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腱鞘炎とバネ指
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手指の腱鞘炎けんしょうえん の本質的原因は 本来、背中から肩を通じ 腕を経由し最終的に手指にかかる 力学的荷重のバランスラインが 破綻してしまい 手指に異常な荷重がかかってしまう ことからくる。 つまり 体幹から発生した動力エネルギィが 極端に 指にのみかかってしまい 指が悲鳴を上げ腱鞘けんしょうの部位に 結果的に炎症が発生する。 このため こうした力学的荷重のバランスの 体の動きのクセを矯正せず 指への酷使を放置すれば 腱鞘炎けんしょうえんはおさまらず ぐずぐずと慢性化する。 したがって 腱鞘炎けんしょうえんの治療は こうした体幹から指までの 力学的荷重のバランスライン上の クセの矯正をおこなう必要がある。 そのため 腱鞘炎けんしょうえんの発症現場は 指なのであるが 治療はまず体幹から始まるのである。 たとえば 親指にでる腱鞘炎は 下図のように 短母指伸筋腱と長母指外転筋腱 上の手首の付近の腱鞘けんしょうの 部位に発症し疼痛がでる。 たしかに発症現場は、 この痛みがある腱鞘けんしょう なのであるが、 治療の現場は まず この短母指伸筋腱と長母指外転筋腱 の先の先をたどり 背中の骨格筋から始まる。 ということである。 腱鞘炎けんしょうえんが さらに悪化すると 指がバネのようにハネ上がる バネ指を引き起こす。 バネ指は 腱鞘炎の中の症状のひとつである。 このため 腱鞘炎の治療のやり方と バネ指の治療とは共通する。 まず 腱鞘炎の原理から説明していこう。 腱けんとは 骨格筋の主部が 骨と連結する付近になると 細く、よりしなやかになって より柔軟性を増して 骨に付着する事になる。 これによって 関節の多様性のある動きを 実現できるようになっている。 この部位が すなわち 腱けんである。 つまり 骨格筋と骨とを仲介して 接着の役割をになうのが 腱けんである。 腱けんの存在によって 骨と筋肉が連動して なめらかに動く。 腱の特徴は 強い外圧により 切断や損傷がおきやすいことで 骨格筋本体にくらべて 脆弱にできている。 腱は 柔軟性を重視する為 その分、脆弱になっている これが 骨と骨格筋の両者の中間に位置して その仲介をする 腱の特性となっているのである。 腱は、ひどくもろい。 手の場合 前腕からの骨格筋が 手首のあたりで腱に変貌して そのまま腱の状態で指に伸びる。 つまり 手の平と指は 腱のみの構造となっている。 これによって 手は きわめて繊細な動きが可能になる。 次に 腱鞘けんしょうの、 鞘しょうの意味。 鞘しょうとは、別の読みかたで 鞘さやであり 刀を鞘に納めるの鞘さやの意味で 腱けんを刀だとすれば その刀を鞘さやが保護固定している様な 関係となっている。 つまり 腱けんは、鞘さやで保護固定されていて 鞘さやは 腱が浮き上がらないように固定する 役割をしており もし これがなければ 下図の右のようになってしまう。 この腱と鞘の2つを称して 腱鞘けんしょうというのである。 腱鞘けんしょうは正式には 靭帯性腱鞘という。 つまり 腱鞘けんしょうは 靭帯のような機能を 備えていることを意味する。 靭帯とは 骨格と骨格を連結する機能を 持っており腱鞘はまさにこの機能がある。 腱が手指の骨から離れないように 指の動きといっしょに動けるように トンネル状のバンドの機能をもっている。 指を曲げ伸ばしする時に ひも状の腱が トンネル状の鞘の中を 往復するように移動する。 要するに 手指の動きは 骨に沿って伴走走行する腱が 鞘の中をスムーズに動くことにより 自在に動くことが保証される。 腱鞘炎とは この鞘さやの部位の炎症を言う。 さらに詳しく見てみよう。 腱鞘けんしょうは 2つの部位からできており 線維鞘せんいしょう、滑液鞘かつえきしょう である。
先ほどの上図は 便宜的に線維鞘せんいしょうのみを表した。 線維鞘せんいしょうと、滑液鞘かつえきしょう を完全分別すると 以下のような図となる。 手の平側の解剖図で、 指の先端にある灰色の三角形が 指骨格である。 線維鞘せんいしょうは 紫色でベルト状である。 滑液鞘かつえきしょうは 青色で長い鞘となっている。 腱は緑のラインである。 腱鞘炎 が発症する正確な現場は この線維鞘せんいしょうなのである。 線維鞘せんいしょうが なぜ炎症をおこすかというと 指の腱そのものに 過酷な荷重がかかってしまい その過大な負荷により 鞘を刺激して炎症となる。 本来 腱というものは 骨格筋のパワーエネルギィを 骨格筋に保持させながら 骨格を動かす方向性を 誘導するものである。 ところが 腱そのものが パワーエネルギィをもってしまうと それに耐えきれず 腱はねを上げてしまう。 腱鞘炎とは つまりこの状況下でおこる。 もちろん この炎症を解決するために 自己修復能力はそなえているが それ以上に 強いパワーが指に執拗にかかれば 自己修復能力は超えてしまう。 具体的に 自己修復能力とは 腱と線維鞘にくるまれる 滑液鞘かつえきしょうの潤滑能力であり 滑液鞘かつえきしょうの潤滑能力は ひとえに ここに十分な栄養を補給する 血液の力に依存する。 バネ指は 文字どうり 指がバネがはねるように とびはねてしまう症状を指す。 バネ指は 腱鞘炎の中の一形態である。 このため バネ指治療も 腱鞘炎の治療方針と同一となる。 ここで整体の 腱鞘炎の治療方針を まとめると、 第1 指に過度な負担のかかる 背部に始まる力学的荷重の パワーエネルギィのバランスの 根本的な修正と矯正を行う。 第2 背部から手指の腱に至る パワーエネルギィのラインの全工程の 骨格筋の弛緩をおこない 腱と腱鞘の力学的負担を軽減し 炎症をおさえる。。 第3 背部から手指の腱に至る パワーエネルギィのラインの 器官の全的血行を高め 血液を媒体とする自己修正能力を高める。 以上が 整体の腱鞘炎の治療方針となる。 |
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