三島バプテスト教会

牧師室から

5月のおたより 

「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう。」(マルコによる福音書1章17節)。

この4月に三島バプテスト教会に牧師として着任した小川宏嗣です。 富士山の見える場所に立っている三島教会をとても気に入っています。

わたしは高校時代陸上部で110Mハードル、400Mハードルを専門にしていました。 大した選手ではなかったのですが、どうやったら速く走れるか、 どうやったらうまくハードリンクができるか、そんなことばかり考えていました。 高校時代に勉強が面白いと感じたことは一度もありません。と言うか、 学ぶということ、自分が本当に学ぶべきことが何か、全然分かっていなかったのです。

大学受験に失敗しました。一つの挫折でしたが、実際、 「自分が何をしたいのか、何になればいいのか」分からなかったので、 何も考えず、知り合いの紹介で遠洋マグロ漁船に乗りました。

出港して一週間、船酔いがひどく、「船から降りたい!海に飛び込むしかない!」と思ったのですが、 勇気がなく出来ませんでした。食べてもすぐにもどす、体はフラフラです。 でも仕事はさせられました。慣れない魚をとる漁は本当にきつかったのです。 失敗ばかりで、何度も怒られ、お陰で、体は相当鍛えられました。 3年間、漁師として海の上で働きました。

あの経験は今にして思えば、何かを決心するためのきっかけというか、 通過儀礼のようなもので、わたしに必要だったのだと思っています。 慣れ親しんだ家を出て、色んな人に出会って、色んな体験をして、 自分の本当の思いを確かめたい。自分が何になるのかを見つけたい。 そんな気持ちで、漁船に乗ったのです。
(6月のおたよりに続く)

2025年5月1日     小川宏嗣