2日目 ハロン湾(Vịnh Hạ Long)へ   

 
  今日は朝8時にホテルを発ち約180km 東方のハロン湾を目指します。バスは通勤ラッシュの夥しいバイクを縫って進みます。道路一面すれすれに近づきながら進む姿はまさに壮観です。ベトナムのバイクの定員は乗れるだけ、つまり4人乗りでも違反ではありません。免許も必要ないのです。高速道路(と言っても私には普通の道路のように見えるのですが)ではバスは最高速度が70kmですがバイクには制限速度がありません。高速道路以外ヘルメット着用の義務はありませんでしたが12月15日より全ての道路で着用が義務付けられました。
2時間近く走って身障者の訓練施設兼みやげ物店に着きました。枯葉剤の影響で未だに障害を負った子が生まれてくるのだそうです。そのような障害を持った人たちが刺繍、宝石研磨、石の彫刻などの技能を修得していました。

    ハロン湾はクルージングの船で一杯              香炉岩

休憩とお買い物のあと再びバスに乗り、ハロン湾のクルーズ船の船着場のあるバイチャイに12時15分ごろ到着しました。沢山の船がひしめき合っています。早速乗船してハロン湾のクルーズに出発です。ハロン湾は 1994年に世界遺産に指定されています。ハロンとは「下る竜」と言う意味です。「空から舞い降りた竜が、敵の侵攻を防ぐために口から玉を噴出し、その玉が大小の岩に姿を変えた」と言う伝説があります。敵とは中国でしょう。ここは船で 2時間半ほど北に行けば中国です。中国からの観光客も多く町では漢字の看板も見かけました。船上ではシーフードランチを食べました。ハロン湾は豊富な漁場でもあるのです。
まもなく大小さまざまな石灰岩の岩の島が見えてきました。犬岩、香炉岩、闘鶏岩などです。ここは「海の桂林」とも言われています。 14時近く船は一つの島に着きました。ここでティエンクン(天国)と言う名の鍾乳洞を見るためです。この鍾乳洞が発見されたのはそれほど古いことではないそうです。天井が 30mもあるドーム状になっておりドラゴンや女神などの形をした鍾乳石が見事です。出口付近に大きな乳房の形の鍾乳石がありますが「百卵伝説」を思い出させます。「百卵伝説」とは竜の化身の男と漁師の娘が結婚して百個の卵を産みました。卵から生まれた百人の子供は母親が 50人連れて山へ父親が50人連れて海へ行きました。この百人がベトナムの民族の祖先だと言うのです。現在ベトナムに居る民族は 54とされています。人口の86%を占めるのがキン族です。さて海に向った父親はどのように子供を育てたのでしょうか。その答えがこの巨大な乳房だと言うのが現地ガイドの Dungさんの説明でした。

      カラフルな照明の鍾乳洞内部              巨大な乳房岩

15時船を下りてハノイに戻ります。途中17時ごろみやげ店により7時近くレストラン「TONKIN」でベトナム国賓料理を食べました。やや期待はずれといったところでしょうか。民族楽器ダン・バウの生演奏は良かったです。特にチン・コン・ソン作曲の「美しい昔」は懐かしかったです。
それから昨夜見られなかった「水上人形劇」を見に行きました。 10世紀から続く伝統芸能で、元は農民のお祭りが起源です。太鼓や弦楽器の演奏に合わせて水中で人形を操ります。筋は「ドタバタ」やホアンキエム湖にまつわる伝説、妖精の可憐なダンスなどです。水しぶき、煙、花火まで使い思わず引き込まれました。見学を終えて 21時にはホテルに戻りました。昨夜と同じハノイ・デウー・ホテルです。