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首の不気味 |
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首不調は、ひどく不気味である。 それは 首が4つの生命線の通り道だからである。
脳の中枢を閉じ込める頭と 体躯全体をつなげる首は、 脊髄・神経・血管・頸椎・気道・食道・呼吸などの 重要器官が密集しつつ集積する。 まとめると 4つの生命線となる
この4つの生命線は 文字どうり生命を左右し死活の問題となる。 このため 首の不調は不気味である。 首が飛べば 落命し、 首になれば 辞職しなければならず、 首は 人生の生命線であると同時に 身体の文字どうりの 生命線上の関門に位置する。 こうした 最重要器官が集積している割には 首はその防御がひどく甘くできている。 骨格や筋肉が通常こうした防御をする役目をになうが 首の骨格も筋肉群も強大頑強ではない。 なぜそうなのかというと 首は広範囲に自在に動くことができるように 強大堅固ではなく 柔軟薄弱にあえてできているから。 このため 首は衝撃や打撲に弱く、 実に危険に満ちているエリアなのである。 高度な柔軟性と回転性が 悲愴なほど脆弱である。 サルからヒトの身体特徴のひとつが 他の動物に比べ 首の細さにあるのは、 つまり 首が細いことにより 広域視野を獲得できたのであるが 結果 首の外圧に対する弱さが特徴となったのである。 その代償として 首の外傷が起きやすく 首のコリが頻発する のがヒトの宿命となった。 こうした理由から 首を扱うには 細心の注意を払わなければならず 施術においては 強い衝撃や圧力は極力避けなければならず 首の異常の根源を探り出し その施術をほどこすには 細心の警戒を払うことが必要なのである。 こうした意味合いにおいて 患者本人にとっても 施術する側にとっても 首はいつも不気味である。 首を構成する首ワールドは、 次の10の重大要素がびっしり詰まっている。
首の異常は こうした10の要素のどれか、 あるいは その複合として 現れる。 こうした要素が ひしめいているために、 首にあらわれる異常は 多彩と複雑を極める。 さらに 首の特異性は 心理と感情の動きに大きく影響される事である。 その心理的要素と感情の動きは 顔の表情筋の動きと密接に連動して 首の状態を大きく作用するのである。 このため 首の治療は、 たえず患者の心理的状態を 確認しながら進行する必要がある。 とくに 首の筋肉群、発声をになう部位は、 それが顕著にあらわれる。 たとえば 深い失意が続けば、首はたえずうなだれ 首の筋肉群の硬直も極まる。 たとえば 極度の緊張で 声がでなくなったり 声が裏返ったりすることはよくある。 つまり 感情の起伏や 心理の振幅は 首の異常となって現れやすい。 これも 首の不気味さの要因となっている。 また 首は360度の全方向に びっしりと器官がぎゅぎゅうと詰まっているために 当然 治療も360度の全方位を射程とする。 わりと熟練した治療家においても 首を360度の全方位の視点から治療することが少ない。 とりわけ 首の正面は、 次の4つの分野があり生命活動の根幹となっているために 重要である。
このうち
の役割をになう矢状面の解剖は以下の様な図となり 咽頭、喉頭、気管、食道、声帯 が存在する。 このエリアは、 呼吸、食物流動、嚥下、発声の機能が集中して 複雑な構造と機能が展開されている。 たとえば 嚥下の活動の際には、 声門と喉頭の一部が閉鎖し 喉頭口が狭くなり 喉頭そのものが持ち上げられ前方に移動する。 この動作が起こると 喉頭口は完全に閉鎖される。 これにより 食道の内腔が拡張し 口から入った食物と水は 気道には入らずに 流れ落ちるように食道に一気に向かうのである。 このように 首の正面にある喉頭と咽頭は、 舌骨と筋肉群と神経の精巧な協調作業により
の活動をしており この機能に異常がある場合 生命活動の質の低下がもたらされる。 こうして 首は あくまで360度なのである。
では 首の異常のすべてを列挙してみよう。 それをわかりやすくするために テーマに分別しつつ進行する。
首の解剖を以下2つの分野を中心にしておこなう。
首の骨格は 以下のような骨から成り立つ。 首の骨格はわかりやすい。 第1頸椎から第7頸椎までが縦列しており そのほかに舌骨が中空に浮いているように 孤高に存在する。 首の骨格は これですべてである。
7本の頸椎は、 前屈、後屈,回旋,側屈の 各方向への基本運動があり, 脊椎で最大の可動域を有しており これにより ヒトの視野は格段の広がりを獲得している。 不思議なことに ほとんどの哺乳類では、 見た目の首の長さに関わらず、 頸椎の数は7個に決まっている キリンも頸椎の数は7個である。 なぜ哺乳類の頸椎がすべて7個なのかは 今だ明確な説明を目にしたことはない が・・・。 ヒトの頸椎を立体的にみると以下の様になる。 頸椎の骨格部分は、 椎体と横突起と棘突起の3つから構成される。 この3つが頸椎を構成して ひとつの頸椎となる。 これが7つ並ぶのが 第1頸椎から第7頸椎となる。 そして それぞれの頸椎の緩衝として クッションの役割をになうのが椎間板。 脳から走行されて縦走するのが脊柱管であり、 脊柱管の中心にあるのが脊髄であり、 脊髄は、 軟膜・くも膜・硬膜によって保護される。 脊髄から出る脊髄神経は、 脊柱管を横に飛び出て左右に走行する。 頸椎を水平面で切って 骨格形成をえがいたのが下図である。 頸椎の特色は、 他の胸椎と腰椎と比べると その大きさが 小さいことがあげられる。 当然 サイズの小さいことは 胸椎と腰椎より外圧に対して脆弱であり これが交通事故などにより かすかな打撲でも むち打ち症などの発症が起きやすい 原因のひとつでもある。 もうひとつの 頸椎の特色は、 横突起に孔があることであり、 この孔が 胸椎と腰椎には存在しない。 この孔を 横突孔 と呼ぶ。 さらに もうひとつの 頸椎の特色は、 第1頸椎と第2頸椎が 他の第3頸椎から第7頸椎までの形状と異なり 特殊化している。 これは ひとえに 頭部の運動と回転の自由度を高めるために 変形しているのである。 このため 第1頸椎は 環椎 との別称があり、 第2頸椎は 軸椎 との別称がある。、 環椎 の最大の特徴は、 椎体が存在しないことである。 そして 上部で後頭骨と関節をつくり その関節の面積が大きくなっている。 そして 下部で第2頸椎と関節をつくる。 このような関節面をつくることで 第1頸椎の上で頭蓋骨が自在に動き うなずく首の動きを表現できることになる。 軸椎 の特徴は、 椎体の上方に突出した歯突起の存在である。 この歯突起が環椎と関節面を形成して 軸椎と頭部を一体として回転することを可能にする。 第1頸椎の環椎、 第2頸椎の軸椎 が 頭部の運動と回転をになうのである。 こうして 頸椎の動きは、 第1頸椎と第2頸椎と第3〜7頸椎の間で異なる。 したがって 首が回らない症状の場合 まず 首が回らない原因が 第1頸椎と第2頸椎にあるのか、 それとも 第3〜7頸椎にあるのか、 を見立てなければならない。 当然 いずれにも問題があるという 複合的な病態もある。 第1頸椎の環椎、 第2頸椎の軸椎 の関節の整合性が崩れている場合 環軸椎亜脱臼(または脱臼)と称される。 不整合が高度で環椎と軸椎を結合する関節が
椎間板は 靭帯の組織の中で 最大の血管が流れていない組織である。 血管が流れていないということは、 いったん損傷をおこすと修復にきわめて多くの時間がかかることを意味する。 なぜなら 基本的には 組織修復は 血液がその主役を務めるからであり 血液のないとろころでは 自己修復力が極端に下がるのである。 さらに 椎間板には 常時 大きな荷重負荷がかかる仕組みになっており このため 加齢にともなう 退行性の変性が起きやすく 椎間板が厚みをなくしたり、ヘルニアを起こしやすくなったりする。
頸椎においても 多数の靭帯が張り巡らされ これらの靭帯群が 頸椎の関節を 強固に補強し支持し、かつ柔軟性を保証する という2面性を発揮している。 つまり 靭帯が頸椎にある 異質の骨格同士を連結させ その可動域を実現させている。 このため 靭帯組織に いったん問題が生じると 頸椎の健全は 即、 問題が起こる。 頸椎をめぐる靭帯群を列挙する。
さて 舌骨は 独特で、 他の骨格と関節での連結がなく、 首の中空に 首の筋肉群によって 上方と下方からの筋肉群に引っぱられながら その位置を占めている。 これは 食物移送する際と、言葉を発生する際に、 縦横に、柔軟に 活躍する これら舌骨に付着する筋肉群が自在に動く保証となっている。 このため 嚥下障害と発声障害において その原因のひとつに この舌骨の動きに不如意が生じている事が多い。 下図が 舌骨とその筋肉群である。 舌骨が 中空に浮かんでいるようになっているのがよくわかる。 舌骨を支えている筋肉群は 2つに分かれる。 舌骨上筋群 と 舌骨下筋群 である。 舌骨上筋群が下図である。 いずれの筋肉も 舌骨から頭蓋骨と下顎に向けて上方に筋繊維が走行する。 これらが 嚥下の際に 舌骨を上方、後方、前方に引っぱったり、下顎と口腔と協調して動かす。 舌骨下筋群が下図である。 いずれも 舌骨より下方にある構造物と舌骨を連結しており 嚥下の際 舌骨を下方に引いたり、固定したり、咽頭を上方下方に調整する。 これらをまとめると 以下のような表となる。
舌骨は、 下顎と胸骨と肩甲骨の連動した動きの自在を実現するための結節の役割をになう。 舌骨筋群は、 舌骨と下顎、胸骨、肩甲骨 とを連結して 嚥下、発声、セキ、くしゃみ などの作業が円滑に行われるように活動する。 このため 舌骨筋群の硬直や拘縮や衰弱は、 嚥下障害、発声障害、言語障害、下のもつれ、セキの頻出、 などの障害を引き起こす要因となるのである。 舌骨のとらえ方は、 整体では、以下の図の様に行い、まず母子と第3指で軽くつまむようにする。 舌骨は容易に探索できて、そのつまむ力を微妙に変化させると 患者は すぐに反応を示し、 舌骨が動き出すのをはっきりととらえることができる。 より強く圧すると 時に患者は セキこんだりする。 舌骨を確認出来たら 次は 舌骨筋肉群の触診に移る。 舌骨筋肉群は すでに述べたように 計8種の筋肉から構成されるが これを触診により識別するには 相当な熟練が要される。 舌骨上筋群は 以下の図の様に行う。 舌骨下筋群は 以下の図の様に行う。 舌骨筋肉群の筋肉は いずれも繊細なため 施術者は 微妙な力圧で触診しつつ施術しなければならない。 また患者は 施術を受けて これらを理解すれば ほどなく 自己整体によって 自分でこれらの舌骨筋肉群をとらえることが可能であり、 自己で 舌骨筋群の硬直や拘縮や衰弱によって引き起こされる 嚥下障害、発声障害、言語障害、下のもつれ、セキの頻出、 などを修復できるようになれる。
次に、 首の主要な筋肉群を紹介しよう。 首の筋肉群を 大きく分類すると 2つの分野に分かれる。 首にのみ存在する固有の筋肉群が そのひとつ。 今ひとつは、 背部の筋肉群(いわゆる背筋)の広いエリアのなかで 首のエリアにある筋肉群である。 これは 背筋という背部全体に広範に存在する筋肉群は、 頭部、頚部、胸部、腰部と4つのエリアにまたがっていることから由来し、 このうち 首の筋肉群は、頭部と頚部にある筋肉群を指す。 つまり 背筋の一部となっていることである。 少々ややこしいが これを表にすると 以下の首の筋肉 一覧表になる。 筋肉名称は ある方向性をもった一群をまとめて呼称する場合もあり そのあたりの事情が よく呑み込めないと 理解に混乱をきたす。 そうした混乱を避け すんなり理解しやすいように 色彩をふんだんに使い作表してみた。 このなかでは 背筋のうち深層にある固有背筋の筋肉群が一番むつかしい。 このため 深層にある固有背筋については、分別概念が理解しやすいように 横に長く並べた。
すでに見てきたように 首の異常は 以下のような多方面に波及する。
さらに 首の異常の波及は 次のような意外な病態、部位にも広がる。 これは 主に全身の重量バランスが破綻して アライメントが崩れ 背中から足裏に至るまでの部位に異常の波及がもたらされる。
この様な 首からはなれた部位の病態が 首の異常と連関することは 身体の力学的なメカニズムの中で 首のポジションの変動が 首から遠位にある部位の機能を変化させる ことから発生する。 さらに 首は、 全身性の運動能力と 危険を察知回避する身体防衛能力に大いに関わるのである。 それは 首があらゆる方向に自在に動ける自由度が 視野の全方位性を保証して 全方位への俊敏な動きを可能にして、かつ 敵の襲来をいち早く察知できることになる。 このため 首は柔軟にできている。 首の柔軟が ヒトの運動能力と防衛能力を飛躍的に高めたのである。 首の異常で 首の可動域が小さくなり 結果 首の視野が狭まれば、 動物として危険を察知する能力は格段に落ちる。 当然 ヒトとしても 危険の襲来や突如襲来する異変に対する対応は低下する。 つまり 首の異常が 動物的能力の危機につながってくる。 加えて ヒトの大脳の発達がすすめばすすむほど ますます脳全体の重量は重くなり 結果 頭部全体の重量は増え、 頭部を支える首の重量負荷を さらに増やすことになり 首は試練を迎える時代となっている。 さらに 現代では 五感の中で 情報収集における視野の活躍比重は格段に高まり 眼の過度な労働は 首の過度な負担を生み 首の異常を引き起こす大きな要因となっている。 頭脳の疲労、頭痛、目の疲れ が 首と密接な関係にあるのである。 実際 通常の頭痛の治療では 首の異常を解除して血行の改善が重要な位置を占め、 眼精疲労の治療も 首の調整は避けて通れない。 首の 特性のひとつに 心理的側面、精神的側面の反映が出やすいことは述べた。 このため 精神疾患、心身症、極度の緊張の連続 などでの不調の治療は、 ほぼすべて 首の調整が不可欠となる。 首の調整とは その大部分が 頸椎については、骨格アライメントの修復 と 頸椎にまつわる靭帯の回復。 首の筋肉群については、弛緩と刺激により 柔軟性と剛性の回復。 ・・・ に費やされる。 頸椎の骨格アライメントの修復と靭帯の回復は、 首の筋肉群の弛緩と刺激と同時並行的に行われる。 |
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