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2019年4月の整体
桜の花ふぶき、走る足首
 

毎年、 桜の花びらが地上に落ちるころから 

意を決して始めようとする事が多いのが ジョギングである。



桜の花ふぶきの中で疾走するのは ひどく気分の良いもの、

まだ冷たい4月の突風で 走り始めは冷たい体も

走るにしたがって じっとりと汗ばんでくる。



今月は 疾走において

鍵となる身体の動きのあるポイント、足首に焦点を合わせて

疾走の原理の一端を追求してみよう。


足首の骨格は 以下の様になっている。

脛骨 けいこつ

腓骨 
  ひこつ

距骨 
きょこつ

踵骨 
しょうこつ







このなかでも  距骨 きょこつ の位置をしっかり理解してほしい。




まず 疾走するに必要なのが

走り出す初期の 最初のパワーである駆動力である。

駆動力は おおきくいえばトルクと称してもよい。

つまり 動き始める時の瞬間的なパワーであり、

ヒトが走り始める時の 駆動トルクは、

関節を駆動する筋肉のパワーで決定される。

したがって 筋力の質、量ではなく質が、駆動トルクを決定する。

筋肉の質とは この場合 筋繊維の剛性と言っていい。

つまり筋繊維の強さである。

筋繊維の剛性は 筋肉量とはちがうので 間違えないでほしい。

一見 筋肉を太くして筋肉量を増加すれば 駆動トルクも向上しそうに思えるが

筋肉量は 増加すればするほど体重が増加して

逆に 駆動トルクは低下してしまう。

太った人が スタートから疾走体制がとれないのは この理由による。


さらに 駆動トルクを増加させるには、

足の全体のバランスからすると

遠位部を細く長くして、近位部を太くするのが理想。

なぜかというと

遠位部が細く長く、近位部が太いと 物理的には

往復回転運動が より滑らかになり 少ないエネルギィ消費で推進できる。

これを 物理学の用語で 慣性モーメントが小さいという。

慣性モーメントが小さいとは、回転しやすいということだ。

具体的には

骨盤から 太もも、ふくらはぎ、足首へと 遠位に向かうにつれヒトの足は細くなる。

速く走る動物は すべてこの原理どうりになっている。

足首が太い人は 疾走するのに不利なのは この理由による。


次に 走り出した後 効率よく疾走するために活躍するのが

足首にある関節の 距腿関節である。








距腿関節は 足首の背屈と底屈を繰り返し てこの原理で

下腿三頭筋が踵に付着して 上方に引き上げる力を効率よく足先に伝えて

地面をけりだす機能を持っている。






ここで重要なのが 距腿関節を中心にして

足先までの長さと 踵までの長さとの比率である。

疾走で高速をねらえばねらうほど 

下腿と足先と踵は 距腿関節を中心にして 一軸に並ぶことが有効になる。

たとえば ヒト 犬 馬 のそれぞれの踵位置は下図のようになる。





さらに下図の意匠図が その仕組みをさらに理解しやすくしてくれる。

ヒトの足を基準にして 足先と踵の距離を他の疾走速度の高い動物と比較する。

つまり 疾走速度の高い動物は、

下腿と足先と踵は 距腿関節を中心にして 一軸 なのである。





また 距骨の直下に踵骨が位置されていないと

距腿関節は ずれてしまうので 疾走において

踵と足先の展開する てこの原理は乱調となり 軽快が失われるのである。





 距腿関節は 脛骨と距骨が ほぞとほぞ穴の関係にあり

がっちりと組み合って 脛骨より上位の全体重を距骨で受けて

距骨で受けた体重を 距骨の直下にある踵骨に落とす。


疾走の場合 ここから さらに 踵骨が上方に持ち上げられて

地面と接する指先の指節骨が地上にバウンドして

前進する。


このため

これから 本格的にジョギングを始めようとする人には

整体で まず この距腿関節の軸を健全にするチェックをおこなってから

走り出すと ケガの頻度がぐっと少なくなるのである。


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