牧師室から
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12月のおたより
「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、 布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」
(ルカによる福音書2章6~7節)
聖書の最初のクリスマスは、イエス・キリストが、住民登録のためにごった返していたユダヤのベツレヘムの町で、 それも居場所もなく、誰からも顧みられることなく、 家畜小屋の飼い葉桶の中に救い主として生まれてくださった出来事です。 その事実に、わたしたちの現実に、そっと寄り添ってくださる温かい神の愛を感じさせられます。
ローマ皇帝アウグストゥスの命令により、 イエスの母マリヤは身重の体でベツレヘムに行かなければなりませんでした。 しかも、着いてみると泊まる場所がない。 もう生まれる、というのに、手助けしてくれる人もいない、 不安と恐れのあるところにイエス・キリストはお生まれになったのです。
神はわたしたちの現実に寄り添ってくださる方です。 それも、願い通りに人生が進む中というよりも、願ったように進まない中で、 落胆したり、打ちのめされたりするわたしたちのところに来てくださる方です。 わたしたちが生きる希望と力に満たされて生きるには、「このわたしのために、 誰かが本気で寄り添ってくれた」ということをよく知ることではないでしょうか。
クリスマスとは、「神は、痛みや悲しみ、孤独や不安の中にいるあなたに寄り添ってくださる方です。 それも、命がけで寄り添ってくださる方なのです」 というメッセージをイエス・キリストが身をもって知らせてくださった出来事なのです。
“このわたしのために、命がけで寄り添ってくれる神がいる。 それを深く知った時にこそ、人は生きる力を与えられ、 生きる希望を持てるようになる”。
わたしたちもこのことを信じて、誰かに寄り添うクリスマスを迎えていきましょう。
2025年12月1日 小川宏嗣

