ノート05

● 沖縄県立伊良部高校(Okinawa Prefectural IRABU high school)

【基本データ】

・略称・愛称等:

・男女共学

・住 所: 沖縄県宮古島市伊良部字前里添1079-1
・校 種: 全日制
・設置者: 沖縄県
・創立年: 1984年
・校 訓:  自主、誠実、創造

初代制服 1986年2/27制定 ※左図は制定当初(エンブレムなし)

冬服/濃紺ブレザーとプリーツスカートの組み合わせ

夏服/白ブラウスと濃紺プリーツスカートの組み合わせ

宮古の伊良部島にある唯一の高校。それがこの伊良部高校。

今は宮古島と橋で結ばれているけど、それまではフェリーで渡るしか方法がなくて、1984年に創立された当初は宮古高校の伊良部分校となっていました。

それが独立して伊良部高校となったのが1986年。

同校が新制服を制定したのは、1986年2/27となっていました。校章も同年3/3に決定しています。

同校の創立年から考えて、冬服のブレザーに校章のエンブレムワッペンがついてることから、これは、沖縄県内公立高校では初めて、エンブレムを採用した事例なのではないかと考えました。(注記/夏服は別。夏服は、いろいろなイニシャルとか、校章プリントとかがあるから、ね)

県内公立高校を創立年ごとに順を追って並べていくと、1986年以前にエンブレムをつけた制服が制定された形跡はなかったんですね。1988年当時のレキオ連載中においても、その点はしっかり感じていました。

「県内公立初のエンブレム採用という栄誉は、伊良部高校!」となるはずだったのですが、ここから疑問が次々と出てきます。

まず、①制服の制定が校章よりも前だったという事実。

これはエンブレムのデザインが校章そのものであるという事実からすれば、後から制服に追加されたということに他なりません。(県内公立校では、よくあるパターンで、知っている中学校の事例だと、ジャケットそのものが追加されたこともあります。)

次に②入学式の写真でエンブレムが確認できなかったこと。

夏服での参加が当たり前の県内では仕方がないことなのですが、少なくとも1986年4月以降、11月の衣替えまでの間にエンブレムが追加されたのではないか?という可能性が出てきます。

そして、極めつけは、現行の制服に関する規程で、それに添付された制服の図には、エンブレムワッペンがついていません。それに関する言及もありません。

公式記録では、那覇西高校が、1987年2/4にエンブレム付き制服を制定していることが確認されています。

同校の衣替え(11月)との差は、わずか4ケ月!

公式記録がない現状では、伊良部高校の「県立高校初のエンブレム採用」という栄誉は、とても認められません。

だから……今は、ひょっとしたら、という可能性だけを述べるにとどめておきたいと思っています。ご理解くださいね。

以上の考察、検討を得て、冬服は、エンブレム無しで、復元しています。

渚 美鈴


制服ノート第64回は、伊良部高校の現行制服を紹介。

と言っても、大きな違いは、エンブレムがつくことなんだけど。

 

伊良部大橋が完成して、宮古島と陸続きになって、島の利便性は向上。けれど、その結果というか、伊良部高校への受験志望者は激減。

募集停止となった同校は、2021年には廃校となる可能性が濃厚となっています。

このエンブレム付きブレザーの登場時期は不明だけど、概ね1986~2021年となるのだろうか。

なお、イラストは、30年以上前のモノクロイラストをカラー化修正したものを用いています。だから、レキオ連載時よりは少しは画質が良くなってると思う。

それにしても、廃校がほぼ確定している学校の制服として紹介するというのは、とても残念というか、悲しいね。

2019年2/9 渚 美鈴 NAGISA MISUZU