私のニオイエビネ栽培ポイント 日本ニオイエビネ会会長 有坂 勝利
 ニオイエビネの栽培が難しいと良く耳に致しますが、他種エビネと少しだけ栽培方法を変えてみましょう。 永年研究を重ねた結果、私独自の栽培方法を20年以上続けています。
 ----栽培管理方法----
植替えは2年に1回ハカマ取り後、ハカマ取りも終え株元がしっかりしてきた6月中旬頃から7月中旬頃までに行なう。 新根を痛めないよう気を配る。
根の腐っている所や先端の黒くなっている所を熱処理したはさみできれいに取り除く。
無理な株分けしない。切り離される株に昨年の葉がついている事が必要です。
下準備された株を活力剤(エドレンス)1500倍液に30分程根を侵す。
根痛みの多い株や根の本数が少ない株は、砂土を使わず水苔の単植とする。
本植には鉢底に発泡スチロールを砕きゴロとする。植え替用土はフルイなどで微塵を取ってから使用する。 ゼオライト、型崩れしない木炭(ヤシがら炭)、マテバシイの腐葉土を使用。 植え終えた表面を水苔で覆う(乾燥防止、ハダニ寄生予防、鉢中の温度上昇防止に非常に効果が有ります)
植え終えた鉢は風通しの良いやや暗い棚に置き、1週間後に活力剤又は薄い液肥を施す。
施肥は、液肥を使用。 春の成長期薄い液肥を3回程度、それ以外は水だけとし時たま活力剤を水に混ぜ与える。 むしろ葉面散布によって育てる(葉面散布専用肥料)秋にはリンサン、カリ分のある肥料(液肥)を薄く2〜3回施す。
施肥後は早めに水やりを行う(鉢中の肥料分によってガスが発生し根を痛める)
葉水は8月中旬までかけない。この時期を過ぎたら水やりの時葉水を同時に行う。
消毒殺菌は、他のエビネ同様。但し、ハダニ殺虫剤は、回数を多めに行う。
春秋の成長期には微量要素を少量施す(3大栄養素以外の大切な栄養素です)
冬の乾燥や強風、低温を防ぐ対策、夏の高温、蒸れを防ぐ対策の実施。
 (まとめ)
水やりは年間を通して他のエビネより多めに与える。
施肥は薄く少なめに。むしろ葉面散布によって育てる。
活力剤エドレンスについて。ウイルス感染予防に研究開発されたエビネ栽培に貴重な総合活力剤だと私は思います。
マテバシイの腐葉土について。私の手作り(完成まで3〜4年)を使用しています。 用土に混入し植替えまで型崩れしない事や植替時の根を見た時根痛みは殆どない事からも非常に良いと思います。

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