We Are The World

「MUSIC」コーナーでもご紹介している、「We Are The World」。
発売から20年以上たちましたが、最近また売れているそうです。曲も歌詞も素晴らしいと思うので嬉しい反面、世界はいまだに「We Are The World」を必要としているということでもあり、素直には喜べません。
いまだに世界各地で頻発する紛争、いつどこで起きるかわからない災害、そして経済構造の問題などによって、極度の貧困、飢餓、病気に見舞われ、明日の命すら覚束ない人たちが、この小さな星の上に何億といるのです。文章だとサラッと書けてしまいますが、考えてみれば慄然とします。

我々日本人だって充分貧乏だ、他人のことをかまっている余裕はない、という人もいます。私自身、ほぼワーキングプアですから、確かに余裕などはありません。しかし、ワーキングプアもしくはそれに近い立場の人で、いわゆる「格差」の問題について、(個々人の問題はともかく全体として)このままでいい、是正の必要は全くないと考える人はほとんどいないでしょう。もし国内の格差を是正すべきというならば、過酷な状況下で生命の危機に直面する人たちのことに無関心でいるのは、少々自己中ではないでしょうか。

とはいえ、我々にできることは限られています。よほど強い志を持って、特別な訓練を積めば、現地に行って貢献することもできるでしょうが、一般人としては、信頼できる国際支援団体に、できるだけやりくりして寄付するというのが当面は妥当でしょう。
ただ、国際支援を標榜する団体の中には、集めた資金を目的外の流用するものもないとはいえません。それではせっかくの善意が水の泡どころか、場合によっては得体の知れない団体の資金源ともなりかねません。寄付をする際には、その団体についてよく知ることが大切です。

次に挙げるのは、信頼性に定評があり私自身も寄付をしたことのある団体です。各団体のホームページも掲載しましたので、この機会にぜひご覧ください。





日本赤十字社

世界最大の人道支援ネットワーク。国内外で多彩な活動。

国際的人道支援団体として最もよく知られ、規模も大きく、信頼性にも定評があるのが赤十字でしょう。

1859年、スイス人のアンリ・デュナンという人物が、イタリア統一戦争の激戦地で敵味方の区別なく負傷兵の救護活動にあたったことが赤十字の起源です。日本では1877年、佐野常民という人が博愛社を設立、西南戦争において敵味方双方の負傷兵を救護したことが始まりで、1887年に日本赤十字社と改称されました。

最初は戦場での兵士の救護を目的にしていた赤十字ですが、現在、最もよく知られている国際活動は、世界各地で起きる紛争や災害で被害を受けた人たちに衣食住の支援や医療支援を行う人道活動でしょう。ただ赤十字はこれにとどまらず、災害の被害をあらかじめ最小限にとどめようとする開発援助も行っています。また、災害の復興支援や、離散した人の安否調査も重要な活動です。

日本赤十字社ではこうした国際活動だけでなく、国内の災害支援、病院運営などの医療事業、献血を集め医療機関に輸血用血液を供給する血液事業、地域福祉活動や社会福祉施設の運営といった社会福祉事業なども行っています。一口に赤十字といっても、その活動は多彩なのです。

日本赤十字社への参加・協力は、いくつかの方法がありますが、一般に知られているのは、毎年12月に行われる「NHK海外たすけあい」でしょう。募金をされた方はご存じと思いますが、「海外たすけあい」義援金の振り込み先は日本赤十字社で、赤十字を通じて海外に送られます。(「歳末たすけあい」の方は共同募金会が同じ役割をします。)
もちろん、寄付の受付は年末だけでなく随時行っており、また何か大きな紛争や災害があれば、緊急で義援金の呼びかけをすることもあります。

この他、身近なところでは、献血という方法もあります。渋谷の東急ハンズ近くや秋葉原駅前にも献血ルームがあるので、見たことがある方も多いと思います。以前は狭苦しい車の中でかなり長時間拘束されるという感が強かったのですが、最近の献血ルームは雰囲気も明るく、機器が進歩したためか時間もそれほどはかかりません。(私自身、次で40回目になります。)

日本赤十字社に関する詳細、および参加・協力の方法については、下記ホームページをご覧ください。



Link





日本ユニセフ協会

病気・虐待・紛争・災害などから子供を守り、教育を促進する国連機関

小学校のころ、「ユニセフのぼきん」をやったことのある方も多いでしょう。私も何となく覚えていますが、先生から「せかいじゅうの、こまっているおともだちを、たすけましょう」といわれたように思います。ユニセフの活動も広範囲にわたりますが、この一言に全てが集約されているのではないでしょうか。

「ユニセフ」(UNICEF)は1946年(昭和21年)、第二次大戦で被災した子供たちを支援するため、「国連国際児童緊急基金」(United Nations International Children`s Emergency Fund)という国連機関として設立されました。後、開発途上国の子供たちの支援を主な役割とするようになり、名称も「国連児童基金」(United Nations Children`s Fund)と変わりましたが、「ユニセフ」(UNICEF)の略称はすでに浸透していたため、現在に至るまで使われています。
「日本ユニセフ協会」とは、ユニセフの日本における国内委員会です。1949年(昭和24年)、ユニセフは敗戦後劣悪な環境に置かれていた日本の児童を支援するため活動を開始しました。その際ボランティアとして協力した人たちが任意団体として「日本ユニセフ協会」を設立し、日本国内でユニセフ活動を行うようになりました。後、1955年(昭和30年)には財団法人となり、1977年(昭和52年)にはユニセフ国内委員会として正式に承認されました。

ユニセフの活動は、「世界中の、困っている子供たちを助ける」ことを目的としていますが、私の見たところ、具体的には4つに大別できるのではないかと思えます。1つには伝染病などの病気から子供たちを守ること、2つめは虐待・搾取・暴力など、人間の行為から子供たちを守ること、3つめは教育を普及させ明日への希望を開くこと、4つめは危機的状況にある子供たちに緊急支援を行うことです。

第1の病気については、予防接種の実施、安全な水と衛生的な環境の整備による予防を行い、特にHIVについては、正しい知識の浸透による感染拡大の防止や、母子感染の予防、感染者への支援・治療などの対策を行っています。
第2の人間の行為については、児童売買春のための人身売買や、危険で搾取的な児童労働の根絶に取り組んでいます。
第3の教育については、学校に必要な物資の提供、教員の養成、学校内での衛生施設の設営などの活動があります。

第4の緊急支援とは、紛争や災害によって危機的状態にある子供たちを支援し、病気を予防し、暴力から保護し、教育を受けさせる活動のことです。赤十字社の活動とは少し異なりますが、紛争や災害によって最も被害が重大となるのは弱い立場の子供(そしてその母親である女性)ですから、ユニセフの活動の意味は大きいのです。

ユニセフの活動に協力するには、いくつかの方法で募金をすることの他、カードやギフトを購入することでも可能です。
協力の方法および活動についての詳細は、下記ホームページをご覧ください。



Link

日本ユニセフ協会






ワールド ビジョン ジャパン

緊急援助から自立支援まで行う国際NGO

ユニセフと同じく、世界中の、過酷な状況下にある子供たちを支援する団体ですが、ユニセフのような国連機関ではなく、NGOと呼ばれる民間団体です。子供を取り巻く環境を改善し貧困からの脱却を図るため、独自の方式で活動しています。

ワールド・ビジョンは、1950年、アメリカのキリスト教宣教師ボブ・ピアスによって設立されました。当初は朝鮮戦争によって被害を受けた韓国の人々を救う活動をしていましたが、その幅は広がり、現在では96ヶ国にパートナー事務所を置き地域開発や緊急援助を行う世界的ネットワークに成長しています。
日本では戦後の一時期、孤児院設立などの活動を行いましたが、1987年10月、今度は日本からの支援を行うため、ワールド・ビジョン・ジャパンが設立されました。現在は特定非営利活動法人(NPO法人)となっています。

この団体のユニークな活動は、「チャイルド・スポンサーシップ」と呼ばれます。支援が必要な国の一人の子供(「チャイルド」と呼ばれます)に対して、一人のスポンサーが月々定額(日本の場合4500円)の援助をして、その成長を手助けする、というものです。
といっても決して、大勢の苦しんでいる子供たちの中からたった一人を助けるような活動ではありません。私の個人的な見方ですが、その地域が貧困から脱するために必要な支援を、「チャイルド」が代表となって受けている、と表現するのが適当のように思えます。
「チャイルド・スポンサーシップ」でスポンサーが出したお金は、「チャイルド」に直接手渡されるわけではありません。それでは貧困の解消につながらないからです。お金は「チャイルド」を取り巻く地域の社会基盤を整備し、教育を浸透させ、経済開発を援助して、その地域全体の経済的自立を図るために使われるのです。

「チャイルド・スポンサーシップ」、緊急支援などワールド・ビジョン・ジャパンの活動の詳細については、下記ホームページをご覧ください。スーダン駐在のスタッフからの現地報告も掲載されています。



Link

特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン



ブログ関連記事
2007.12.2


アフリカに毛布をおくる運動

使わない毛布を寒さに震える人たちに送る運動。

アフリカというと「暑さ」を連想する方が多いと思いますが、実際には昼夜の寒暖の差が激しく、夜間の寒さは相当なものです。そんな中、アフリカ諸国には、様々な原因で避難民となったり、極度の貧困によって寝具にも事欠いている人たちが何百万人もいます。もちろん色々な援助が必要ですが、そのうちで暖を取るのに不可欠な毛布を救援物資として送ろうというのがこの運動です。

通常、毎年4月〜5月頃に募集が行われます。ホームページに今年の参加要項が掲載されています。
今年の募集は、4月1日(日)〜5月31日(木)〔必着〕です。

毛布はクリーニングに出してから送らなければならない(輸送中の害虫発生防止のため。新品は除く。)、港までの送料だけでなく、現地までの輸送費も別途振り込まなければならないなど、いくつか面倒なことはありますが、押し入れの肥やしにしかなっていない毛布が大切な救援物資になり、もしかすると人の命を救うかもしれないことを思えば、参加する価値は充分です。

詳しくは下記ホームページをご覧ください。


Link

アフリカへ毛布をおくる運動





トップページに戻る