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膝の内側の痛み:日本人の特徴



日本人は、膝の内側の痛みがでやすい。



床での生活様式、あぐら、正座、
O脚が多い
農耕民族の労働形態-土との親密性
などなどが日本人が膝の内側に痛みをもたらす
大きな要因となっている。

以下のようなひと時代前の日本の典型的な
ちゃぶ台を中心とした生活では
膝の内側に痛みが出やすい傾向となる。


荒っぽく言うと
これらのケースとは逆に
X脚の人が生活形態からくる膝痛になる場合
膝の外側に痛みが出やすい傾向がある。

床でのアグラの姿勢が習慣化すると
膝痛が出る場合多くが膝の内側が痛む。



ただし
その民族性にかぎらず
そもそも膝の構造自体が
圧倒的に内側に痛みが出やすい構造となっている。
その左証
さしょう
膝の側面を保護するために
膝の内側と外側のサイドに附着している
2つの側副靭帯
そくふくじんたい
圧倒的に内側の
内側側副靭帯
ないそくそくふくじんたい
厚く長くて強固にできている。
下図で

内側側副靭帯ないそくそくふくじんたい
外側側副靭帯
がいそくそくふくじんたい
の大きさの差が歴然としている。


つまりこれにより
膝の内側に力学的な荷重がかかりやすく
側副靭帯が
内側をより強固に守っていることになる。

膝の内側はこのような特徴をもっているのである。



膝の内側の痛みを訴える場合、
触診と問診の後 通常
以下の様に およそ4つの可能性を考える

鵞足炎 がそくえん 
変形性膝関節炎 へんけいせいひざかんせつえん 
内側側副靭帯炎
内側半月板損傷 
前十字靭帯損傷 
ないそくそくふくじんたいえん
うちがわはんげつばんそんしょう 

ぜんじゅうじじんたいそんしょう
滑膜タナ障害 かつまくたなしょうがい

以上の4つのひとつひとつをつぶさに説明しよう。

鵞足炎 がそくえん 

鵞足がそく・・
そもそも
鵞足がそくとは何なのか?
鵞足がそくとは
以下の3つの筋肉が結束して付着する部位を指す。



その形が鳥のガチョウの足の形に
にているところから命名された。

  縫工筋ほうこうきん 
  半腱様筋はんけんようきん
  薄筋はっきん



3つの筋肉が脛骨頭の鵞足で結束して付着しており
鵞足は、この3つの筋肉の腱組織である。

鵞足炎とはこの部位の炎症である。

右膝を内側からとらえる図


右膝を正面から見る図


この鵞足部は触診ができるのでわりとわかりやすく、
骨盤を起始とする以下の3つの筋肉をたどれば
縫工筋ほうこうきん 半腱様筋はんけんようきん  薄筋はっきん
鵞足部にたどりつく。

その走行イメージは下図。



 変形性膝関節炎 へんけいせいひざかんせつえん 

変形性膝関節炎は関節内の軟骨の劣化によっておこる。
膝軟骨は大腿骨と脛骨のそれぞれ骨頭に付き
膝を摩耗から守る。

膝軟骨の厚みは
大腿骨側は7㎜ 脛骨側は5㎜で骨頭にあり
その周囲は関節液で満たされ
滑膜がこれを包む。


さらにその外側は関節包で保護される。

変形性膝関節炎はまさにこの軟骨が劣化し崩壊し
炎症を起こし痛み膨張する。

以下の図のようになる。

この場合の水がたまる、水とは関節液の膨張をさす。
この時
膝の内部では以下のような状態となる。




内側側副靭帯炎
内側半月板損傷
前十字靭帯損傷
ないそくそくふくじんたいえん
はんげつばんそんしょう
ぜんじゅうじじんたいそんしょう 

いわゆる
膝の内側の
三重苦(トリプルトラブル)
という膝の内側の特有の障害が
側副靭帯
半月板
十字靭帯
の3つが膝の内側を中心とし
連動して障害が起こることである。

具体的には
内側側副靭帯炎
内側半月板損傷
前十字靭帯損傷

が膝の内側の3つの障害である。




滑膜タナ障害 かつまくたなしょうがい


膝を曲げ伸ばしするたびに
ポキポキ、コキコキと音がする。



膝の内側に痛みが出るのに加えて、
膝のグラグラ不安定感、
ひっかかり感、
こうした症状がある時は
滑膜がはさまったりすれたりしている疾患を疑う。
この滑膜の形を指してタナという。

この滑膜タナが、膝蓋骨
(膝の皿)と大腿骨との間で
くりかえしはさまれてしまうことで
障害をおこすことで発症する。



この滑膜タナとは
膝関節をおおい滑液をカバーする滑膜の一部であり
母親の胎内でいる時に作られるが
現在にヒトにはとくに必要なものではなく
進化の過程でヒト以前の遺残組織である。

このためこの滑膜タナが現在では
すべての人の膝に存在する訳では無い。
痛みもなく障害が無ければ放置していいものである。



以上 膝の内側の痛みの詳細を説明してきた。
膝の内側の痛みが起こる要因は複雑だが
生活様式のなかで
膝の内側に負担のかかる身体動作の分析が
非常に大切となる。
この身体動作の分析によって
まず膝の内側に集中的にかかる
力学的負荷が分散する身体への変換が必要となる。

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