公開資料10

★第二次大戦航空機メーカーロゴマーク集3.5版 フランス航空機メーカー 解説追加バージョン

The Logo & history of the France military aircraft manufacturers。

要望に応えて、2019年4/21より緊急公開。まだまだ調査不足気味なので、ご理解願います。

他の版でも同様ですが、今後の調査結果で、差し替え、追加を行っていきます。

2019年12/31公開終了 2020年8/9掲載

ロゴ
logo
メーカー名
maker
解説 備考
ポテーズ
(Potez)
・1919創立。1934年までに4000機ほどの飛行機を製作しているが、1933年には、CAMSの開発機を引き継いだ。1936年の航空企業国営化の方針により、有力な工場を失う。それでも会社、機体生産は存続し、複葉複座戦闘機ポテ 25は第二次大戦にも投入され大損害を出した。
戦後、モラーヌ・ソルニエ、フーガを買収するものの、1967年にシュド・アビアシオンに改名した。
※「ポテ」とも。
 
ブレリオ・スパッド
(Bleriot・Spad)
・第一次大戦時の戦闘機メーカー・スパッド社をブレリオ社が1920年代に吸収したもの。
大戦初期、複葉機のS-510が旧式機ながら第一線戦闘機として使われた。当然、壊滅的被害を受けた。
 
アミオ
(Amiot)
・1916~1945年の間存在したメーカー。
代表作はアミオ350双発爆撃機。フランス空軍期待の爆撃機だったが、配備遅れで実戦参加はほとんどないまま休戦となった。
 
ロアール
(Loire)
・1925年創立。
1935年にニューポール社と合併した。同社の製造した哨戒飛行艇ロアール70、汎用飛行艇ロアール130は、開戦時も現役にあり、休戦後も使用されていた。
 
ニューポール
(Nieuport)
・1902年創立の古い企業。1935年にはロワールと合併してロワール・ニューポールとなったが、1936年の航空機メーカーの国営化計画に伴いSNCAO(西部航空機製造公社) に統合され、メーカーとしては消滅した。
 大戦時、フランス空軍の中で、同社名の旧式機がどこまで活用されたかはよくわからない。
 
ロアール・ニューポール(Loire Nieuport) ・水上機、飛行艇を得意とするロアール社が、1935年にニューポールと合併して生まれた企業。フランス海軍航空母艦「ベアルン」用にLN401艦爆を開発したことで知られる。
1936年の航空機メーカーの国営化計画に伴いSNCAO(西部航空機製造公社) に統合され消滅した。
 
ドボアチン
(Dewoitine)
・1920年創立。1927年一旦廃業した後、1931年にSAFとして再設立される。大戦前の1936年には、国営6企業の一つ
南部航空機製造公社(SNCAM)となったが、単一企業の国営化となったため、「ドボアチン」企業名ブランドはそのまま継続使用された。なお、D-520は、大戦時、フランス軍で唯一、ドイツのMe109に対抗できる有力戦闘機だった。
 
ファルマン(Farman) Farman Aviation Works ・1908年創立。1936年の航空機メーカー国有化により、アンリオと共にSNCAC(中央航空機製造公社)に分割統合された。1941年にファルマン工場社(SAUF)として再建したものの、今度はたった3年で、SNCASO(南西航空機製造公社)に合併させられてしまった。
大戦機としては、双発4座戦闘機F-420がある他、民間からNC223.4が徴用されて戦闘に使用されている。
 
モラーヌ・ソルニエ(Morane-Saulnier) ・1911年創立。M.S-406は大戦勃発時、フランス空軍が装備する主力戦闘機だったが、設計的には旧式機で、Me-109に苦戦したとされる。なお、同機はスイス、フィンランドにも輸出されている。  
ルバッスール(Levasseur) ・フランス海軍の空母「ベアルン」用にPL-7艦上攻撃機他を製造した。ただし、国営化等の行政的失態により機体の洗練は停滞し、新規開発機も旧式機の域を出ることはなかったとされる。  
ペイヤン
(Payen)
(略号 Pa)
・先尾翼のデルタ翼機の先駆者ロラン・ペイヤン技師の冠詞名。
ドイツ占領下で、先尾翼デルタ機Pa-22の開発を行ったことで知られる。ドイツ軍マーク付の機体写真が残っているが、ドイツ軍用機ではないので、調べても見つからないのはそのため。
 
サルムソン
(Salmson)
・1890年創業のポンプメーカー。1896年に航空機用エンジン部門を設置して、航空機産業に参入した。
第一次大戦では、複葉偵察/爆撃機SA-2を生産、日本でも多数がライセンス生産されたとされる。
大戦中はエンジン製造が主で、機体開発、製造はないと思われる。
 
コ―ドロン
(Caudron)
(ドイツ航空省略号 C)
・1909年創立。スピード記録挑戦機や輸送機を得意とする航空機メーカー。木製構造で生産が容易であったCR-714は、競速機を軍用機化したもので、フランス軍から発注を受けたが、戦力化には間に合わなかった。
戦後の航空産業再編で同社はSNCAN の一部となった
 
ブレゲー
(Breguet)
・1911年創立。1936年のフランス政府による航空機メーカーの統合・国営化に伴い、2つの主要工場を国営企業に統合接収されるが、ラテコエール社の工場を買収し、ブレゲー 690シリーズ爆撃機をフランス降伏まで生産し続けた。
発展型の4発機も計画試作されたが、飛行したのは戦後。
 
リオ・エ・オリビエ
(Liore-et-Olivier)
・大戦前の1936年、シュド・エストに吸収合併された。
代表作のLeO-451は、2トンの爆弾を搭載して495キロの高速で飛ぶことができたが、開戦時には敵戦力に圧倒されて充分な活躍は出来なかった。
 
シュド・エスト
(Sud Est/南東航空機製造公社) (ドイツ航空省略号 SE)
・大戦前、ポテーズ社と傘下のCAMS社、リオレ・エ・オリビエ社、ロマーノ社とSPCA社の工場を統合して生まれた国営企業。略称は、SNCASE。(★国営6企業の一つ)
大戦中の1941年には、SNCAMを吸収した。
注)Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud Est
 
シュド・ウェスト
(Sud Ouest/南西航空機製造公社) (ドイツ航空省略号 SO)
・大戦前の1936年、リオレ・エ・オリビエ社、ブレリオ社、マルセル・ブロック社、SASO、UCA、SABを統合してできた国営企業。略称は、 SNCASO。大戦中の1940年に別の国営公社SNCAOを吸収統合した。
注)Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud Ouest
 
ブガッティ
(Bugatti)
・イタリア人のブガッティは1938年、時速800キロの高速レース機100Pを試作した。しかし、大戦勃発によりフランスはドイツに降伏し、ドイツ嫌いでフランス市民権を得ていたブガッティは、完成間近だった100Pをフランスの田舎にある納屋に隠した。100Pは戦争が終わるまで隠されていたが、老朽化した機体は2度と飛ぶことはなかった。
※ロゴは、自動車メーカーとしてのもの。
 
SNCAC
(中央航空機製造公社)
・略称は、アエロセントレ (Aérocentre)。
大戦直前、ファルマンとアンリオを統合して誕生した国営企業。(★国営6企業の一つ)
注)Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Centre
 
SNCAN
(北部航空機製造公社)
・大戦直前、ポテーズ社、ブレゲー社、アミオ社、CAMSの各工場を統合して生まれた国営企業。(★国営6企業の一つ)略称は「ノール」で、1949年にSNCAC、1954年にはSFECMASを吸収して、ノール社 (Nord-Aviation) となった。大戦中のドイツ占領下で、Me108Bの生産を行った。フランス解放後は、「ノール」の社名で発展型等を生産した。
注)Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Nord
 
ノール
(Nord_Aviation.)
正式名はSNCANというフランスの国営企業。
略称を用いて、フランス解放後、Me108Bの発展型Me-208を「ノール1100」として開発生産して、フランス軍に提供した。
 
SNCAM
(南部航空機製造公社)
・大戦直前、ドボアチン社が国営化されて生まれた企業。(★国営6企業の一つ)大戦中の1941年にシュド・ウェスト社に吸収された。
注)Société nationale des constructions aéronautiques du Midi 
※ロゴは、印刷物より復元
 
ルノー
(Renault)
・フランスを代表する自動車メーカー。
1940年、コードロン社と共同して、木製軽戦闘機CR-760/770を開発した。
なお、創業者のルイ・ルノーは、フランス解放後に対独協力者として逮捕され、失意のうちに獄中で病死した。
そのため、戦後、同社は資産を没収され国有化された。現在に続くフランス政府と同社の関係は根深い?
 
アルスナル(フランス国立航空工廠Arsenal de l'aéronautique) ・大戦前、1936年にフランスの軍需産業の国営化に伴って設立された。(★国営6企業の一つ)
大戦中の機体としては、VG-33戦闘機があげられる。他の旧式機と比べて大きな期待を背負ったものの量産配備が遅れたまま休戦を迎えた。同機の改良開発は続けられたものの、終戦まで量産実用化されることは遂になかった。
※ロゴは、機体表記を復元
 
SPA
(Société Industrielle Pour l’Aéronautique)
・ドイツ占領下でAr-96の木製機化(SIPA S-10)を担当したメーカー。1938年創立の航空機部品メーカーだったが、この受注開発により、実力をつけ、戦後はこの派生型機SPA-12で発展する。  
アンリオ
(Compagnie des Avions Hanriot)
・1909年創業。第一次大戦時の古い航空機メーカー。
第一次大戦後SGAに吸収されるなどしたが、1933年に再建されたものの、1936年の航空機メーカー統合国有化により、SNCACに統合されて消滅した。
試作開発機にアンリオNC.600戦闘機がある。
 
ラテコエール(Latecoere) ・1917年創立のフランスの水上機メーカー。ラコテエール298などの水上機は、フランス海軍航空隊で大戦初期にかなり善戦し、ドイツ軍の休戦後、同機を発注したものの、サボタージュにより調達できなかったとされる。
なお、「星の王子様」で知られる作家サンテグジュペリは、同社の郵便飛行機のパイロットを勤めていたことがある。
 
CAMS
(Chantiers Aero-Maritimes de la Seine)
・1921年創立。飛行艇のメーカー。
1936年にSNCANに吸収されて消滅した。大戦中の同社製航空機の配備・戦闘参加等についての詳細は不明。
 
グールドゥー・ルスール(Gourdou・Leseurre) ・グールドゥ、ルスールの2人の技師は、1932年、艦載用水上機GL-832を開発した。  
ルネ・ルデュック
(René Leduc)
・ブレゲー社の航空機設計者ルディクは、ラム・ジェット機の構想を実現するため、1937年、フランス政府より正式発注を受けた。ただし、大戦中に計画は遅延し、戦後の1947年になって、最初の型であるルデュック 010が滑空飛行を行い、1949年にラムジェットによる初飛行を行った。  
ベルナール(Société des Avions Bernard) ・1917年創業。略号はSAB。
1932年、単発単葉の長距離爆撃機ベルナール82を試作した。1936年の航空機メーカー統合国有化によりSNCASOに統合吸収されて消滅した。
 
SFAN(société française d'aviation nouvelle) ・フランス軍の中等練習機モラン・ソルニエMS-230の生産を請け負った。1935年創立?のグライダーメーカーらしい。詳細不明。
※ロゴは、不鮮明画像からの復元
 
チュルボメカ
(Turboméca)
・1938年創立の比較的若いエンジンメーカー。
ガスタービンエンジンやターボシャフトエンジンの生産メーカーとして知名度が高まるのは、戦後。ヘリコプター向けのエンジンの会社として著名。
大戦中の実績はよくわからない。
 
マトラ
(Matra)
・1945年、シルバン・フロイラらによって、最高速度800km/hの双発プロペラ機開発を目的として設立された会社。

★WWⅡとして扱うべきか微妙
 
グールドゥ・ルスール(Gourdou-Leseurre) ・1917年創立。造船所が母体で、水上機の製造を行った。レース用単座機GL-30を発展させ、GL-31単座戦闘機を開発した。1930年代には旧式化し、訓練機に格下げされた。同社は経営対立により、1934年には消滅した。※ロゴはチラシより