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頭痛 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
頭痛の場合 およそすべての処置の 第一義的見立ては、 それが危険な頭痛、つまり 生命の危機となる頭痛かどうかを 判断することである。 危険な頭痛とは ずばり、脳卒中による頭痛である。 脳卒中とは 脳内血管が 詰まるか破れるかする病態で 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、が その細分化した病名である。 これらの疑いがある危険な頭痛の場合 時を待たず 病院にて診断を受けるべきである。 では 危険な頭痛と判断する基準とは 何か? もっともわかりやすい患者本人が 判断する基準は 第一義的判断は その痛みが かつてないほど激しく強いものか どうかといことである。 整体の対象となる頭痛の範囲は この危険な頭痛以外の いわゆる慢性的な頭痛となる。 慢性的に繰返しおこる頭痛を指し ほとんどの頭痛がこれにあたる。 かつては 頭痛もちの頭痛といわれた。 頭痛が体質的に定着してしまった 頭痛である。 この稿では 危険な頭痛以外の いわゆる慢性的な頭痛を 対象とする。
まず頭部の解剖から始める。 頭痛のありかを確実にするには 頭部の解剖が欠かせない。 通常 頭が痛い! といっても どこに頭痛の病巣があるのか あやふやである。 頭痛のメカニズムを理解する上で 初歩の頭の解剖学は さけられない。 頭の解剖の基本要素は 以下の8つとなる。 いずれも頭痛に関連する場となる。
頭部は頭蓋骨とうがいこつが中心にあり その内部は脳が占める。 脳は 大脳、間脳、中脳、小脳、橋、延髄 で成り立ち 頭蓋骨とうがいこつで保護されている。 頭蓋骨とうがいこつは 下部に頸椎けいついが連結され 頸椎けいついは頭部を支えると同時に 中枢神経から末梢神経につながる パイプラインの役割をしている。 頭部は 耳、眼窩、鼻腔、口腔、 により形成されている。 頭蓋骨とうがいこつの外側は 皮膚組織であり 皮膚組織は細分すると 以下の図のように S〜Pの組織に細分化される。 これをSCALPと称している。 頭皮は 外頸動脈などから 豊富な血液供給を受けており リンパ系も ほぼ動脈と一致して走行している。 耳、眼窩、鼻腔、口腔 の周囲も 血管、リンパ、神経の走行で 縦横にはりめぐらされており 又 顔面は 表情筋群によってつつまれている。 さらに 頭部から咽頭〜喉頭〜頚部〜肩部に 連結する筋肉群も多彩である。 頭蓋骨とうがいこつの内側は 硬膜・くも膜・軟膜の3種の膜が 頭蓋骨とうがいこつの内側に張り付いて 内部の脳を保護している。 頭蓋骨とうがいこつの境界付近は 頭蓋骨をはさんで静脈が行き来する。 脳は 脳血管と脳神経が複雑に はりめぐらされている。 頭蓋骨とうがいこつの内側に 張り付くように2層を形成している 硬膜の栄養動脈は 以下図。 顔面の動脈は 顔面動脈と顔面横動脈が 顔面の広範な領域に 血液供給される。 顔面の静脈は 顔面の最大の静脈で ほぼ動脈と伴行している。 下図の赤が動脈、青が静脈。 顔面の動脈と静脈 静脈の還流に対しては 経静脈にそそぐが 一部の特定の静脈血は 頭蓋内に還流して静脈洞にそそぐ。 なお 顔面静脈には静脈弁が存在せず 血液は頭蓋内と頭蓋外の いずれの方向にも還流できる。 下図で 濃青が浅部静脈で、 薄青が頭蓋内の静脈。 頭皮の血管は 外頸動脈から潤沢な血液を受けている。 静脈は 動脈の走行と一致して頭皮に広がる。 下図が 頭皮の動静脈である。 頭皮の動静脈
脳神経は計12対で末梢神経を形成する。 これらの脳神経は 頭蓋骨の外にくりだし 身体の感覚と運動の機能を制御する。 三叉神経は この12対のうち 頭部の感覚と運動を支配する神経。 三叉神経は 頭蓋骨内で3つの枝に分岐する。 三叉とは 眼神経、上顎神経、下顎神経の 3神経に分岐することに 由来する。 頭部の筋肉群は 以下の様に主に6つで構成されている。
頸部の筋肉群は 以下の様に主に4つで構成されている。
頭部、頚部、肩、上腕を 連結する筋肉群を 見てみよう。 頭半棘筋は 頭蓋骨と付着して 頭部と顎の動きを制御する。 板状筋は 頭部で乳様突起に付着し 頭部の動きを制御する。 上位頸椎と後頭骨の頭蓋底に 付着する小さな深層筋肉群を 後頭下筋群と呼ぶ。 後頭下筋群
では こうした頭痛の原因、 メカニズムを見てみよう。 頭痛の原因は ずばり 脳内外の 頭蓋骨 血管 筋肉 神経 の障害にあると言える。 このうち 慢性頭痛の原因は 頭蓋骨の外側の 血管・筋肉・神経の損傷に 疾患があるのである。 慢性頭痛の始まりはほとんどが 筋肉の異変である。 筋肉の異変とは 骨格筋の持続的な収縮が続き それがほどけず そのはてに 筋肉硬直をもたらす事から始まる。 いわゆる筋肉のコリである。 この筋肉硬直が炎症を引き起こし その炎症そのものによって その部位が頭部の近辺にあるとき 頭痛となって自覚されるのである。 さらに こうした筋肉の異変が続くと 次に血管に影響を与える。 つまり 硬直した筋肉群が血管を圧迫し 血行を阻害するのである。 よって 血管の収縮と弛緩の健全なリズムが いっきょに崩壊する。 血管のリズミカルなながれに ひとたび変調が現れると 過度の収縮、拡張がおこり ついには血行不良、となる。 血行の不良は 酸素や栄養の補給に阻害となり 筋肉の異常はさらに進行して ついには頭痛があらわれる。 たとえば 頭痛の種たねという事がある。 頭痛をもたらす 精神的な強いストレスを指すが この種たねがあらわれると 一気に血圧上昇や筋肉緊張を誘発して 血管に異変を招き 頭痛がやってくる。
慢性頭痛に対して整体の基本は、 つぎの3つの方向となる。
つまり 筋肉・血液・神経である。 筋肉は 頭、首、肩、背中の広域で 硬直と硬結 緊張と萎縮 膨張と枯渇 などの状態を確認して これらの弛緩 刺激 慰撫 に努める。 特に以下の筋肉は最重要標的となる。 などである。 それ以外に 呼吸筋群、呼吸補助筋と呼ばれる 呼吸を推進する筋肉も重要であり これらの筋肉群の活性化をはかり 呼吸によって酸素と栄養を ゆきわたらせる。 さらに深い深呼吸、腹式呼吸は 興奮をしずめ頭痛を鎮静化させる。 眼に対する施術は 頭痛に対してひどく有効である。 眼は毛細血管がびっしりと集中し また 眼の快楽と解放は自律神経の 働きを一気に高め リラックスと適度な緊張が 海の波の様に リズミカルに訪れ 疼痛の緩和となるのである。 こうして 血管に滞留した老廃物は 新鮮な血液によって押し出され 新陳代謝が活発になった細胞は 代謝機能が回復し 筋肉と血液がよみがえる感覚が 浮上して 頭痛が軽快になる。 これが 筋肉と血管と神経をねらった 慢性頭痛に対する施術の基本となる。 もちろん その回復曲線と速度は個人差があるが いわゆる慢性頭痛の症状は 整体の場で 少なくともその場では いったんおさまる。 こうした場面を繰返す事で 患者も 頭痛が軽減していく身体感覚を 記憶して みずからも頭痛の軽減方法のコツを 体感体得する事になる。 頭部には 古来より頭痛を撃退するツボが存在し 伝統的に これらを利用した 頭痛解消のテクニックがある。 たとえば 頭部頭頂にある 百会ひゃくえというポイントである。 これは 頭蓋骨の外側にある浅側頭静脈と 頭蓋骨の内側にある上矢状洞を 連絡する導血管の通路に 相当する箇所である。 つまり 頭蓋骨の内外を行き来往来する 静脈通路のことである。 ここを刺激することにより 頭蓋骨内外の血行の鬱血や虚血を 静脈の還流によって好転をはかる。 脳内をめぐってきた静脈血は 脳硬膜が合わさる静脈洞に流れ込み ここから 頭蓋骨の小孔から開口された静脈は 頭皮の静脈と交通する。 この交通によって 頭蓋骨の内外の静脈が往来して 血管内の新陳代謝をはかっている。 同様な構造により 後頭部にある風池、強間 眼の付近にある晴明も 同類といえて 頭痛治癒に効が高い。 頭部の静脈の特色は 弁が存在しないため 静脈の血流方向は 自在に逆方向に変化する性質がある。 このため 静脈の還流が血管の異常を救う 有効な手立てとなる。 こうした 頭部と脳の静脈の機能が 人体防御に大きく貢献している。 たとえば 脳内冷却がそのひとつで 脳の活動は 日常的に非常に活発であり それがより活発であれば 脳内温度も上昇する このため 脳内温度を恒常的に ある範囲内で一定にすることが必要で その作用の一貫を静脈がになっている。 つまり 脳内の血流を頭蓋骨外にも還流して 脳内冷却をしているのである。 この還流が とどこおりなく進行するためにも 脳外の筋肉や血行が 良好であることが前庭となる。 脳内温度は 精神的ストレスでも上昇し 頭痛の原因ともなる。 このため 精神的ストレスや 心理的な激昂や失意や 興奮による頭痛にたいしては 文字どうり 頭を冷やすことも 頭痛解除のひとつである。 |
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