-ツレ-


我に返る→ 



2010

『乗車する30歳』 
 よもやの三十路にて、青臭い名前の乗車券を活用。
 雪は南北の問題ではなく、山間部に降ることを学ぶ。
 旅行記的なものを書こうかとも考えたが、他でやることにした。


2009

『いきどまる29歳』 
 いきどまって、いきどまった。
 よもやリアルな掛け言葉を使える光栄な身の上になれるとは。


2008

『笑っている28歳』 
 金絡みでよく笑った。
 執筆意欲をそそる人生に。


2007

『購入する27歳』 
 マンションを買う。よくある大きな人生イベントが、これで殆ど完了してしまった。
 次は墓でも買うか。


2006

『再構築する26歳』 
 ホームページ移転に伴い、己が書き連ねてきたものを改めて読む。
 未学習児童時代から文を書いて20年。自業自得・筋金入りとはよく言ったものだ。


2005

『隠遁する25歳』 
 本籍地を変更。
 人生やりたい放題。欲しかった階段箪笥が買えなかったのが悔やまれる。


2004

『忙殺される24歳』 
 コピー用紙運搬時に台車が横転、下敷きとなる。
 ……以外にさしたる思い出もない花の年頃。


2003

『就職する23歳』 
 会社の上司にGWの過ごし方を問われた。
 「ルールの本・専用の用紙・筆記用具を用いたゲーム」と回答。
 私は、GWを「こっくりさん」をして過ごした女となった。


2002

『困窮する22歳』 
 在宅中に泥棒が入った。
 調査のために10本指すべて指紋を摂取される。
 家族以外で唯一合鍵を所持していた人間は容疑者となり、アリバイという単語を生で聞いた。
 誕生日に、痛みで自殺者が出ることで有名な、免疫力低下したお年寄りがかかる病気を発症。


2001

『免許合宿に通う21歳』 
 山形の山奥で普通自動車免許に挑む。
 クラスでただ一人仮免許試験に落ち、合宿所のオーナーに珍しいものを見る目を向けられる。
 グループ路上講習で、共に合宿に参加した友人がエンジンを切ろうとしてキーを右に回し
 私がアクセルと間違えてブレーキを踏むという、見事な連鎖に成功。同乗者を恐怖に陥れた。


2000

『稼動する20歳』 
 明らかに私の声帯は重労働だった。
 個別指導塾女教師として、匍匐前進する男子小学生を威圧しつつ、喋り続ける日々。
 人間、金が絡めば嫌いなものでもあっさり商売道具にするものだと知った。