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骨盤の華麗なる筋肉群


骨盤をめぐる筋肉群は華麗である。


人体のすべての筋肉群のなかで

もっとも 太く 長く 圧倒的なパワーの

いくたの筋肉が骨盤で連結され

それら筋肉群が骨盤を中心に

圧倒的なエネルギィを放出しつつ

自在な方向に運動展開されパワーを爆発させる。

このため

あらゆるアスリートは

 まず骨盤から起こる筋肉群を徹底的に鍛錬する。







また

普通のヒトが歩行し日常の動きをするうえでも

骨盤を中心に縦横無尽に走行する筋肉群が

上半身と下半身のダイナミックな動きを統制制御するカナメとなり

力強い歩行と動作の源泉となっている。





さらに

骨盤の下方では

生殖器官を保護し支持し また生殖行為の推進を助け

性器のパーフォーマンスを展開する筋肉が群がっている。

また排出の最終局面で大活躍する

排便と排尿の調整に作用する筋肉群が集積する。
 

骨盤の筋肉群は

そのポジションの観点から大きく3つに分かれる。

すなわち

骨盤内から起こり 背面に伸びる筋肉群

骨盤内から起こり 下肢に伸びる筋肉群

骨盤の下底の会陰
えいんに集積する筋肉群

の3つである。 下図を見てほしい。




骨盤から背面にのびる筋肉群
広背筋  こうはいきん
腸肋筋  ちょうろくきん
最長筋  さいちょうきん
腰方形筋 ようほうけいきん
多裂筋  たれつきん
大腰筋  だいようきん
    骨盤から下肢にのびる筋肉群
腸骨筋  ちょうこつきん
梨状筋  りじょうきん
上双子筋  じょうふたごきん
下双子筋  かふたごきん
内閉鎖筋  ないへいさきん
外閉鎖筋  がいへいさきん
大腿方形筋  だいたいほうけいきん
大殿筋  だいでんきん
中殿筋  ちゅうでんきん
小殿筋  しょうでんきん
大腿筋膜張筋  だいたいきんまくちょうきん
腸脛靭帯  ちょうけいじんたい
縫工筋  ほうこうきん
薄筋  はっきん
半腱様筋  はんけんようきん
長内転筋  ちょうないてんきん
短内転筋  たんないてんきん
大内転筋  だいないてんきん
大腿直筋  だいたいちょくきん
 骨盤下底会陰えいん筋肉群   
肛門挙筋  こうもんきょきん
尾骨筋  びこつきん
外尿道括約筋  がいにょうどうかつやくきん
深会陰横筋  しんえいんおうきん
浅会陰横筋  せんえいんおうきん
外肛門括約筋 がいこうもんかつやくきん 
坐骨海綿体筋  ざこつかいめんたいきん
球海綿体筋  きゅうかいめんたいきん


これらの筋肉群の詳細を

以下 説明してみよう。



広背筋 こうはいきん 


広背筋は

 仙骨から始まり

最終的に上腕に終結する という
 
文字どうり

広く背中をいっぱいに広がる筋肉である。
 
その形状は 
 
仙骨をカナメとして

上腕に向かいジョジョに広がっていく
 
扇が開いたような形をして

美しく造形となっている。




また

 広背筋と骨盤の腸骨と仙骨の3つに着目すると

 それぞれの三角体が

美しいシンメトリーをえがいて
 
仙骨を中心にして 構成美を放っている。
 
右上図は 背中側からみた図である。
 
右下図は 腹側から見た図である
 
広背筋と仙骨と寛骨のポジションを形式化すると

下図のようなアートになる。

 



 広背筋は、
 
上腕の挙上によって
 
骨盤が 同様にもちあげられて
 
いわゆる ヒップアップをめざして
 
美しい姿勢を維持する場合の重要な筋肉であり
 
プロポーションの改善に大きな役割を果たす。





 
また
 
筋肉トレイニングにおいて
 
上半身の逆三角形の造形を推進する筋肉であり
 
広背筋を引き締めることで
 
きれいな脇のラインを演出する事ができる。
 
運動家で
 
特に上腕をよく動かし かつ
 
上半身をねじる局面が多い 野球の投手などで
 
広背筋の挫傷を発症しやすい。
 
下の右図は 野球の投手の投球姿勢が
 
広背筋の拘縮をよく生みやすいことを示す。






 
これにより
 
下の左図の様に
 
広背筋の挫傷をこうむる。
 
腕を上げて 体をひねる局面が多いスポーツに
 
よく発症する 脇腹痛が これにあたる。





 
 腸肋筋 ちょうろくきん
 最長筋 さいちょうきん 




 腸肋筋 と 最長筋は、 
 骨盤と頭部をダイレクトに連結する筋肉である。
 骨盤と頭部が 一本の筋肉で結ばれており
 その上半身全域を縦断する大胆な走行は
 腸肋筋 と 最長筋の極太の厚みも手伝って
 あたかも 骨盤と頭部が 深い絆で結ばれた
 盤石の共同体制にあるような印象を受ける。




腸肋筋 と 最長筋が
骨盤と頭部を結んでいるデザインパターンが
下図である。
頭部を骨盤が支えているのは
骨格でいえば脊椎であるが
筋肉では
腸肋筋 と 最長筋であることがわかる。

  
 作用は、
 骨盤の位置決め、脊柱の伸展、屈曲、
 頭部の支持と回転  などなど
 広範囲に及ぶ。
 その始まりは、
 仙骨、腰椎と下部胸椎の棘突起、腸骨稜に付着する
 幅広く分厚い腱から起こる。
仙骨をがっしりと受け止めているために
ひとたび
腸肋筋 と 最長筋が 強い硬直を呈すると
仙骨を強くけん制することになり
仙骨の自由闊達な動きを封じてしまうことになり
仙腸関節の炎症をうんで
腰痛を発症することになる。
いわゆる 仙腸関節炎である。
こうした機序で
生じた腰痛は
単に仙骨だけをいじれば治癒するということが
無理なのは
この図をみればあきらかであり
背中全体の視野で治療せねば
回復しないことが理解できると思う。





 腰方形筋 ようほうけいきん


腰方形筋は

骨盤の腸骨と肋骨を連結しており

上半身と下半身を

ねじったりひねったりする動作に寄与し

下半身と上半身の

違方向性、非同一性の動きを演出する時に

アジャスター つまり調整の役割をする。





たとえば

座りながら上半身を

微妙にねじったりひねったりする歯科医、

乗馬する時に

下半身は鞍にまたがり上半身を頻繁に動かす、

ゴルフの時のショット、

ボートやカヤックで

すわりながら上半身でオールでこぐ、

などなど

腰方形筋が大活躍する瞬間である。







当然 こうした姿勢が長く続けば

腰方形筋の酷使となり炎症を起こし腰痛を惹起する。

この場合 左右どちらかに痛みが強く出る。





腰方形筋をつかむ場合

以下図のようにおこなうが

腰方形筋は深部にあるため

厚い筋膜層と腱膜組織を介しての刺激となる。





この時 注意すべきは

腰方形筋の停止部が第12肋骨にあり

第12肋骨は 圧迫に脆弱なため

指圧する時の圧力に

充分な注意を払うことである。


 

腰方形筋は
いまひとつの特有な機能をもっている。
それは 呼吸補助筋のひとつとして
呼気に関与し 胸郭を下制する役割を持つ。
なかでも 最近の研究成果で興味深いことが
腰方形筋の呼気補助の特徴として報告されている。
それは 意識的に呼気をすると
腰方形筋の断面積変化が
左右の不均等として発現するという事である。
これは
自律的な呼吸以外の 努力呼吸をした場合
腰方形筋の負荷に左右差が出るということであり

なぜそうなるかの結論は記載されてはいないが

身体の左右差が現れる原因の一つとして興味深い。


 多裂筋 たれつきん

多裂筋は
頸椎から仙骨にいたるまで
脊柱に沿ってびっしりと存在し
脊柱の伸展、回旋、安定固定性に寄与している。
筋肉繊維は 非常に強靭であり
脊柱の一つ一つの突起構成に対して
頑強にへばりついている。
仙骨部位における多裂筋が
もっとも強力である。






 
  大腰筋  だいようきん  
  腸骨筋  ちょうこつきん
 
大腰筋と腸骨筋をあわせて
腸腰筋と呼ぶ。



インナーマッスルの代表的な筋肉であり
運動能力に大いに関わり
とくに 走る能力を左右するのが
この筋肉であることから
アスリートの最も注目するものとなっている。
腸腰筋の大きな特徴は
生理的断面積と体積が圧倒的に大きく
一般的に
それが大きいほど運動能力が大きいとされる。




また その走行は
身体の矢状面(側面)から見た場合
起始と停止部を結ぶラインは
微妙な斜行の軌跡をえがいて
骨盤内を大胆に縦走する。
こうした特異な走行は
バネのたわみのパワーを生み出せる要因となり

腸腰筋の特色を形つくることになる。



腸腰筋を構成する
大腰筋と腸骨筋は
その起始は
それぞれ違うが
その停止部は
大腰筋と腸骨筋が合流し合体となって
大腿骨小転子で終わる。




これによって
大腰筋と腸骨筋がともに
股関節の屈曲に作用することがわかるが
起始部が相違することによって
股関節の屈曲そのものが
大腰筋と腸骨筋と他の部位と複雑に連動し
より柔軟な運動を実現することになる。




大腰筋の 起始は
浅部と深部に分けられる。
浅部(浅頭)は
第1胸椎と第1〜4腰椎の側面および
それらの間に介在する椎間円板から起こり、
深部(深頭)は
第1〜5腰椎の肋骨突起から起始し、
腸骨筋と合流して腸腰筋となり腸骨筋膜に包まれ、
腸恥隆起を越えて走り筋裂孔を通って
小転子で終わる。

腸骨筋は
腸骨の内側で腸骨稜から起こり
 大腰筋と共通の腱によって大腿骨の小転子に停止。
腸骨筋の全体は
腸骨の内側に
べったりと一面にへばりつくようにしている。
大腰筋が最も活躍する時は
太ももを高く上げて
股関節を屈曲する場面であり
このとき
大腰筋が大きなエネルギィを蓄積し
パワーを出す。

したがって
単純に平地の歩行時は
この大腰筋は それほど
活躍しない。
平地歩行の時
下肢全体が振り子のように
前後に交差することにより
その遠心力によって
歩行の推進力が生まれるため
大腰筋の出番が必要ないのである。

こうした理由で
大腰筋の鍛錬には
平地歩行では 目的を達しない。

また
デスクワークが長くく続くと
股関節屈曲が長時間継続することになり

このとき
腸腰筋が屈曲拘縮を発症しやすくなる。

こうなると
立位のとき骨盤の前傾位を生み出し
腰椎を引き起こす原因のひとつとなる。

  
 深層外旋6筋  しんそうがいせん6きん


深層外旋6筋は、
骨盤内の深層に位置し下肢の外旋に
主として共通に働き
6筋ともにその停止部が大転子を中心に集中するため
深層外旋6筋と命名されている。



これらの筋は、
股関節の垂直軸と交わっているため、
外旋時のねじりの強さを生み出すのに
最適なそのポジショニングとなっている。

さらに
股関節の安定性に大きく寄与している。


もちろん

6筋の独自な性格もあり

梨状筋は、

外旋作用に加え、股関節外転の補助筋としても働く。


内閉鎖筋は、

立脚時に大腿骨を固定した状態での強い筋収縮は、

大腿骨上で相対的に骨盤と体幹を回旋させます。

骨盤の回旋に加えて、

内閉鎖筋による力は関節表面を圧迫し、

それにより股関節における動的安定性を担っている。

総合的には、これら外旋筋の機能は、

大腿骨上の骨盤の回旋となります。

たとえば、

右股関節外旋筋が

大腿骨上の骨盤回旋のために収縮すると考えてみると、

右下肢をしっかりと地面に接触させると、

右外旋筋の求心性収縮により

骨盤前方と体幹は加速し、

固定された大腿に対して左対側性に回旋させる。

足を接地させ反対側へ方向を切り替える作用は、

走行時に急に方向を変える自然な方法ですが、

主な外旋筋である大殿筋は、

股関節に対して

伸展と外旋の推力を与えるのに有効となる。


またこのとき、

内転筋の遠心性収縮が、外旋筋トルクを減速させる。

  
 梨状筋   りじょうきん




梨状筋と言えば、

梨状筋症候群である坐骨神経痛との深い関係が

まず指摘されるが、

実は 梨状筋の特徴のひとつに

梨状筋の周囲に神経と血管が

おびただしく配置されていることである。

梨状筋下孔 ⇒ 

坐骨神経・下殿神経・陰部神経・後大腿皮神経

坐骨神経伴走動脈・下殿動静脈・内陰部動静脈

梨状筋上孔 ⇒

上殿神経・上殿動静脈


上記のこれら全てが 梨状筋の周囲を通過している。






梨状筋は

外旋六筋
の一つのため一般的な作用は

【股関節外旋】となる。


しかし

梨状筋は 実は股関節内旋作用もある。

股関節の外旋作用と内旋作用?
動きとしては対照的な動きであるが

股関節の屈曲角度によって対照的な作用となる

股関節外旋 ⇒ 股関節屈曲角度0〜40°

股関節内旋 ⇒ 股関節屈曲角度60°以上

梨状筋は

股関節の屈曲角度が変わることで

股関節の軸との関係上、作用が変化する。

もちろん60°で

きっかり作用が変わるわけではなく、

40〜60°は中間位

お互いの作用を打ち消し合うような状態である。

これを筋作用の逆転という。









 上双子筋 じょうふたごきん 
 下双子筋 かふたごきん  
 
上双子筋と下双子筋は

それぞれが内閉鎖筋腱の上縁と下縁に

付随して走行する。



上双子筋と下双子筋は

ほぼ 内閉鎖筋の途中から

一体になって大腿骨の大転子の内側に停止。


 内閉鎖筋 ないへいさきん  
 外閉鎖筋 がいへいさきん 


閉鎖筋は

寛骨の閉鎖孔を覆うので

閉鎖筋となっているが

それが

骨盤の内側と外側にそれぞれつくので

内閉鎖筋、外閉鎖筋 と称す。







 大腿方形筋 だいたいほうけいきん 






 大殿筋 だいでんきん 
 中殿筋 ちゅうでんきん 
 小殿筋 しょうでんきん 






さて ここで 中殿筋について
面白いエピソードを記してみよう。
それはチンパンジィ―が
歩行する時と木登りをする時に
中殿筋がどのように作用しているかという事で
アメリカのニューヨーク州立大学での研究による。

まず、
チンパンジーを2本の足で歩かせた時、
どの様な筋肉が使われているかを調べ、
骨盤や大胎骨に付いている10種類以上の筋肉の動きを
一つ一つ調査した。

ヒトは2本の足で歩く時には、
中殿筋 がよく使われる。
2本の足でバランス良く歩くためには、
欠かせない筋肉であり 片足をあげた時、
あげた足の方向に倒れようとする骨盤を
反対側の中殿筋が引っ張りあげて
バランスをとっている。
こうして体が大きく左右に振れるのを防いでいる。

ところが
チンパンジー が普通に4本の足で歩いているとき、
中殿筋はほとんど使われていないことが判明した。

しかし、
チンパンジーが 
木の幹を垂直によじ登るときに、
盛んに中殿筋を使うことが分かったのである。

人間が2本の足で
バランス良く歩くために欠かせない中殿筋。
その同じ筋肉が、
チンパンジィ―では木の幹をよじ登る時に使われている。
木の幹に前足で捕まりながら、
後ろ足で体を上に押し上げる動き。
チンパンジィ―では
このように中殿筋を使っていたのである。

このことから 次のような仮説が生まれた。
つまり チンパンジィ―からヒトへの進化の過程で
2本足歩行への転換の身体的根拠のひとつに
こうした中殿筋の発達を
木登りによってチンパンジィ―が
準備してきたという事である。

 大腿筋膜張筋 だいたいきんまくちょうきん
 腸脛靭帯  ちょうけいじんたい









   
縫工筋 ほうこうきん  
薄筋  はっきん 
半腱様筋 はんけんようきん 
 
  長内転筋 ちょうないてんきん 
  短内転筋 たんないてんきん 
  大内転筋 だいないてんきん 
 
 大腿直筋 だいたいちょくきん   

 

大腿直筋は
大腿部の前面を覆う 大腿四頭筋群の4本のうち
唯一 骨盤内の腸骨からスタートする長い筋であり、

股関節と膝関節の2つの関節をまたぐ
特徴を持っている。

このことにより
股関節の屈曲と膝関節の伸展という
2関節の作用を同時に担う役割をしていて
いわゆる
骨盤が ダイレクトに下腿への影響力をもつ

象徴的な筋肉である。









  
  肛門挙筋
  尾骨筋 
  外尿道括約筋
  深会陰横筋


 骨盤底を構成する4つの筋は、

骨盤底筋と呼ばれる。
浅会陰横筋
外肛門括約筋
内肛門括約筋
坐骨海綿体筋
球海綿体筋


会陰えいん
左右の大腿の中心にあり骨盤底の下方に位置し
体幹の最終底部の中心点となる。

会陰えいんは 2つの部位に分かれ、
尿生殖三角
肛門三角
から構成される。

尿生殖三角には
泌尿系と生殖系の最終出口があり

肛門三角には
大便排泄の最終出口がある。

会陰膜は

恥骨弓の骨格に付着した三角形の厚い筋膜性の構造物。

会陰膜は水平面にあり、後縁は自由縁となっている。

前方では、

会陰膜と下恥骨靭帯(
恥骨結合に付随する靭帯)の間に

小さい間隙がある。

会陰膜の上方には、

深会陰隙と呼ばれる薄い腔間があり、

そこには骨格筋の層とさまざまな神経や血管が走行。


尿生殖裂孔の下方にある会陰膜の部分と

深会陰隙の構造物は、

骨盤底の一部として骨盤腔内の泌尿生殖器を

支持するのに関与する。

 
会陰膜とそれに隣接する恥骨弓は、

外生殖器の根部とそれに関連する筋の付着部となる。

 尿道は会陰膜の円形の裂孔を垂直に通り抜け、

上方の骨盤腔から下方の会陰に至る。

女性では膣も、

尿道の通路のすぐ後方にある会陰膜の裂孔を通る。

 女性は、

もともと会陰膜の裂孔が3つあることで、

男性よりも会陰部が脆弱な構造となっている。

 
深会陰隙の中で、

1層の骨格筋が主に尿道の括約筋として機能し、

また膜の後縁を安定させている。


前方では、筋線維の一部が尿道を囲み、

全体として外尿道括約筋を形成する。

女性では

さらに2つの筋線維群が尿道と膣に付随している。

1つは尿道膣括約筋を形成し、

1つの単位として尿道と膣を囲む。

もう1つは尿道圧迫筋というものを形成、

左右の坐骨恥骨枝から起こり、

尿道の前で合流する。

尿道括約筋と尿道圧迫筋は

外尿道括約筋とともに尿道の閉鎖を助ける。

 深会陰横筋は

会陰膜の自由縁(後縁)と平行に走る。

 これらの筋は、

会陰腱中心の位置を安定させる。

尿生殖三角とも呼ばれるこの部分は

構造的にやや脆弱な部分となっており、

経膣分娩では

この部位の損傷が大きくなってしまうので、

産後のケアの重要性が必要。


肛門は2種類の筋肉からできている。

内側の内肛門括約筋、外側の外肛門括約筋。

括約筋とは、

何かを取り囲んでいて、

収縮するとそれが閉じるような筋のこと。

肛門括約筋は肛門を閉じる働きがある。


内肛門括約筋が平滑筋でできていて、

自律神経
によって調節されるに対し、

外肛門括約筋は骨格筋で、

意識的に収縮をコントロールする随意筋。

便意を我慢して自制でき 

又排便時に極力弛緩できるのが

外肛門括約筋の役割である。

こうして

排便の調整を自律と他律の両方で 

できるようになっている。


 



これにて

骨盤をめぐる こうした筋肉群を

華麗と表現する意味は おわかりいただけたと思う。


 
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