2013年2月の整体  

例年のように 2月は風邪をひきずりながら 同時に体のあちこちを崩して整体に来る人が多い。
今月は風邪について記してみよう。

特に今年はめっきり冷える日が多いので
風邪とか インフルエンザで寝たきりでしたとか なかなか風邪がぬけなくて・・という人がやたら多く 整体 M I K U N I に来院する。

西洋医学的には 風邪はウイルスが体に進入し そのウィルスの勢いに体の自衛力が敗れてしまった状態で症状がでることをいうのであるが

整体的に観る場合 体の自衛力ないしは免疫力を凌駕してウイルスが活発なのを 敗北と考えない。
なぜなら整体は それまで蓄積してしまった疲労などが偏って偏在するのを一掃しようとする体の反応を風邪ととらえるからで
わかりやすくいえば 体の掃除をしている状態が風邪を引いている状態といっていい

したがって 風邪とは一時的にくずれた体を正常に復元するための 経過である。
であるから 整体 M I K U N I では風邪を治すというより
風邪の経過によって体を清浄する勢いに拍車をかけ
風邪が終息を見た時 より快適な体となっているように後押しをする

ために 発熱も セキも くしゃみも たらりと流れ落ちる鼻水も ウイルスと戦っている経過であるので
これらの戦いを停止する方向に体をもっていくのではなく むしろこれらの活動を後押しする勢いを付与するのが整体である。
たとえば 炎症とは 免疫細胞がウイルスに戦いを挑んで交戦しているときの体の反応であるので
これを停止しようとすると つまり炎症を抑制しようとすると 戦いは中途半端なもので終末してしまうので
整体的には この炎症がさらに効果が倍増するように体に刺激をあたえる。

では どんな刺激を与えるのか?
それは 脳内の快感ホルモンが放出されるような刺激であり
身体的には硬直した部分の解放であり
呼吸がしやすいように気道を柔軟にしたり
などなど で
当然 ただひたすら睡眠を欲する場合は 軽く頭蓋骨をさわっているだけで十二分な効果を挙げる。

風邪も ひとそれぞれ その引き方にクセがある。
足の指が痛くなったり
ふくらはぎが強烈にだるくなりちぎれるような感覚になったり
胃 腸・の調子がくずれたり
眼精疲労がはげしくなったり
背中痛がでたり
と 体のクセがでるのです

私自身の場合は あまり風邪はひかないが それでもたまに風邪をひくと脊柱に冷気がこもる習性があるので
この冷気を取るような体の動きをすると にわかに風邪の感覚が消えてゆく
具体的には 46度ぐらいの熱湯シャワーを勢いよく まんべんに脊柱に放射する
或いは 脊柱に木の棒のようなものをあてて ごろごろ寝転がる
すると 風邪の感覚が喪失していくのがわかる

なお 風邪の症状が2週間も3週間も引かないという患者は おしなべて
体の柔軟性がいちじるしく欠如し
とくに背中の 胸椎の4番〜6番の硬直が激しいのが常で
これらの弛緩につとめると あっさり潮が引くように風邪も終息をみやすい。
また
注目すべきは 頚椎の4番〜6番 および鎖骨の周囲が異常に硬直していることが多いので
同様に これらの弛緩に努めると
風邪の渦中で遭遇している 体のだるさや不快の軽減につながりやすい

いずれにしろ 活性化された免疫細胞が ウイルス感染した細胞の排除が開始され抗体が形成され
この抗体が結局は 風邪の終息をもたらすのであるが
こうした 身体を舞台にして進行する自らの風邪のドラマを わずかでも余裕をもって観察することができれば
たとえ風邪の渦中で苦しくても
思いがけない風邪の効用をもたらす結果となる