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ドライアイ悲鳴







眼の酷使は
現代文明における
身体動作の特徴のひとつで
現代においては情報と活動の多くを
眼に依存している。

生活と職業は
映像と移動が中心となり
スマホ、パソコン、テレビ、車、
によって眼の依存と酷使は
文明史上の空前絶後である。

さらに
密着型家屋の普及によって
自然の風、湿度、温度から隔離され
たえず人工的な乾燥エリアで
生活する事が多くなり
眼はさらなる試練を受ける。

また
戸外での運動そのものの減少により
血行不良 栄養不良 代謝低下
などの身体の虚弱衰弱により
眼は健全からはるか遠ざかる。


こうして
眼精疲労とドライアイは
現代人の必然的な病態となっている。


ドライアイとは
涙の分泌量そのものが減少し
同時に
涙の成分も変化し劣化し
眼の角膜の表面を潤すパワーが
減少してしまう状態を指す。



それが ひどくなれば
角膜の上皮細胞が傷ついてしまう。

下図が 角膜の
上皮細胞が損傷したイメージ図











左が健全な状態であり
右がドライアイにより
角膜の上皮細胞が傷ついた状態。

この図を見ただけでも
角膜が傷つき
ヒリヒリとする感じが
してくるのではないだろうか。

また
ストレスや心理的動揺でも
ドライアイになりやすい。

コンタクトレンズはもちろんの事
土の会わない眼鏡でも
ドライアイはでやすい。

まばたきが
減ってこれば
当然、涙の分泌も少なくなり
ドライアイになりやすい。

また年齢が高くなるにつれて
涙の成分も劣化しやすいので
ドライアイになりやすい。

こうして
ドライアイはますます蔓延していく。


涙を解剖する



では以下
涙を解剖してみよう。

もう一度
涙と角膜の解剖図を見よう。







涙は
2つの層から成り立つ。


上記の表の中で
涙の油層(黄色)と
涙の液層(ムチン、微生物が含む)
の2つの層が
あつまって涙である。

表面が油でカバーされており
液層にはムチン、微生物が含有、
これが涙の特徴である。

正常な涙では
この涙の2つの層により
角膜の上皮細胞を
がっちり保護している。

ところが
涙が不安定になると
角膜の上皮細胞がむき出しになり
角膜上皮細胞は損傷する。

ドライアイとは つまり
角膜を
このような状態にしてしまうのである。

ここで 角膜の
ひとつの重要な特徴をのべる。

それは
角膜は血管を持っていない、
ということである。

角膜は
良い視界を維持できる様に
その透明性を確保のため
血管が無い。
血管があると
透明性が低下するのである。

つまり角膜は血管が邪魔。

その代わり
角膜は
涙を仲介して酸素を取り入れている。
涙は
角膜に酸素を運ぶ役割をも
果たしているのである。

このため 涙がかわけば
角膜は酸素の供給が断たれる。
つまり 損傷する。

涙は
こうした重要なミッションをも
になっている。



では さらにくわしく
涙を解剖していこう。


目の構造が下図である。

上下のまぶたには涙が満たされ
それに接して白色の角膜がある。

その奥には水晶体があり
 眼底には網膜があり
そこから視神経が伸びる。






下図を見てみよう。










涙は
涙腺という組織で形成され
まばたきをすると
涙腺から分泌される。

涙は
流出と排出を繰り返し
たえず流動している。

排出の大部分は
鼻側にある涙点という小さな穴から
鼻の奥に排出され
一部分は目の表面から蒸発する。

まばたきをする度に、
目の表面には
一定量の涙が送り込まれる。

乾きそうになると
1分間に約20〜30回程
まばたきを繰り返して、
無意識のうちに、
目の表面に涙を送りこんでいる。

目の表面を潤していた涙は、
約10%が蒸発する。

残りの涙は
目の内側にある「涙点」という
小さな穴へと流れていく。

「涙点」を通った涙は、
そこから目と鼻をつなぐ「涙小管」、
さらに「鼻涙管」を通って、
最終的には
「鼻腔」へと流れ、
鼻の中にたどり着く。


涙は
油層と液層の2種に分かれることは
先にのべたが
さらにくわしく説明する。

理想的な涙の構造を記すと
以下の様になる。









涙の油層は先に説明したとうり
油膜で液層を保護する。

涙の液層は
ゲル状の水分のムチンの中に
分泌型のムチンが浮かんでいる。

ムチンは
その粘質性が水分の蒸発を防ぐ。

このムチンの分泌が減少すると 
涙がでても
水分が瞳にとどまっていられないために
ドライアイになってしまう。

たとえば
加齢によって起こりやすい
目の症状に「流涙症」がある。

これは 高齢者で
よく涙が出て止まらないと
訴えるケースがあるが
この「流涙症」である。

この「流涙症」は
加齢によって
コラーゲン繊維の劣化がおこり
涙の通り道である
涙道の弾力が失われて
道が狭くなって
涙があふれてしまう状態となる。

この「流涙症」
いつも泣いているような状態で
目の乾きとは無縁のような
印象があるかもしれないが
この状態でも
ドライアイになってしまう。

なぜかというと
涙があふれるほどあっても、
ムチンが不足して
涙が瞳にとどまっていられなくなる。
つまりドライアイになってしまう。


これから見てわかるように
理想的な涙とは
油層がしっかりある事
ムチンがしっかり保持されている事
なのである。




次に
涙の成分のうちムチン以外を
説明しよう。

涙の成分は
血液と同じような成分で、
以下のような成分を含んでいる。

ナトリウム
カリウム
塩素(電解質)
ビタミンA 
ビタミンC
ブドウ糖 
アルブミン
ラクトフェリン
IgA
EGF(細胞成長因子)




などなど


涙とは
もともとその原料は血液である。
血液を原料として
涙腺でそれが涙に変換されるのである。

つまり
涙腺内の毛細血管からにじみ出た
血液がもとになり
そこから 血球を除かれ
その後 最終的に涙が生成される。


では
涙はどんな反応で
流出にいたるのか?

まとめると
人は状況に応じて
以下の3種類の涙が流れる。

@ 感情にかかわらず、
まばたきのたびに
少しづつ分泌され、
目の表面を潤している。
A  「反射性分泌」
目にゴミが入った時など
これらを洗い流すために
分泌される涙。
B  『情動性分泌』といい 
感情が高ぶったときに、
脳からの信号で分必される涙。




角膜を解剖する




角膜は透明というのが最大の特徴。

人の体の組織・器官の中で
透明という場所は角膜しかない。

角膜の重要な役割は
光を目の中に取り込むことで
光の情報を角膜で取り込み
水晶体通過し網膜上に
収束、屈折させる。

外から入った光の情報は
角膜で一回 屈曲する、

そして
水晶体でさらに屈曲し
網膜の中心部分の
黄斑部という所で結像する。

ここで 初めて
ヒトは対象を認識する事ができる。


厚さ0.5mmの角膜は、
表面から順に
角膜上皮
ボーマン膜
角膜実質
デスメ膜
角膜内皮
という5層からなる。








角膜上皮の特徴は、
時間単位で
新しい細胞が生まれ、
時間単位で
古い細胞が表面から脱落していく
という活発な新陳代謝である。

したがって、
角膜上皮に傷がついても
角膜上皮障害が起こっても、
その傷は自然修復する。

また
角膜神経という、
角膜の周辺部から
中央部に向かってほぼ網目状に
多くの神経が入ってきている。
その終着点が角膜上皮。

角膜の中身ともいえる角膜実質は、
角膜を透明に保つために
非常に大事な役割を果たしている。
コラーゲン線維が
その主な構成成分。

この角膜実質は
角膜の厚さの9割以上を占めており、
角膜の透明性を保つ背景と言える。
また細胞がとても少ないことにより、
傷の治りが遅い、創傷治癒が大変遅い
という特徴がある。

角膜実質の傷や混濁を
起こしてしまうと治りにくくなるのは、
これが理由。

角膜上皮より深い層である
角膜実質の傷や障害は
角膜にとって危険水域といえる。


角膜内皮も
透明性を保つ生命線といえる。

角膜内皮には
1層の細胞シートがあり、
この細胞が
能動的に絶えず活動することで
角膜を透明に保つ。

また、
角膜は血管がないので、
どこからか栄養を得なければいけない。

角膜の内側の層に関しては、
栄養を
房水と呼ばれる目の中の空間から
水(栄養)を汲み取っている。

ただ、
水を汲み取るだけでは
角膜が水膨れを起こし
汲み取った水の中で、
余分な水分を前房と呼ばれる
目の中の空間にまた戻してあげる、

そういう役割を角膜内皮は果たしている。

涙の分泌そのものは
量的には年齢とともに
減少してくるのであり
結果
ドライアイの発症も
年を経るに従い増加する。

これは
涙の量そのものがすくなくなるため
涙液減少型と呼ぶ。

ドライアイは
もう一つのタイプがあり
それは蒸発亢進型と呼び
涙の質に異常があり
涙がとても早く乾いてしまうことで
ドライアイとなるタイプ。





ドライアイ整体やり方
 



ドライアイに
整体は、以下の様に対処する。

ドライアイは
目の酷使と涙の分泌の異常にあるので

整体施術の基本は
目の徹底的な休養と保養、
涙の分泌流動の健全、
涙の質の回復 
になり
これをまとめると以下の様になる。


ドライアイ 整体施術の実際 
1  眼完全休息
2  視神経刹那的完全休息
3  三叉神経,自律神経健全化
 遠くを見る精神的余裕回復
 まばたき復権
 涙道弾力取り戻す
7  眼輪筋弛緩柔軟性
 涙点通りをよくする
9  マイボーム腺復活
10  目ぎゅっとつむる習慣化
11  涙あふれる体質をつくる



以上 11の視点から
整体の
ドライアイへの具体的な対策を
以下 るる述べる。



1  完全休息




眼は
まぶたを閉じるだけでは
完全休息はできない。
心理的な安定、解放、休息、
及び
神経群の活動の健全化
さらに
眼を働かせる筋肉群の弛緩

3つの条件が必要である。

その為の施術を行う。


2  視神経刹那的完全休息
 



眼は
まぶたを閉じるだけでは
完全休息はできない。

とりわけ
視神経を休息させるには
脳の休息がまず必要である。

患者の脳は
どのような環境で
休息がもたらされるのか?

そうした洞察が必要とされる。

3  三叉神経,自律神経健全化



涙を分泌する涙腺神経は
三叉神経と自律神経により
支配されている。

このため
三叉神経と自律神経の健全は
涙の分泌の
正常化させるために
必須となる。

 遠くを見る精神的余裕回復
 


日常生活の中で
近くのものを見る時間が
圧倒的に多い現代の人は
遠くを見つめることで
目の深い休息と快感が
もたらされる。

ただ
遠くを見つめる習慣を作るには
精神的なゆとりがないと
習慣として定着しない。

このため
まず
精神の余裕を回復する状態を
つくることが整体の狙いとなる。


 まばたき復権
 
まばたきは
無意識のうちに
ひんぱんにおこなわれ
涙の健全な分泌が
なされている。

ところが
緊張の連続、精神的動揺とか
心身の不安定な継続で
まばたきは
激減する。

まばたきの復権は
したがって こうした
緊張の連続、精神的動揺とか
心身の不安定な継続
などの軽減を図ることが
必要になる。

また
目の周囲の筋肉が
衰弱した高齢者や
目の酷使をする若者や
乾燥した屋内で長時間いる
条件の人にも
まばたきの低減がみられ
知らず知らずのうちに
涙が枯れてくる。

まばたきの復権は
ドライアイの回復の王道である。




 涙道弾力取り戻す
 



涙の通り道のルートを
涙道と呼ぶ。

この涙道が
その周囲の筋肉組織の
コラーゲンなどの劣化で
その弾力性が喪失してしまう事がある。

弾力が失ってしまうと
涙道の道が狭くなってしまい
涙が横道にあふれて漏れてしまう。
 
こうなると
涙が多くなっていいように思えるが
涙の主成分であるムチンの
飛散減少となり
涙の成分は劣化し
乾燥状態がすすむのである。

このため
涙道の弾力を復活する
マッサージは必要である。




7  眼輪筋弛緩柔軟性
 


眼輪筋とは
まぶたの開閉をになう筋肉。

この眼輪筋という筋肉が
緊張しすぎる
あるいは
力が弱くなりたるむ
ようになると

まぶたの開閉にも影響が出て
結果
涙の流出も減ってくる。

このため
眼輪筋弛緩柔軟性
涙の復権に
を回復する必要があるのである。


 涙点通りをよくする
 


涙はいったん目の中に
あふれ流入されると
目の中で流動し
最終的には
鼻側にある涙点という場所から
鼻の中に流出されて役目を終わる。

こうして
涙はたえず
新しいものと古いものが
流動し新陳代謝をはかっている。

ところが
涙点が詰まってくることがあり
こうなると
古い涙が目の中から流出されず
新たな涙の流出が止まる。

このため
涙点の通りをよくする施術が
必要となる。

9  マイボーム腺復活
 


涙の
表層にある油層の油成分は
マイボーム腺という部位から
分泌される。

マイボーム腺は
自律神経の副交感神経が
コントロールしており
緊張状態が続くと
副交感神経がおさえられ
マイボーム腺からの
油成分の分泌が少なくなり
涙が乾燥しやすくなってしまう。

このため
自律神経の健全化によって
マイボーム腺が
自在に働くようにする。


10  目ぎゅっとつむる習慣化
 

目を意識的に
ぎゅっとつむる
だけで
涙は出る。

このため
涙を意識的に出したい時
ぎゅっとつむる
だけでよい。

こうしたことを習慣化する事で
ドライアイを
わずかでも防御できるのである。


ぎゅっとつむるまでもなく
軽くつむるだけで
涙があふれ出るようになる。

11  涙あふれる体質をつくる
 

涙もろい体質は
涙があふれでて当然
ドライアイを
遠ざける要因のひとつであるが

ちがう角度からすれば
涙もろいという事が
情緒にあふれた
豊かな精神生活を送っている事を
意味し
こうした精神的ゆとりが
質の良い涙の流出をあふれ

目の健全を
担保する根拠となる。

このため
涙があふれる
心身の状態をつくるのが
整体の究極の役割となる。


以上、整体の
ドライアイの対応を述べてみた。


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