良性発作性頭位めまい症 |
これは
頭の位置を変化させた時に 生じる奇妙な感覚のめまいであり
その特徴は
時間とともに めまいは減ってくることにある。
西洋医学による説によると 原因は
内耳の三半規管内に耳石が侵入・浮遊し
三半規管内に満たされているリンパ内に
かく乱をもたらす、すると三半規管内のセンサーが
誤作動を起こし
間違った情報を脳に送る。
それが めまい となる。
つまり 耳石がリンパをみだし めまいとなる。
当然 頭の動きで侵入・浮遊する耳石も動くので
頭の位置を変化で めまいが出やすいことになる。
という機序が 西洋医学の定説。
では なぜ耳石が浮遊・沈着する様になるのか?
その前に そもそも耳石とは何なのか?
それは炭酸カルシュウムの結晶で平衡を感知する砂の様な物体。
これが内耳の蝸牛と三半規管の間にある耳石器にある。
その耳石器にある耳石が
三半規管の中に侵入し浮遊しだすというメカニズム。
|
耳石器の位置
白いのが耳石で
数万個ある。
黄色が土台。
人の動きに合わせ
耳石も移動する。
耳石器から
耳石がこぼれ
緑色の三半規管の中に
侵入する。
|
では 一体 なぜ耳石が耳石器から飛び出してしまうのか?
私の説は こうである;
西洋医学では
侵入した耳石がリンパをかく乱するとしているが
私は
先にリンパのかく乱・異常が発生し
その刺激と振動により
耳石が耳石器から三半規管に侵入してしまうという説である。
つまり まずリンパのかく乱・異常が先にある。
なぜ こうした説を提示するかというと
この良性発作性頭位めまい症の患者のほとんどが
耳以外の身体にリンパの動きが悪い症状が
出ているからで
身体全体のリンパの動きの中で
耳もその影響を受け 内耳の中のリンパが全体のかく乱を呈し
その刺激と振動で耳石器から耳石がこぼれてしまう
という機序が想定されるのである。
最初にあるのは リンパの異常である。
めまいのある人は 耳の内耳のリンパのみが悪いのではなく
耳以外の全身性のリンパの動きも悪化しているのである。
その悪化が 耳に強く出た場合 めまいを引き起こしやすい
といえる。
したががって
この良性発作性頭位めまい症の整体は
全身のリンパの状態を視野に入れての施術となる。
もちろん 耳を中心として
頭部〜頸部〜肩のリンパの流れを良好にすると
その効果がいちじるしい。
また
良性発作性頭位めまい症の患者のほとんどは
なべて頭部〜頸部〜肩の強い筋肉硬直を伴うことで
リンパの異常・かく乱が
頭部〜頸部〜肩の筋肉硬直によって引き起こされている
という見方もできる。
西洋医学における
良性発作性頭位めまい症の治療の代表的なものは
Epley法といい 頭部の回転や回旋を行い
耳石の位置を修正するやり方を採用するが
私の見解をいえば
このEpley法の核心は 耳石を動かしているのではなく
実は 内耳のリンパのかく乱をおだやかにして
耳石の動きを止めているのが実情といえる。
それは なぜかというと
古来より整体の施術において
良性発作性頭位めまい症の対応は
頭部と頸部を回転回旋、屈曲伸展させ
内耳のリンパの動きを狙っておこなうものであり
その効果は絶大であるからである。
|
メニエール病 |
メニエール病は 比較的診断がつきやすいので
私はメニエール病です という人は多い。
活発に活動している人が
突然 めまい・難聴・耳鳴り・耳詰まり
におそわれことが くりかえされる。
原因は 内耳の内リンパの膨張と確定されている。
なぜ内耳の内リンパが腫れるのかは
定説はなく 諸説がある。
内耳を構成する 三半規管と蝸牛 かぎゅう には
リンパ液でみたされ それも内リンパと外リンパの2つに分かれている。
下図で Aが正常、Bがメニエール病の状態。
青が外リンパ、黄が内リンパである。
Bが内リンパが膨張していることが分かる。
この状態を内耳の内リンパ水腫という。
整体では
内耳が内リンパ水腫にこうむることは
全身のリンパ・体液の流通に同様の問題があり
それが 内耳に先鋭的に表れているとみなす。
したがって
メニエール病の整体は
全身的リンパ水腫の施術を基本とし
リンパドレナージュ、血行改善、腎臓機能強化
を行う。
もちろん 内耳のリンパに向かってより効果のある様に
頸部〜頭部にかけての部位をより入念にする。
注目すべきは 内耳の総体的な血流量で
内耳に集まる血流量は かなり少なく
わずかな刺激で 反応が速いことを意味する。
また 内耳への動脈は小脳動脈から分かれたものであり
外耳・中耳は頸動脈から分かれたものであり
この意味で 内耳血流は 脳血流系といってよく
頭部への刺激は内耳の血行に大きく影響される。
メニエール病は 大きな視点でとらえれば
体液つまり水の流れの停滞・鬱積で発症するものであり
緑内障、むくみ、冷え、腎臓疾患、膀胱疾患
等と同類とみなす。
こうした意味で メニエール病は
全身疾患の見地から治療方針を決定すべきである。
|
前庭神経炎 |
突然の激しい回転するめまいに見舞われ
吐き気 嘔吐 もある場合
この前庭神経炎を疑う。
内耳から脳に向かう前庭神経の炎症である。
これは 神経路の炎症であるため
ウイルス感染 或いは 血行障害の
原因との説が濃厚である。
整体の対象であり
何よりも 神経の慰撫を行う。
|