほとんどは砂糖カエデか白樺の紅葉です。日本のように葉の細かい山もみじがありませんので少し感じが違います。やっと本格的な紅葉を見た感じです。針葉樹は米モミ、米トウヒ、カナダツガでしょうか。トドマツに似た木も見ました。宿に近くなった頃、バスの前方に大きな虹がかかりました。紅葉も見たし、美しい虹も見て、なにやら満ち足りた幸せの気分になりました。

 クルージングを終えて夕食まではまだ時間がありましたので再び村の中を散歩に出かけました。朝の空とはまったく違って晴れています。トランブラントの山頂もよく見えていました。傾斜地の村の中を移動するにはゴンドラが便利です。

  夕食は昨夜と違ったところでステーキでした。今夜も例の蕪が出てきましたが昨夜のように固くはありません でした。食事中は雨が降りましたが店を出る頃には止んで夜空に火星が見えました。  

 

ローレンシャン高原の紅葉
 

 今夜の宿も昨夜と同じツールド・ボヤージュです。ここはフルサイズのダブルベットがふたつ入った寝室と、さらに暖炉つきの居間があり。冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、レンジつきの台所があり、バス・トイレつきですからゆったりとしています。 長期滞在も可能になっています。

 夜はこれまで買ったお土産などを詰め込んで最後のパッケージをしました。

 ケベック、モントリオール、ローレンシャン高原と回ったカナダのケベック州の旅も終わり、明日は日本に帰ります。
 

村の中の無料のゴンドラ