整体MIKUNIトップページ
 股関節憂鬱
 



 





股関節は
ときに鈍い痛みを発して
それによって
全身の鈍重感がぬぐいきれなったり、
あるいは
鋭い痛みで歩行が困難になったり、
また
思うように腰が回転できず
運動能力が半減するとか
股関節の不如意は
ぬぐいきれない憂鬱をさそう。

それというのも 股関節は、
体の全身を動かすパワーの起点になる
重大な位置を占めて、
股関節が十分な機能をしなければ
運動能力は十二分に発揮できず
爽快感はおとずれない。

股関節はそうした位置を占めている。








ひとたび股関節が不調になれば
日常の憂鬱がはじまるのである。

このような股関節の憂鬱を
はらうにはどうすればよいのか?

まずは、
股関節の秘密から見ていこう。




股関節秘密

 







股関節の最大の特徴は
球関節という球状の形状をして
多方面、いわゆる3次元方向に
多面回転できることである。




この3次元に回転できるという
股関節の最大の特徴が
全身の運動能力を飛躍的に高め
爆発的な全身のパワーを生み出す
動力の起点となる。

動力エネルギィは
直線運動ででるパワーと
螺旋型回転運動ででるパワーと
くらべれば 圧倒的に
螺旋型回転運動で出力の場合が
強力であり強烈である。

このため
運動における力学はもちろんのこと
日常生活の動作においても
回転運動を巧みに取り入れる事で
少ない出力で
疲労
少なく、美しい動作所作
可能となる。

つまり
パワーを爆発させ、
効率の良い身体動作で、
美しくなめらかな姿態動作で、
疲れをしらない、
全身
回転動作中心位置するのが
球関節である股関節なのである。




野球のピチャー投球は
股関節の回転



ゴルフのスウイングは股関節




サッカーのキックは股関節





武士
刀さばき股関節





バレーも中心は股関節


肩関節も
股関節
同様球関節であるため
多面回転でき
その関節抱合は股関節よりも浅く
短い為
肩関節は股関節よりはるかに
複雑
広域角度きの展開ができる。

股関節は食い込みが深く
それだけ
多大
荷重にたえれる構造になっているが
その分,
可動角度は肩関節より狭い。



股関節は
圧倒的に食い込みが深い。
これが股関節安定性確保している。
これにたいして
肩関節は 食い込みが浅い分だけ
関節は はずれやすい。
また、はずれても はめやすい、
という肩関節の特性となる。

このちがいの為
肩関節の動きや異常は
わりと明確に意識しやすいが
股関節は はるかに複雑性が高く
股関節
異常具体性あいまいである。

さらに股関節
にかかる荷重きさは
肩関節より圧倒的であり
肩関節にくらべると
股関節
全身性き、体重、バランス
などの多くの要素が複雑に絡み合い
その健全性がくずされやすい。

ただし
股関節は肩関節とくらべれば
その周囲靭帯・骨格筋群
圧倒的に頑強に堅牢にできており
股関節を保護する防御性は高く
その強固さの度合いは
ヒトのすべての関節の中でも
ずばぬけている。

この股関節の特性が
いったん股関節
機能破綻がでると
その回復には、肩関節よりも
はるかに手間がかかる
難事になる要因となる。

さらに 股関節の特徴のひとつに
頚体角
けいたいかくというものがある。
大腿骨が臼蓋にはまりこむ時の
大腿骨頚と大腿骨体の中心軸の
屈折角度を指す。








成人では
頚体角は120~130度に保持されて
この角度が骨盤と両大腿骨を
安定
してささえ かつ 可動域確保する
理想的な形状角度となり
ヒトの関節のなかでも
美学的にうっとりするように
秀逸な形状となっている。

頚体角度は
幼児では大きく
成人になるにしたがい小さくなり
これが2足歩行の
安定性を増していくことになる。

頚体角度
年齢とともに変化していく。







また、股関節には前捻角といい
大腿骨の頚部が
仰向
けに頭部方向からた場合の
どの
角度寛骨臼にはまりんでいるのか
の角度をしめす指標がある。








前捻角の角度は
股関節自身の屈曲と内旋の角度に
きく影響するのはもちろんのこと
下肢全体
バランスきく影響する。


 股関節上半身動力起点


股関節は、
全身性の運動をする場合
腰椎と共同して
動力発動の起点、つまり
動き出しの始まりとなる部位となる。
これを『全身動力の起点』と呼ぶ。

とくに
全身性の回転運動によって
パワーを全開する場合
股関節と腰椎が共同して
回転の起点となり
爆発するパワーを発揮する。

回転によって
上半身でパワ―を発揮する場合は
股関節が起点となり
下半身でパワ―を発揮する場合は
腰椎が起点となる。

では
全身性の回転運動の動力源は
どこかというとそれは骨盤である。
つまり起点は
股関節と腰椎であり
動力源は両者をはさむ骨盤にある。
図で示すと下記のようになる。



骨盤が動力源となる事は
容易に理解できるであろうが
股関節が
上半身動力の起点となる、と
すぐには理解できにくいかもしれない。
なぜなら
通常は股関節は
上半身でなく下半身
起点でないかと
思い込んでいる人が多い。

じつはここに人体の秘密がある。



回転運動において
最高のパーフォーマンス発揮するには
上半身の回転の場合は
股関節を起点にして骨盤の回転で
動力
発生させそ上半身発揮する。


下半身の回転の場合は
腰椎を起点にして骨盤の回転で
動力発生させそ下半身発揮する。



これが最小のパワーで
最大のパワーを実現できる
回転運動のパーフォーマンスとなる。
つまり
骨盤
をまたいで回転、つまりねじるひねる
をすることが必要となる。

このメカニズムは
また
股関節と腰椎への負担も軽減し
ケガと事故が回避できる。
いずれも骨盤を介在することで
股関節と腰椎への負荷が激減し
小さな力で大きなパワーが出る
事になる。



では ここで
股関節の回転運動の起点を
実際のスポーツの動きから解析する。

まず
大谷翔平の投球フォーム。








大谷翔平は右投げにより
軸足は左足である。
軸足
つと同時左足大腿上げがまる。
この左足の大腿上げの動作の起点は
腰椎にある大腰筋の起始部である
腰椎になる。
つまり腰椎から出る大腰筋が
左足の大腿筋を持ち上げる。
げた時、左大腿微妙内回転させ
その次に左下肢を着地させ
ステップ足とさせる。






その後、
左ステップ足
着地中心として
両股関節を起点とし
骨盤からの発せられるエネルギィを
一気に爆発させて
上半身の全体を左回転し
右肩を回転して
ボールをリリースさせ
投球動作が終了する。

目まぐるしく連続の回転運動を
各セクション
分解して解析すると
すべての動作が
骨盤を中心にして
股関節
腰椎ムーブメント起点として
上半身と下半身を
流れる様に回転させていく。

ここで
伝説の野茂英雄のフォームを
見てみよう。
トルネード投法という
爆発的な回転で独特な投球法。





野茂英雄のトルネード投法こそ
股関節と腰椎を起点にして
骨盤のパワーを最大限に活用して
上半身と下半身を極限的に回転し
力感にあふれた身体の爆発である。

野茂英雄のトルネード投法で
股関節が
上半身動力の起点であることが
腑に落ちると思う。
上半身回転動力の起点を
腰椎
からした場合 トルネード投法
野茂英雄の腰はたちまち
つぶれてしまうのである。

上半身の回転動力の起点を
股関節でなければならない事は
日常的な動作においても
あきらかになる。

たとえば
厨房で腕をふるう料理人は
重量物
器具や、具材
腕力
るのみでははこわれる。
必ず股関節を起点にして
腕の末端を動かすやり方をする。
こうした重量物さばきベテラン
一日中厨房に立っても
疲れを知らない。



もしこうした料理人が
そのきを腰椎起点作業ければ
とうからず腰痛となる。
理想の動力ムーブメントは
股関節を起点とし体の回転が始まり
次に骨盤で動力の発動が起こり
次には腰椎の回転がはじまり
背骨を通って
腕~手に伝わっていくのである。
つまり体幹をほぼ縦走貫通して
回転
動力ムーブメントがおこなわれる。

また
いわゆる『おじぎ』をする時も
股関節
『おじぎ』動作の起点となる。
まず 美しく、端正な『おじぎ』は
以下の様に
股関節
起点にして上体まがる。
決して腰
起点ではないのである。







腰を起点に『おじぎ』すると
背中は湾曲し『おじぎ』は破綻する。
美しく端正な『おじぎ』は
その角度ではなく
その起点がどこか、なのである。





どの角度でも股関節起点であれば
美しく端正な『おじぎ』となる。

股関節には
このような秘密がある。




股関節を解剖する
 


股関節を守る組織のなかで
他の関節には見られない特徴が
股関節唇である。

股関節唇とは、繊維製の軟骨で
寛骨臼の中に存在し
文字どうり唇くちびるのように輪を描き
タコの吸盤の様にぴったりと
寛骨臼
いて大腿骨頭衝撃吸収する。

股関節唇
股関節安定化脱臼を防ぐ。



股関節の動きから始めよう。
股関節
つの運動方向表現される。









実際に股関節が動く時は
これらの6つの運動方向複合的連動
組み合わさって複雑な動きをする。

そうした動きを可能にするのが
股関節
骨格筋群・靭帯である。

  股関節の筋肉群

股関節つの方向かす筋肉群
総計で21ある。


 大腰筋
 小腰筋
 腸骨筋
 大殿筋
 大腿2頭筋
 半膜様筋
 半腱様筋
 中殿筋
 小殿筋
10  恥骨筋
11  長内転筋
12  短内転筋
13  大内転筋
14  梨状筋
15  内閉鎖筋
16  上双子筋
17  下双子筋
18  大腿方形筋
19  外閉鎖筋
20  大腿直筋
21  薄筋 はっきん

この筋肉群が複合的に股関節を動かし
動物界において最も
複雑で高度な動きを可能にする。

ほぼ
すべての運動とスポーツが
このれらの筋肉群の連動により
より速く、より強く、より高く
をめざし股関節を動かす。

ヒトの
最大の特色である直立二足歩行も
股関節の機能があってこそ
可能となっている。

 股関節の靭帯





股関節の靭帯は3つあり
股関節包という股関節をすっぽりと包む
袋状の組織の外側に存在する。
そして
これら靭帯を包むように
骨格筋群が縦横に走行する。

1
腸骨大腿靭帯
2
恥骨大腿靭帯
3
坐骨大腿靭帯



この靭帯は
形状が複雑で一見わかりにくいが、
股関節を保護するため
ヒトのすべての関節に付随する靭帯の中で
最強の靭帯となっている。
それが
股関節の靭帯の最大の特徴となる。



股関節の靭帯の2つ目の特徴は
中立位
(ニュートラル)においてねじれた状態
にあるということで
これは何を意味するかというと
ヒトは立ってニュートラルな位置の時は
股関節が靭帯緊張をおびており
リラックスはしておらず
屈曲してはじめて弛緩リラックスする
ということになる。




靭帯の詳細を見ていこう。


1
腸骨大腿靭帯

股関節の正面側にあり
骨盤の寛骨から起こり
大腿骨に向かい二股に分かれて延びる
Y字状の形をする。
この靭帯が
ヒトのすべての靭帯の中で最強である。






恥骨大腿靭帯

恥骨から始まり
関節包と融合しつつ、同時に
腸骨大腿靭帯とも融合し
腸骨大腿靭帯のY字型の中央に入りこみ
股関節の脱臼を防御する。




座骨大腿靭帯




座骨から始まり
大腿骨頭に付着する。














股関節の病態




大腿骨頭骨の壊死とは
股関節の中で
大腿骨頭での血流遮断が起こり
骨の壊死が始まり崩壊していく。

軽度の場合は自然治癒となり
重度の場合は
骨頭に陥没ができ軟骨の減少で
変形性股関節症となっていく。
MRIの診断で判断する。









股関節唇損傷
股関節唇がひとたび損傷すると
大腿骨頭と寛骨臼のかみ合いが甘くなり
股関節の
逸脱感、不安定感、くいこみ不足、
ぬけそう感覚、ひっかかり感覚、
のような股関節の異常がでる。
また
進行すれば軟骨がすりへり
変形性股関節症に行きやすい。
股関節唇には神経が存在し
股関節唇そのものが
痛みの震源地となる。
これが
神経組織のない軟骨と違う所である。





 整体MIKUNIトップページ